じゅみの投稿作品一覧
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初めに「どちらさま?」
二言目は「さようなら」
冗談を言って笑えるかな
それだけが心配で
髪をちょっと切ったこと
昨日ネイル変えたこと
三ヶ月前にくれたピアス
多分気付かないんでしょ?
火を付けて焦げ付いた
苦味の殻を割って味わって...キャラメリゼ
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愛の言葉は白々しくて鬱陶しく思うのに
惰性の夜をだらだら続けてしまうのは
少し生き疲れただけだからって誰かに言い訳をして
今夜もまたきっと目を瞑っている
なのに「何にも要らない」なんてどの口が言うのだろう
体温を盗む邪魔な水滴を拭いた時
やっと舐め取られた気がしていた
9cmの傷跡が疼いて痛いよ、痛...ベロ
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「それじゃ元気で」って優しく笑うには
あと少しだけ時間がかかるから
そういえばさ、この辺に最近できたファミレスがあるんだ
とりあえずそこまで歩いて行きませんか?
体温が急に奪われたせいで唇が震えて参ったなぁ
どうせこんな言葉を並べたところで
意味がないこともわかっているし
仕方ないと言い聞かせてみる...スノードロップス
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また大げさな音を立てて 目覚ましが騒ぎ出す
何度目かのスヌーズに押し負け 大人しく目を覚ます
毎朝恒例のこの最低な怠さを振り切って
一人分スペースの余る ベッドにさよならする
お気に入りのチークでキスマークを隠しては
「困ったもんだ」とぽつり呟いた午前10時
今夜こそは軽く懲らしめなきゃなんて...花言葉のカレンダー
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「泣かせてしまってごめんね?」
空を切っただけの声は
午前零時の向こうに
吐き出したため息に隠れた
ねぇ、もういいよって
おざなりな感情を毛布に閉じ込めては
あぁ、もういっそって
裏腹な切り札をそっと忍ばせる
夏風がカーテンを揺らす
渇いた唇に染み込んで声に触れる...月夜とランプ
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「また期待外れだったな」
ため息を一つ群青に溶かす
下ろしたスニーカーで擦れた
踝が痛む夜明けすぐの朝
眠い目を撫でる
答え合わせは野暮かな?
悪戯心に声が蓋をする
静かに波打つ水面を乱したくなって
不意打ち代わりに指先で弾く
恋が春のプールサイドに触れて...春に桜のエチュードを
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切り過ぎた前髪が気になる昼下がり
何食わぬ顔で小さな後悔を潜める
回り道の途中、足がちょっと痛んで
焦れったいなってぽつり漏らす
ロングスカートに掠る手の甲を軽く揺らした
ポケットの中のカイロが移す熱が
少しだけ邪魔をしている空風の道
絡めた指先で合図を送って
ただ最高の角度を探す
電池切れ寸前のカ...シャッターを切ったら
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水たまりがずっと続く帰り道
踏み先も無いやって少し落ち込む
とりあえず回れ右
歩幅を広げて遠回りする
脱ぎ散らかしたまま家を出たから
お気に入りのシャツも痛んでないかと
気付く午後の10時過ぎ
「まぁ、いいか」ってため息を吐いた
雨が降って止まない6月の夜のこと
空っぽの心を抱えて一人...ハイドランジア
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交差点、振り向きざまに
西の空を見上げた
足を止める私の横を
ビル風が吹き抜ける
目を閉じ、「今日はいるかな?」
淡い期待を抱いて
夕方5時チャイムの音に
押されて今、一歩踏みしめる
流れる人混みに 紛れる影を探してる
「どうしよう、なぜか不安だ」...夕陽に染まる
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明け方始発電車を降りて
3日ぶりの我が家へ
しばらく君の声も聞けてないや
瞼に缶ジュースを当てて
「後少しで眠れる」と
信号待ちの時を必死に耐えてる
朝のニュースが告げている
今日はメーデー。
「だからなんだ!」って
無関心を装って...メーデー
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「誰かの痛みがわからないのは
想像しようとすらしていないからだよ」
「はいはい、そう言うと思っていました」
と悪態ついてる午前0時
脳内回路はいつも通り正常で
オーバークロックをイメージしてるのさ
レセプター達のアレルギー反応を
スルーしてやり過ごしたい毎日です
面倒くせえなって言えたらなって
一人...クロック・オクロック
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戸惑いは空気を伝って チクチクと心を刺す
振動を誤認識しては 小さな声が途切れてた
甘い匂い ほのかに香って
存在を感じさせる
目を合わすこともしないこと
責められているような気がして
遠くへ遠くへ放った言葉が僕を置いてって
