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17. 『都市の亡骸から炎は消え、燻り続けている。 静寂は全ての生命を包み込み、未来に帳を下ろす。
16. わたしは復讐を果たしました。 わたしのアレックスを撃った浮浪者に。
15. ボロボロになった高級車の前には、閑散としたバリケードが。後には暴力と略奪と炎をまとった阿鼻叫喚の混沌が繰り広げられていた。 一番地区は無法地帯と化した。
14.後編 細長いゴンドラの真ん中でスティーブの方を向いて腰を下ろす。 こういう小舟に乗るのは初めてだけれど、意外に揺れるな、というのが率直な感想だった。
14. 「ええと……その、リン?」 その声に、オレはようやくハッとする。
13. 「ハーッハッハッハッハーッ! サイッコーだなぁ! ええ? おい!」 一番地区を駆け抜ける高級車の後部座席から身を乗り出し、女が高らかに笑っている。
12. 飛行船の船体がぐにゃりとたわむ。 破裂寸前の風船みたいになったそれは、衝突した相手が押し負けたことで辛うじて破裂を免れた。当の相手は、飛行船の衝突に窓ガラスが粉々に割れ、構造材を歪ませ外壁材が砕かれ、その巨大な体躯を傾かせる。
11. 『市長、転落死!』 女はニヤニヤと笑みを浮かべながら、そんな見出しの新聞を広げている。
10. 後編 「スパイカーズ、か。ニードルスピアにぴったりの名前じゃねーか。針よか釘の方がちっと太いけどな」 「彼らと現在敵対しているのが七番地区方面を拠点としているブルースカルズです。両者がこの都市の二大ギャングと言えるでしょう」
10. 中編 「……」 やがて廊下の途中にちょっとしたスペースのあるところにたどり着く。そこにはいくつかの放置されたロッカーと、上へと続く梯子があった。
10. 「違う! 俺が指示した訳じゃない! 俺のせいにされたんだよ。殺したかったわけでも、殺そうと思っていたわけでもない!」 窓のない、コンクリートで囲われた薄汚い部屋の中央で、全身を椅子に縛られて座らされている男が絶叫する。
9. 「ギュスターヴ・ファン・デル・ローエ二世。我、ニードルスピアの名に置いて汝の罪を裁かん。己が罪を数えよ」 「は……? いったい何の冗談――」
8. 「彼は生前、この都市の為に良く働きました。市長と友人でもあった彼は、市長を助け、また一般市民の味方となりこの都市への貢献を忘れませんでした」 針降る都市から少し離れた郊外の墓地で、神父が聖書を片手に祈りを捧げている。
7. 女が路地裏を抜けて通りの道へと出る。 瞬間、黒い影が現れる。
6. マスターの元にやって来てから、ずいぶん時が経った。 季節は何度も巡り、わたしはマスターの手に引かれてこの都市の酸いも甘いも見てきた。
5. この都市は運河の河口に位置し、元々は運河と海路を使った交易で発展した都市だった。 産業が発展するまでは漁業も盛んだったが、産業の発展に伴い漁港は次々と貿易港へと作り替えられていき、あっという間に漁業は衰退した。
4. ぼくはとびらの外をポカンと見つめる。 すっごく高いところにきてるはずだってことはわかってたけれど、まさかそんなに高いなんて思っていなかった。
3. 鋼鉄の都市の中央である一番地区。二十階を越える建造物が集まる高層ビルエリアの中でも一際高いその建物は、都市行政庁舎という名前だった。が、ここの持ち主――市長の名前から広くギュスターヴタワーと呼ばれ、市民の多くもそれが正式名称だと認識している。 仮に――ほとんどあり得ない話だろうが――市長が変わったとしても、この建物はギュスターヴタワーと呼ばれ続ける事だろう。
2. ぼくはただ空を見上げる。 きりさめがふっていたはずなのだけれど、そこかしこからでてくるじょうきや、たてものがこわれるときのほこりで、そんなのはあんまり気にならない。
針降る都市のモノクロ少女 ※二次創作 1. 日が傾き、雲が赤く染まってゆく。
19 今日、僕らはようやく「ソルコタ民主主義共和国」として独立する。 国際連合ソルコタ暫定行政機構、UNTASの活動は、結局は三年四ヶ月もの期間に及んだ。
18 「ぐ……うあっ!」 銃声と共に、腹部に焼けつくような痛み。
17 「久しぶりですな。ミス・カフスザイ」 「……そうですね。ミスター・ウブク。あれから、なにもかもが変わりました」
16 一ヶ月と十日後。 ソルコタとはほとんど利害関係のない第三国。
15 『ソルコタ国民の皆さん。 困難と共にあるこの日に、やっとこうやって皆さんにお話ができることを……たとえ痛ましい日々の合間だとしても、嬉しく思います。
14 あれからあらゆる混乱がごった返して押し寄せてきた。 一つずつ、順番に語ろう。
13 執務室に入ってきたのは、まだ幼い少年だった。 だがその視線は暗く、片手で構えた自動小銃にも、もう片方に携えた粘土のようなそれにも、私たちに対する敵意しかない。
12 『わかってる! いま大急ぎで引き返しているところだ! しかし……ええい、どんなに急いでも三時間はかかるぞ!』 四輪駆動車の助手席なのだろう。ハーヴェイ将軍の怒鳴り声の奥からは、四輪駆動車のエンジンがうなりをあげている。
11 三日後の昼過ぎ。 私は再び大統領執務室へとやって来ていた。
10 「と……まあ、こんなところですかね」 「……」
09 ソルコタ首都、アラダナ。 植民地支配が終わり、ソルコタという国が独立してから作られた都市だ。その歴史は浅く、まだ五十年も経っていない。
08 飛行機を三回乗り継いで、小型のセスナ機で二つ隣の国の空港へ。そこからソルコタとの国境までNGOの小型車両に相乗りさせてもらって十五時間。そこで政府軍の車両に乗り換え、私はやっとソルコタに帰ってきた。 小型の四輪駆動車が三両、縦に並んで走っている。私が乗っているのは真ん中の車両で、前後の護衛車両には後部座席に機関銃を載せていた。
07 数週間後、一通の封筒が私の元に届いた。 紛争地域であり、発展途上国であり、否定しようもないほどの最貧国でしかないソルコタの元大使だったケイト・カフスザイは、私の考えていた以上に、国連内で多くの人たちの印象に残っていたらしい。
06 気がつくと、私は医務室のベッドで寝かされていた。 ピッピッピッ、という無機質な電子音は私の心拍を計測している機械の音だろう。
05 石橋を叩いて渡る、というのは日本という国のことわざらしい。 うまい表現だと思う。