一譲 計の投稿作品一覧
-
家路に就く 見上げる空 藍色
去りゆく 陽の光に雲を浮かべて
羽織った薄手のニットは頼りなく
されど また心地よく 汗を忘れさせる
ひと雨 ひと雨 薄れゆくこの夏の名残り
澄みゆく風に金木犀と木枯らしの香り
幼き日 帰り道 感じた夕暮れの香り
覆い来る夜空 夕餉の明かりを窓に灯す
ドアを開ける刹那 ...ひと雨ごとに薄れる夏の名残り
-
鈍色の光 空高く
大地より昇る火を迎う
訪れし時を悟り 今
満ちる 送りの蛍
在りし日の 想いそれぞれに
引きし尾の 残光に宿す
現し世の瞬き儚く
とこしえの彼方へと移ろう
嗚呼 いつの日か泡沫の如く消えし数多の命の灯火に
嗚呼 次の世の明るき光が灯されよと...送り火の蛍
-
眠らぬ月明かり
青く香る春の
清らにほころびて
今宵も花の咲く
儚さ 露のごとく
花びら 雪のごとく
移ろい こぼしながら
今宵も花の咲く
責めてもう一夜と
惜しむふりも無く...桜月夜
-
- A -
光舞う 水の色
鮮やかな 緑溢(あふ)る
- B -
正弦を描く 波の間に間に
地球(ほし)は命宿す 季節のまぼろし
- C0 -
はらり はらり 澄み渡る風に
こぼれ落ちる 夏の面影
ひらり ひらり 舞い降りる...夏の面影