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【moonlit bear】ミルクは勝利の暁に【原曲者に謝れ】

「こんな暗い夜には、コワい熊が出るから」


貴方は落ち込む私に、いつもそう注意して夜に出掛けさせないようにした。
理由は・・・・・・言いたくない。今は、言える気分じゃないの。


だけど私は出掛けてしまったの。
・・・・・・ごめんなさい。


だけど、今夜行かなきゃいけない気がするの。


なんだか今夜は・・・・・・月が、綺麗だから──────────・・・・・・・・・










【moonlit bear】ミルクは勝利の暁に【原曲者に謝れ】










暗いクライ森に響く、私の、雑草を踏み歩く音。
今はどこら辺を歩いているだろうか───暗い森では、それさえも分からない。


そう思ったとき、「こつ」と何かが私の靴に当たる音。
なんだろうと思って目を凝らしてみてみると、それは赤いアカイ“食べ物”だった。


“食べ物”は大きな樹の下にあった。
そう、それは他の木とは比べものにならないぐらいの大きさで・・・・・・まるでこの森の王様みたい。
私はその樹がなんなのか知っていたので軽く礼拝をし、あることに気づいた。



───これはもしかしたら・・・・・・ううん、キット神様からの、素敵なステキナプレゼントなんだ!



これ持って帰ったら喜ぶかしら? いや、嬉しすぎて泣いちゃうかもね。
私は彼の泣く姿を見て微笑んだ。


私は“食べ物”を抱きかかえ、くるりと180゜回転して走った。
今日は月がとても綺麗だから、早くおうちに帰らなきゃ。


だってね─────










雑草を踏み歩く音が聞こえる。
振り返ると、そこには─────熊がいた。それもとてもコワイ。





───せっかく見つけた“もの”だもの。誰にも・・・・・・ダレニモ、渡したくない!!!



私が走ろうとした先に熊がいたので、私は違う道を選んだ。
しかもその道はとっても走りやすかった。(どうしてこっちの道を通らなかったのだろう。)


花咲く森の道を私は駆け抜ける。
赤い“食べ物”を抱えながら。
このまま帰れば、きっと私もあの人も幸せになれるはず───そう思って。


だけど、後から怖い顔をした熊が私を追いかけるの。
お願い・・・・・・許してください。見逃してください!・・・・・・



───だけど私は分かっていたのかもしれない。



本当はこの果実が・・・・・・あの熊の、大切な“もの”だということに。





*****





私は走る。


さまよい走る。


この幸せを渡さない為に。





熊の姿は月に照らされ、


黒い影が私に迫る。





正しい道はすでに失ったけど、私はそれでも走った。


ただただ走った。





私は泣いた。


後ろからは熊の鳴き声─────いや、泣き声。


私の手にも冷たい感覚。


───それは赤い“食べ物”だった。





*****





「やっと・・・・・・着いた」



長い時間かかってようやく辿り着いた、愛しの我が家。
私は家の中に入る。


そこには───愛しのアダムがいた。


アダムは「イヴ! 今まで何処に行ってたの!」と厳しい口調だけど、優しく微笑んでくれた。



─────だけど、





「イヴ・・・・・・」



アダムは悲しそうな顔をした。



「・・・・・・」



私もつられて悲しそうな顔をする。
彼は口を開いた。



「どうして────





 ─────アイス、じゃないの?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・ごめんなさい」

「・・・・・・どうして!? 僕は確かにアイスを頼んだよね!!
 なのにどっかのガキなんか持ってきてんだよ!!!」



ぐ・・・・・・確かに悪いのは私だ。
だけど、仕方ないじゃない!



「だって、コワい熊が追いかけてきてるのよ! 譲りたくなるでしょ!?」

「そういうのは走って逃げろ、漢〈おとこ〉なら!!」

「私は女よ!」

「うるせえ! とにかくお前は、許されぬ罪を犯したんだ! 僕との約束を破ったというな!」

「分かってるわよ! さっさといたぶりなさい!」

「お前は本当にMだな」

「Mで何が悪いの!?」

「悪くないに決まってるだろ、僕はSなんだから!」

「じゃあさっさと罰与えて!」

「今ならやり直せる! だからいたぶる前に取り返して来い!」



そんなの・・・・・・



「無理よ! だってもう・・・・・・





 熊が食べちゃったんだもん!」



それを聞いた瞬間、彼は顔を真っ赤にして、



「その熊は何処にいる?! 僕が倒しに行く」

「・・・・・・家の、外で横たわっているわ」

「何故横たわる?!」

「だって─────ハバネロ(10倍唐辛子)アイスを10個も一気に食べたんだもの」



今頃「ひゃらい・・・・・・」と呻いてるでしょうね。



「何故ハバネロ?」

「うん、貴方の『ひゃらい・・・・・・』って泣き叫ぶ姿を拝みたくって☆」

「お前、意外とSなのか!?」

「♪そうよ、私は新たにSに目覚めてない~」

「『master of the court』の替え歌すんじゃねえ!
 っていうか目覚めてないのかよ! ややこしいな」





私が反論しようと口を開いたとき、突如玄関のドアが開く。
そこには・・・・・・あの熊───いや、女がいた。


女の口は赤く腫れあがっていたけど、そこは気にしないでおこう。


女は私に向かって叫ぶ。



「ちょっと! なんなのよあのアイスは! 変なもんをアイスに混ぜないでちょうだい!」



私も即反論。



「だって貴方が『私のアイス返せ!』って叫んでたから返してあげたんじゃない!
 第一、あんなところにアイスを置いとくのもどうかと思うんだけど?」

「五月蝿いわね! だってその双子をどっかに放ろうと思ったらアンタが私のアイスを横取りするのを見ちゃったんだもの」

「何故双子を放る」

「メンドクサイから」

「っていうか、そのアイスがハバネロアイスだって気づかなかったの?」

「あたし目が悪いの」

「なるへそ」

「分かってくれた?」

「イェス」



いつの間にか馴染んでるところは無視しておこう。



「まぁ、あとひとつだけあるんだけどね。(ハバネロ)アイス」

「「あったのかよ!?」」



あらヤダ。
アダムとハモっちゃったわ。


・・・・・・そうだ、いいこと思いついちゃった♪


私は女に耳打ちをする。
女は私の思いつきを聞くなり、ニタァと微笑み─────アダムを押さえ込んだ。



「!? え、何これ?!」



私はハバネロアイスを持ち、身動きの取れないアダムに一歩ずつ歩む。
そして、ハバネロアイスをアダムの口に入れた。


当然の如くアダムは、



「ぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



と絶叫しそのまま力なく倒れた。
私と女はハイタッチし、暁にミルクを乾杯したのだった。

 ど う し て こ う な っ た!
ミクがカイトを虐めるはずなのに!
どうして逆になった!

投稿日時 : 2012/04/29 18:00     投稿者 : 雪りんご*イン率低下

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