僕の君の心臓
作詞:八白
作曲・編曲:でっち
使用VOCALOID:初音ミクV3
その少女は
あとわずかの命でした
心臓が罅割れていて
治すことはできません
窓の向こうの
少年はいつも
目が合うと
微笑みかけてくれて
少女は彼に
別れの言葉を
伝えたいと思いました
満月の夜の侵入者は
さよならを告げる前に
僕と君の心臓を
取り替えようと言いました
半人前の少年は
この世界が嫌いでした
微笑みを返してくれる
少女だけをのぞいて
月の下で踊る
彼女の姿を
忘れぬよう目に焼きつけて
少年はそっと姿を消しました
胸の痛みに耐えながら
少年は見たいだけでした
失くしたくないだけでした
大嫌いなこの世界で
大好きな少女の笑顔を
ただ一度きりの
ささやかな魔法
橋の下で彼は
満足げに笑いました
この罅割れた心臓は
すぐ止まるでしょう
すぐに、止まるでしょう
少年は目蓋を開きました
少女が泣いていました
いますぐにこの心臓を
あなたに返すから、と
手を握る少女に答えました
これは僕の心臓だ
大好きなひとの心臓だ
返してなんか、あげないよ
※2015/09/17 新機材導入に伴いアレンジを改良。