オータム♪さん

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イチオシ作品

リリアンヌと召使いの仕事

午後三時、おやつの時間。 彼女、リリアンヌはブリオッシュを食べている。 「う~んやっぱりブリオッシュは美味いのう~♪」 「それは良かったです!」 僕はそう言って彼女に向かって笑った。 満足そうにどんどん食べ進めていくリリアンヌをしばらく見ていると、ピタリと食べるのをやめて、僕を見た。 どうしたのだろう?僕が邪魔だったのだろうか? 「どうか…しましたか…?」 僕はおそるおそる聞いてみた。 「実はな、わらわは一度お主らの仕事をやってみたいと思ったんじゃが、やらせてくれんかのう?」 よかった…僕のせいでおやつの手が止まったのかと思った… 一瞬ホッとしたが、ようやく彼女が言った言葉を理解した。 「えぇー!僕たちの仕事をですかー!」 「・・・」 「僕は大歓迎です!」 「それで…」 「でも、どうしていきなり…」 「アレン、そろそろわらわにも話をさせてくれんかのう…」 そうリリアンヌに言われた時、僕は一人で話を進めている事に気がついた。 「あっ…もっ申し訳ありませんでした!!」 「…まぁそんな事より、わらわは最近暇で暇でしょうがないんじゃ。そこでじゃ!おぬしらの仕事がおもしろそうじゃな~と思って、やりたくなったんじゃ!」 なるほどー。 「まぁ、本音を言ってしまうとな、働いた後のご飯は美味しいとよく聞くのでな、食べてみたいなと思ってな。」 リリアンヌはそういうと「へへっ」と笑った。 ハハハ…やっぱり彼女らしい考えだ。 そう思ってとりあえず僕は、彼女と明日、仕事の約束をした。 次の日。 使用人の服を着たリリアンヌが来た。 いつもドレスだから、この姿の彼女はとても新鮮だ。 「うぅ…なんじゃこの姿は…」 「使用人の服ですよ、リリアンヌ様。ドレスよりよっぽど動きやすいですよ。」 それもそうなんじゃが…」 「この姿ならば、ドレスの方がよっぽどましじゃー!!」 彼女はドレスに着替えようとした。 「待ってください!今日だけの辛抱です。がまんしてください!」 すると、納得がいかないような顔をしながら彼女は、「しょうがない」とつぶやいた。 まったくリリアンヌ様ったら。 僕は「はぁ…」とため息をついた。 アレン~ルシフェニア王宮内「厨房」にて~ まずは彼女に皿洗いをしてもらう事にした。 今、パリーン!ガッシャーン!!…と、とてもすさまじい音が絶えずに聞こえる。 「あぁ!もうっ!!どうして皿が落ちるの!私はなにもしてないわよ!」 「落ち着いてください!」 そう言って僕は、皿洗いのコツを教えた。 「ふむ、こうするとたしかにやりやすいな。」 やっているうちに、さっきまでのすさまじい音が少しずつ減ってきた。 彼女が落ち着いたのを確認して、僕は少しホッとした。 そしてどんどんやり進め、皿洗いが終わったのは十時だった。 アレン~ルシフェニア王宮「庭園」にて~ それから僕たちは、一日の中でも最も大変な仕事、掃除を行った。 ルシフェニア王宮内はとても広いため、一部の掃除だけでもとても大変だ。今日はその中の庭園掃除をした。 あと、言い忘れていたけれどリリアンヌの事は、もうすでに他の使用人の人には話しをしている… 「アっアレン!」 「シャルテット?」 はずだった。そういえばシャルテットには伝えていなかった気がする… 「どうしてリリアンヌ様がこんな格好をして、私たちの仕事をしているんスか?」 僕はシャルテットに全てを話した。 彼女がやりたいと言ってた事を。 「あぁ、そうだったんスね。了解っス!それじゃがんばってくださいね、リリアンヌ様!」 そう言ってシャルテットは僕たちの前を後にした。 やり始めて一時間もしないまま、リリアンヌは手を止めてその場に座ってしまった。 「もう、無理じゃ無理じゃ無理じゃーー!!」 「リリアンヌ様、やり始めた事なので最後までやりましょう。」 彼女は不満気だ。 「それに…」 「美味しいごはんが食べれなくなりますよ。」 「うっ…それはイヤじゃ…」 彼女は、そう言ってまたしぶしぶやり始めた。 そして、僕も掃除を再開した。 ん?さっきの似たような会話、どこかでした事がある気がする… 僕はしばらく考えながら掃除をした。 そして、ふと思い出した。 そうだ!さっきの会話、 小さい頃にした会話にそっくりだ! 僕は昔の会話を思い出した。 たしか、この時もちょうど掃除をしていたんだっけ? 「もうやだー!」 「だめだよ、リリアンヌ。おいしいごはんが食べれなくなっちゃうよ?」 「うぅ…それはイヤだけど…」 「けど?」 「そっそうじもイヤ!!」 「そうじをしてごはんを食べるのと、やめてごはんを食べないの、どっちがいい?」 「どっちもイヤ!…やだけどごはん抜きはもっとやだ!」 彼女の声のトーンがどんどん下がっていく。 そして、 「もうっ!やればいいんでしょ!や・れ・ば!!」 そう言ってしぶしぶやり出した。 それを見て僕も再びやり出した。 しばらく沈黙が続いたが、口を切って彼女が話しかけてきた。 