穢れぬよう 穢れぬよう
ひとしずくの涙
ずっと守り抜いてきたものは

永遠の夜を見る 窓辺に座り込んで 見える景色は何色？
洗礼にも似た月光 溜め息は散り散り 花弁
指先がなぞる星座は あの日の翳りに変わって 墜ちて 墜ちて

ゆらゆら揺れながら
おちるゆめをみるの
つかまえてほしい この腕を

血を吐くように 啼く 鳥のように
唄いましょう 鋭い視線
下らないお伽噺は要らない

良い子
絵本を読んであげるから
兎の目で ちゃんと見届けて

淡い カラフル タイル なぞって
こぼれ落ちたら 滲む 血の色
午前２時 水音 掻き消される雑踏

黒猫告げる断末魔
時代遅れの不幸の手紙
湿った紙を引き裂いて

愛情不信 感情論
心臓を抉られて、嗚呼、
仔猫を埋めた庭で溜め息を吐くの

雑音まみれのこの脳内
無音を欲して 断末魔
発狂しそうな 目眩 クラクラ

生きるとか 死ぬとか
もうめんどくさいから
キスしてくれたら それでいいよ

どうして、と言われたらそれまでなのだろうけど
僕は答えなくちゃいけない
でも答えは机上の鍵にも相当しなくて

見えないものを慈しむ その指先
触れ合わない 隔たり 声は無く
ごめんね そう言った気がする

溜め息混じり 落ちるメイク
何か足りないの
何か足りないの

指し示す 針 25時
夢うつつ ぼやけた視界 グラグラ
淡い声で 掠れた声で

軋む骨。
あまやかな嬌声。
はしたなく跨ぐ脚。

その日は 空が綺麗だったから
それだけだったの。
グラウンドの向こう

今日も カレンダー ×印
いくつ貯まれば 終わりはくるの
垂れたインク 滲む世界

いつまでも 気だるくて
うざったるいキスの名残
咥えた煙草は苦くて

なんてはしたない顔
しているんでしょう
鏡に映ったわたし

Come on？
叫びを上げた眼差し
余裕無さげに手を伸ばして

電池が切れるまで
それまでの繋がりで
泣くだけ泣いて

「もう会えないんだ」
終止符を打ってみた
一方通行 恋愛未遂

憂鬱な日ばかりが続くの 五月雨
呼吸 ため息 五月病
眼を閉じても雨音

指先で撃ち込んで、その弾丸
一文字、「×」
それだけで逝けちゃうよ

浴槽。
熱すぎる水
煩いシャワー

ぐるぐる廻って１回転？
世界がパンクしそう
クラクラ グラリ

幻聴。幻覚。自殺未遂。
「眠れないの。」
増えるクスリ 眠るおクスリ

赤い爪先にキスしてよ
そのまま 噛み千切っていいから
指の先から舌でなぞっていって

好きなのに
両手いっぱいの
愛を数えても

暗転。
私、死んでしまうの
もうすぐ怪物がやってくる

ねぇ。
壊したいよ 乱したいよ
あなたのこと あなたのこころ

あたしは今日も食事の準備
小瓶に詰まったたっぷりのストロベリージャムは
まるで血液みたいに真っ赤なルビーのいろ

何かを云つてゐる口唇（くちびる）が
脳に認（したた）める恋路（こいじ）を食む
我が君は未だ知らぬ

お姉さまと御呼びなさい
私を必要としたのでしょう？
必要なのは打ち込む（私に触れる）指先と

（嗚呼）
最期の言霊を繋いでゆきましょう。
願いは空虚