絵も音楽もてんで駄目なので、文章で頑張ります! 拙いですが楽しんで頂ければ幸いです!
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海岸沿いを車が走っている。運転手はその青い髪を風に揺らしていた。
後部座席では黒い髪の女性、グロリアが小型端末で電子新聞を見ていた。
その見出しには
C.F.テクニカル社、VOCALOID部門、VOCALOID調律師ミュンヒ・ハワウゼン氏退任
と、書かれていた。
その隣で、おめかしをした少女、ハルが...無題 第4話
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月も眠る静かな夜
「カイトさん、あのね、グロリアさんは?」
「もう、寝たよ」
寝間着を着た亜麻色の髪の少女ハルが、
リビングで片付けをしている、青い髪の青年に声をかけた。
「あのね、今日ね、ミクちゃんがラジオで歌うのよ。一緒に聴こう」
そう言って、ハルはリビングに置いてあるオーディオの電源を入れた。...無題 第3話
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喉の調子がおかしい。けれど、それは些細なエラー。
調整ベットの上に寝転がり、機器と繋がればすぐに解決する。
ミクはぼんやりと調整室の天井を見つめながら、
まだ、研究所で生活をしていた頃を思い出していた。
―うまく うたえないの
―みせてごらん
そう言って、兄が大きな手で、優しく首筋を包み込んでくれた...無題 第2話
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近くて遠い未来、
ひとつのアイドルが誕生した。
その名は初音ミク。
アプリケーションソフトウェアという、数字の塊でしかなかったそれは、
器を得て、自らの意思で音楽を歌った。
きらびやかな今は、けして幸せだったとだけ言えない過去によって成り立っている。
ボーカロイド達に自らの意思で歌を歌わせたい。
そ...無題 第1話