藍夢

夜に浮かぶ満ちた月
抱く空を藍に染めて
いつしか知った愛ならば
いつしか忘れる定めでしょうか
認（したた）めた言ノ葉は 届くことなく濁世の虚無に消えてゆきます

―君が好き―

真っ白な華が舞ってる
六花は無垢な結晶だから
小さく微唾む月の光が
優しく君を包んでる
君らしくもないね

―消した―

聴いてください　紡ぐ言の葉
愛しています　偽りさえも
届かない誓いに届かない祈りが
悲しげに交差してる
それでも消えない

―歌の命―

私は眠る歌の中で
生まれる朝
感情宿さぬこの心中
流れるは確かな熱