ええええ、何でクジラが空を飛んでいるんだよ
僕が驚いてそう叫ぶと

あかりが、そんなにめずらしいかなあ
と僕のほうをみて言った。
あかりの感覚には時々おどろかされる。



僕こと神石 青(かみいしあお)と吹島(ふきしま)あかりが出会ったのは2週間前のこと
色々とあってなんでか僕らは、でっかいクジラを前にして困惑している。


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僕の朝はいつもコンビニから始まる。



月曜日には熱心ジャンプを読んで
水曜日にはマガジンとサンデー
それから店内をふらふらしたり
きれいなバイトのお姉さんの横顔をちらちら
見たりしながら

朝ごはん用にメロンパンとコーヒーを買って
ぼんやり学校に向かって歩き出す。


台風の過ぎ去った後、晴れてはいたけど
外の空気はどこか雨の匂いがした。

道中に街路樹の葉っぱが落ちていたり
店の看板が風のせいでズタボロになってはいたけど

なんだかとてもすがすがしかった。

こんな日には
頭の中での作曲作業がとてもはかどる気がする。

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あかりに紹介するところ?
あかりとの出会いはまだ、やめておく?

特にこれといって得意なことがない僕だけど
部屋の中でこっそり音楽を作るのが
趣味といえば趣味だ


パソコンひとつでいくらでも楽器は選べるし
ボカロに歌ってもらうこともできる。

便利な時代になったもんだ。

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学校の授業が終わり、僕は

学校の裏山へゆっくり歩いていった。
すぐ家に帰る気持ちにはなれなかったし

自分で作ってる新曲の構想をゆっくり頭の
中で練りたかった。
ちょっとずつ人気になってきたし

それから学校で軽音楽を始めて
少しずつ自分のレベルが上がっているようで
なんだかワクワクしていた。

一人っきりでこもっているだけの自分の
世界が、色々なものを通して、外へつながろうとしている。
そんな感覚がすごくうれしかった。

山道を越えて、ほんとにここは都心のど真ん中なのか
と疑問をいただきながら
歩きながら、山道の森を抜けると
広い原っぱのような場所がある。

空がどこよりも広く見えて
一番雲に近い場所のように思えてくる。
僕のお気に入りの場所だ。

けど今日はそこには先客がいた
背はちっちゃいけど、すごく元気そうな女の子で
僕の高校の制服を着ていた。

けど学校では見たことないよなあ
と思った。まあ当たり前だ
あんな人数の中
一人の女の子の顔を覚えているわけもないか・・・

女の子はちょっと肩を落として
困ったような顔で空を見上げて
何かを深く考えこんでいるようだった。

なんとなく声をかけていい雰囲気なのかどうかわからず
僕はこっそりその場を立ち去ろうとした。

そんな時に

「ねえ!!幽霊って信じる??」

女の子が急にこっちに向かって話しかけてきた。
やばい、何だろう危ない人かもしれない
けど真摯な瞳でそう言われると
なんだか馬鹿にするのも悪い気がした。

「し、信じると思うよ・・・」

僕がそういって引きつった笑顔を
浮かべると、あかりはうれしそうに笑った。

「ここには空飛ぶクジラの幽霊がいるから
今度一緒に見に行こうよ!」        ← クジラ=幽霊をどういうか、そのあたりよく考える。
                       どう見せていくか

もしくは
「こんど幽霊に会いに行こうよ」


あかりは元気いっぱいにそういった。

変なやつ、僕があかりに対する第一印象は
そんな感じだった。

そして僕らは、それからいつも
ちょくちょく僕お気に入りのコンビニでしょっちゅうばったり遭遇したり
その後の、学校帰りにこの原っぱで
何度か出会ったりした。
当然のように幽霊にはなかなか会えなった。

彼らもあかりのたわごとに付き合うほど暇じゃあないんだろう
と僕があかりを慰めてそして昨日

あかりから、今度は空とぶクジラを見に行こう、とそんなメールが来た。
また馬鹿なことをと、僕はすごく
白い目をして、あかりを鼻で笑った。ぷぷっ

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けど
そこには大きなクジラが空を飛んでいた。


ええええええ
僕はまた大きな声で叫んだ

なんでだよ、なんでクジラが空とぶんだよ

「そりゃあ、幽霊だもの、空ぐらい飛べるよ」
あかりがつまらなそうにそう言った。
チョコレートが甘いのは当たり前でしょ
馬鹿じゃないの・・・そう付け加えられて

カチンときて僕はあかりにくってかかった。
「じゃあいったい全体なんでこんなとこに
その幽霊がいるんだよ」

「この間の台風で、流されてきたんじゃないのかな?」

「なんであかりには、クジラがみえるんだよ」
「おかしいじゃないか!!」
めずらしく興奮していた。こんなにどきどきしてるのは
僕の作った曲が10万hitして
ネットの中のいたる人から、おめでとうと
ガキの癖にって、罵声を交互に浴びせられていらいだ。

「私、お寺の子だし、きっと霊感とかがあるんだと思うよ」
僕の全力の抗議は
さらっとそう流された。
おかしい、科学的は色々どう考えてもおかしい

けどあくまでマイペースなあかりと
空を優雅におよぐクジラを見ていると

まあそんなことはどうでもいいかと思えてきた。
僕の好きな音楽でも、空にはサカナがいたいクジラが虹の
アーチを描いたりする。まあいっか
いいよな、たぶん・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

空飛ぶクジラを見に行こう~メモ

とりあえずノベルゲームのメモ

閲覧数:171

投稿日:2011/11/06 17:24:04

文字数:2,420文字

カテゴリ:小説

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