「やっぱりすごいな、本当に。」 どういう事?僕は理解ができなかった。 「だってさ、同じ血が流れているのにこうも違ってくるんだもん。」 あぁ、そういう意味のすごいなかぁ。 理解した後すぐに「不思議だよね」と答えた。 「…ン…レン…」 誰かが呼んでいる。 「アレン!!」 「うぁぁぁぁぁ!!リリアンヌ様!」 「なんじゃ?その化け物が出たかのような反応は!」 「…っとそんな事より、おぬしさっきからずっと手が止まっておるぞ。」 「あっ、すみません…」 僕はあわてて進めた。 どうやら昔の事を考えていたら手が止まっていたようだ。 そうして… 「ふぅ、終わった~」 二人で息をそろえて言った。 「まさかこんなに時間がかかる仕事だったとはのう…」 そう彼女は言ってしゃがみこんだ。 午後一時かぁ…それにしても、一部の掃除だけでだいぶかかったなぁ… 「それよりもごはんじゃ!ごはんを用意してくれ!」 は、はぁ…僕も今終わった所ですよ、リリアンヌ様。ごはんができるまで何時間かかるのやら… 僕はため息をついた。 すると… 「お疲れさまです!リリアンヌ様!」 ネイが来た。 「リリアンヌ様、食事が出来ていますよ。」 「やーったーー!!ごはんじゃ~!」 彼女は満面の笑みで、跳び跳ねながらごはんの用意された鏡の間へと向かった。 「アレンもお疲れさま~。いつもより時間がかかって大変だったでしょ?」 「うん、少しね。それより今日、食事当番僕のはずだったよね?」 「そうだよ、でも十二時までには間に合わないことわかってたし、それに…」 「それに?」 「シャルテットや他の使用人の人達もアレンはがんばっているからって、手の空いた人から手伝ってくれたんだ。」 「みんなが…」 「うん。」 僕はみんなの行動に感動して涙が出そうになった。 「それより、リリアンヌ様行ったよね?行かなくていいの?」 「…あっ!ありがとうネイ!」 僕は急いで鏡の間へ向かった。 アレン~ルシフェニア王宮内「鏡の間」にて~ するとそこには、他の使用人の人達 …と、ドレス姿に戻ったリリアンヌがいた。 「やっぱりそっちの姿の方がリリアンヌ様に似合ってるっスよ!」 「うむ。やっぱりそうじゃろ?わらわもそう思っていたところじゃ。」 「…でもあの姿のリリアンヌ様、もう一度見たいっス!」 「断る!!あんなみすぼらしい姿をするのはもう勘弁じゃー!」 「うぅ…すみませんっス…」 「それより、ごはんをいただくのじゃ。」 彼女は一口目を口に運んだ。 「んん!」 「うっ、うまいのじゃ!こんなうまいの初めて食ったぞ!」 彼女は次々と料理をたいらげていく。 「なぁ、ネイ。」 「はい。」 「味付けとか変えたのかの?」 「いえ、変えてませんが…」 「ふぅむ…」 彼女はしばらく夢中になって食べた …が、いきなり手を止めてこう言った。 「使用人たちよ、アレンと二人にさせてくれんかのう?」 それを聞いた使用人たちは、他の仕事やりに鏡の間から出て行った。 僕は、みんながいなくなったのを確認して彼女に聞いた。 「なんの用ですか?」 「アレン、そこに座れ。」 僕は、言われた所に座った。 すると彼女は、料理の乗った皿を僕の前に置いた。 「これ、やるのじゃ。」 彼女は、てれくさそうに言った。 「これを僕にですか?どうして…」 いつもの彼女にしては珍しい。 いつも使用人には、一口だってあげないというのに。 そもそも、使用人の仕事をやりたいと言った時点で、とても珍しかった。 「今日のお礼じゃ。」 「お礼と言ってもこんな物、受けとれません!」 「今日、おぬしは私…わらわのためにたくさんのアドバイスや、いろんな事を教えてくれたのじゃ…まぁちーっとボーッとつっ立っていた時もあったが…」 「それでも…」 「…受け取ってくれんかのう…?」 僕は、 「では、お言葉にあまえて。」 いただく事にした。 まずは一口。 「ん!とても美味しいです!」 「そうか。それは良かったのじゃ。」 これがいつも僕たちが作っている味かぁ… もくもくと食べていると、ふとある事に気がついた。 「ん?そういえばリリアンヌ様。僕が食べているのって、もしかしてリリアンヌ様の…」 「ギクッ…べっ別に嫌いだからって食べさせているわけではないからな!」 「あの…まだなにも言ってません…」 「あ…」 彼女は顔が真っ赤になった。 「…んんん。とにかく、今日はありがとうな。わらわはそろそろ行くぞ、片付けよろしくなアレン。」 彼女はそう言うと立ち上がった。 ドアの前まで行ってふり返った。そして、 「わらわが食事をあげたこと、誰にも言うでないぞ!」 と、一言言い残して、鏡の間を後にした。 片付けかぁ…でも、そうは言ってられない。 いい加減僕も動かなきゃな。リリアンヌも行ったし。 僕も食器を片付けるために一度、鏡の間を後にした。

リリアンヌが召使いの仕事をしたらどうなるのかな?と思って作ってみました。
投稿日時 : 2018/09/12 13:07

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