【forest】
A1
立ち込める靄の薫りに包まれ
瞳を閉じれば響く葉の音色
絡みつく蔦が幾重に連なり
競い合うように空目指してゆく
B1
数え損ねた年月流れ
老樹は常に両手広げて
風を受けては枝葉を揺らし
尽きることなく明日見つめている
C1
長い夢が覚めるようにと
何処からか袖を引いてる
朽ちた木々は光を宿し
皆を照らす時を忘れて
A2
縁取られた空落涙流して
濡れてゆく落ち葉七色を放つ
B2
澄んだ泉に浮かぶ小舟が
風に揺られて波紋を残す
乗る者の無い寂しさ隠し
果てることなくただ佇んで
C2
長い夢の覚める頃には
跡形無く消え失せている
朽ちた木々は土へと帰り
後を託す森の護り子たちへ
D
語り継ぐ この森のさえずりに耳澄ませ
密やかに この森の終わりまで抱かれて
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