タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(5)
-
白黒の人だかりに狼がいた
速くすぎる影の中に狼がいた
焦げた赤茶色の狼
血を浴びたように暗い
車の蟠りの中をするりと抜けていった
すぐに消え行く狼
今はここに無い速さ
笑っていた
獲物をくわえている
黒い血を点点と撒いて狂喜する狼...狼の速さ
-
夜に生まれたように
ひとり鏡と語りあう
路のざわめきも月光のスープに溶けゆく
あの虹や星 光るものたち
街が繋がるところ 君は何処に居る?
波長の違う僕ら平行線
エンドレス描いて堂々巡り
身体を巡るは何かしらのデザイン
時が望むなら僕は続く
事実を主張したいならバランスになろう...夜に生まれたように
-
海が見えるという そのウオから
全貌を知っているらしい
低く飛ぶよ 白いウオ
青電気綻ぶ鱗から
氷粒吹き出す 大陸橋渡し
それはサカナであった 漂流が趣味
或いは目玉であった 渦巻き雨降らす
そこにね、少しかよわいものたち
星のエネルギ 飲んで水に溶けて飲む
波が見えるという そのウオから...海の見える魚
-
潮があふれるように
透明な風がやってくる
雲の群とともに 西の空から
月夜 満ちた月よ
するどい光はいつも
黄金の瞳へと
そうして現れる月の輪が
ぼやけた虹色を踊らせる
薄雲に映えた七つ光を
指先に絡めて...黒猫
-
0
夢を見ていた。
そこは夜の空。地上に敷かれた雲の海と、丸い月がひとつ浮かんだ宇宙の間、その空を、一羽の鳥が飛んでいた。
鳥は月光と戯れ、夜空を泳いだ。
冷たい空気が羽の上を滑っていく。意識が浮遊感を携え、遼遠へ拡散している。
まるで宇宙にいるようだ、と彼は思った。
いつから飛んでい...月と僕