止まらぬものは涙なり
「かにかくに止まらぬものは涙なり人の見る目も忍ばかりに」(良寛)
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命の炎はかくもか細く
一陣の風に吹かれて消え去りぬ
長らえし我と去りし者たち
隔てしものはただひとつ
そのときいた場所
たとえ春にまた花咲けども
失われし命二度と戻らず
流れ落ちる 止まらぬものは涙なり
町の灯火はすべて吹き消え
静寂の中をただ風が駆け抜ける
なんてこともない日々の明け暮れ
終わらせし大きな力に
我立ち尽くす
たとえ朝にまた日が昇れど
在りし日の面影跡形も無し
頬を伝う 止まらぬものは涙なり
たとえ天が落ち
地が裂けても
人は前を向いてまた歩み出す
とはいえども 止まらぬものは
涙なり