HaTaの投稿作品一覧
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貝殻に包まれて生まれ落ちた私たちは
大切に守られて、閉塞感で死んでく
"現在"だけを生きてたいな、あの泳ぐ魚のように
"過去"を生きた私はすぐさま"未来"を生きなきゃいけなくて
横になり目を瞑って、呼吸整え、意識は絶える
毎晩、ベッドの上で死の練習をしてその時を待つ
あの綺羅びやかに降る流星雨を
大...昨日をうまく生きられなかった私達はきっと明日もうまく生きられない
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昨日をうまく生きられなかった私達はきっと明日もうまく生きられない
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サァサァ皆見て御覧(ろう)じろ!
御目通り控えましたるは
救えぬ者らの滑稽譚
悲劇は此れ喜劇で御座い
のらくら歌って夢語り
矯(た)めつ眇(すが)めつ不安に生き
否定をされれば黙念と
そうして最後はポツネンと
人生取りもなおさず幕間狂言
ゴメンと謝りお役御免...東西東西狂乱興行
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東西東西狂乱興行
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翼広げ、どこか遠く、
ひとりという名の鳥になり飛んで
いけたらいいな、そこには見たことない
きれいなものがあるの
不幸の森で惑った少女
誘蛾灯の下で華麗に笑う。
こよなく愛した言葉を摘んで結わえた
花束を持って歩く。
接木(つぎき)のような時制の不連続。
広場に殺(し)した感嘆符の葬列...一縷、散る、満ちる
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一縷、散る、満ちる
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「月並みの塔とイデアの月」
照らしはすれど暖めることのない
崇高な月の光をこの胸に
見上げた夕さりの空をきわやかに分かち聳える無骨の塔
下生えの蔦(つた)がひたと絡みつき、小暗い御空(みそら)に塗(まみ)れ行く
身体(からだ)と意志とを脱ぎ捨てて
未完の景色に色を塗れ
誰もがまだ見ぬイメージで
光で...月並みの塔、イデアの月
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月並みの塔、イデアの月
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遠雷のように鳴りひびかう太鼓の音、地を這って
諸人(もろびと)賑々しく歌い、てんでに言祝ぎ、手を叩く
誰(だ)がためにでもなく、自分のためだけにさ柏手(かしわで)を
信じて仰ぐに足るものはここには何もないさ
突として湧いた蟠る感情。泥(なず)み淀み響(どよ)み胸に残る
神の居ります、在(ましま)す、...騒がば踊れと虚無の国
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騒がば踊れと虚無の国
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そこのけ、広き海へ渡る船、
帆、よく揺れて知らぬ瀬戸も青
釣り餌を食む魚や水面に待ち
〈そこのけひろきうみへわたるふねほよくゆれてしらぬせともあおつりえをはむさかなやすいめんにまち)
青めく空さえ飲み込む摩天楼に
治癒もせぬ羽を癒やす鳥、
星、引き連れ夜更けへ渡る中
(あおめくそらさえのみこむまて...暗ム明ラムパングラム
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暗ム明ラムパングラム
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燐光性の錆びた言葉が時計じかけの夢を見て
螺鈿細工の猫ヒゲ線が人工鳥の比喩に死ぬ
痛みが通る轍のあとに複数形の白昼夢
君が作った〈世界の終り〉手品まがいの琥珀の音
白黒衝動、逃げる舞踏狂
「可笑しくなって 笑っちゃうわ」
二十二口径ねじ式系統
全て冷たい版画のようね、青い静脈の笑みの中
同心円で...Dr.バロウズインザラボラトリー
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Dr.バロウズインザラボラトリー
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煤煙燻る夜汽車につゆ揺られて、辿り着いたは無人境
憂き身に独り沈む私をもっと寂しがらせよ閑古鳥
繙(ひもと)き、読み解きまた繰(く)る頁(ぺーじ)
切れ切れ幾片(いくひら)の言葉が舞う
ひた集め知らぬ間に崖の縁
探しものに終ぞ出会わぬまま
草臥(くたび)れ折れる赤茶けた羊皮紙が押し拉ぎあう書架の森
...ワールドエンドブックエンド
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ワールドエンドブックエンド
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素気(すげ)ない風が粛々と葉末(はずえ)にすがる雨露(あめつゆ)をさらう
街の明かりが彳(たたず)んだ夜の暗がりを静かに摘んでゆく
薄暮に霞む後影 行人(こうじん)織りなす街路の淡彩
古い市門に消えてゆくあなたの背(そびら)を目で追った
踊るに似たるその歩み隆(りゅう)ときまって甚だ可憐で
宵に急か...それはあまりに人間的な
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それはあまりに人間的な
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酔狂、積みに積んでレッツゴオ 蒙昧、絵に描いた頓痴気な世界で
巫山戯(ふざけ)て 戯け、パッパラッパ 白痴をぶら下げて練り歩く
醜態、晒したってオオライ 後悔存ぜぬと道楽御一行
手練手管でパッパパッパ 遊惰を引き連れて徒然、道連れ
道中、変に右往左往中 行きつ戻りつでまた間違った
脱兎、遮二無二、這...頓痴気乱痴気珍呑紀行
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頓痴気乱痴気珍呑紀行
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褐色(かちいろ)、瞳の奥に目まぐるしく映るは褪せた世界
喉を嗄らし凋む花、今日もまた一つ泪を注ぐ
文字盤の汚点(しみ)は増えて、花の葛(かずら)で編んだ冠は腐り
誕生日を祝う意味すら分からずに過ごしてたんだ
襤褸屑で包む綺麗な嘘
形象(かたち)をなくした不在の都市
余さずに過去は寓話となり
移り香だ...目覚めたあなたよ幸福たれ
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目覚めたあなたよ幸福たれ
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寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
繰り返す放課後はやがて時を止め
少女はかくて夜に溺れていく
憂い、...文学 in the 少女
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文学 in the 少女
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ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
一体何を探してるの?
一疋、嗤った回遊魚
回らぬ時計はさておいて
青い鳥の啼音(なきね)の後を追え
昨夜(よべ)の不安と気がかりな夢と...ボトルシップクロニクル
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ボトルシップクロニクル
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二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
いつか終わりはくるんだ。その希望にひたすらに縋った。
...八釜しの国
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八釜しの国
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淡い淡い海鳴りの底、群立つイルカの呼気さながらに
溶けた瑠璃色の泪、視界が滲む
爛漫敷き詰めた青と青、世界は止め処もなく美しく
頓に永久に満ち満ちて居場所をなくした
言葉少なな睡余の街、妙ちきりんな言問繰り返し
今日も亦、惑うばかり彼は誰の空
薄明果てしない白と青、世界は当て所もなく輝...こんな夢を見た。
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こんな夢を見た。