浮かんだ心はまた地面に落ちてった
早く早く言ってしまえよと急かす僕の...花の雨
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少年は微笑む 何かを企む顔で
雨宿り 携帯電話も
この雨は止まないと告げる
私はごめんだって
制服が透けても嫌だし
でもきっとまた止められないのは
他の誰よりわかってる
I'm waiting. そんな予感が
簡単に形になっていく
掴まれたこの右手が...さよならレイニー・デイ
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春は嫌いだ 理由は特に無いけど
言葉じゃどうも うまく表せないから
君が嫌いだ 君の全てが嫌いだ
どこかへ行って どうか近寄らないで
痛い、痛い記憶にさようなら
出来たらなぁ、出来ないね、出来ないよ
深い、深い傷口がこんにちは
もう勘弁してね、嫌になっちゃうよ
花占いの結果を知る
「そんなは...四月の花占い
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消えそうな声で 君の名を呼んでる
30cmほどのこんな距離を遠く感じてる
背を向け佇む その表情の変化は
足元に落ちた雫が教えてくれた
ありがちな言葉を平気で口にする
まるで機械みたいな僕、必死すぎるな
すぐに「何でもない、何でもない」って君は言う
僕は「本当に?本当に?」って君に問う
触れれ...メイプル
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木漏れ日がゆらゆら揺れた
季節の囁きと共に
「あと少し」と君はこぼした
「仕方ないな」と肩を寄せ合った
腰掛けるベンチの隣で
野良猫が喉をゴロゴロ鳴らす
おもむろに君が差し出した
桜味のキャンディーを頬張る
いつもの帰り道。遠回りする
無邪気な僕らの未来は決まってて...桜味のキャンディー
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一つ、二つ、三つ
あなたの悪いところ
一つ、一つ、一つ
言い聞かせていく
作り笑顔、それはもう要らなくて
ただ、ただ、ただ
あなたを刺していく
あなたの目は空を眺めて
また私を視界から外して
泣けばまだ可愛らしさもあるのに...マインスイーパー
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憂鬱な気分はいつも突然やって来るもので
それがまた何故だかわからないものだから
心落ち着かす方法を教えて欲しいものだ
今日の実験はこうだ
インスタントのハーブティーなんか
作ってお部屋の中を匂いで満たしてみる
お洒落な気分に浸れちゃう
手軽な方法かもしれなくて
水を注いで、三分間カルキを抜い...スペアミント
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夏休みが来るたび 心待ちにしてたのは
8月終わりの お祭りの夜
いつもの面子で 慣れない浴衣なんか着て
人混み掻き分けて はしゃいで歩いた
頭痛くして 無理して流し込んだ
ラムネ味のかき氷が 懐かしくて
あの頃たったそんなことが
とても嬉しくて
両手一杯の幸せで
無邪気に満足してた...ラムネ味のかき氷
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身体のだるさと 偏頭痛で始まった
Sunday morning
いつもの日常をそっと噛み締めていた
コーヒーの苦味と 甘い甘い嘘
思い通りいかない
そんなことはもう当たり前すぎて
5階建てのこのマンションから飛び出していく
いつもより軽やかにステップを踏んで
電話越しの君の声はただ落ち着いて...Sunday Morning
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それはどうやら本心のようで
泣き出しそうな君を見据えた
なにせ「むしろ泣きたいのは僕の方だ」
と思ってる
「それでいいよ」と強がってみても
「そんなところが駄目」なんだってさ
棘を含んだ言葉の痛みを
感じる余裕も無くてさ
ステレオが呑気なメロディーを流して
ボリュームの摘みを左に捻る...エイプリルフール
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まだ吐く息が白い 三月の朝早く
目覚ましが鳴る前に 静かに目覚める
すやすやとまだ眠っている 君の横顔つついて
小さく長いためいき そっと一人でつく
6時を指す時計見つめ 「まだ時間はあるな」って
出来るだけ聞こえないように
「おはよ」って呟いた
カーテンも無い部屋の中で
最後の2人ぼっち...タイムリミット
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電話が来たのは 今から大体30分前
そろそろあなたは支度して
家を出る頃かしら?
あなたが着くまで時間は有り余ってるから
なるべく悩んで選ぶの 今日のコーヒーカップ
今さらそんなにワクワクすることもないけれど
悪くはないよね?
あなたもきっとそう感じてるよね?
昼下がり穏やかな午後の
ささやかな...コーヒーミル
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右手にギター担いで
君の家に向かう足
多分これが始めての
僕が仕掛けるサプライズ
左手は手持ち無沙汰
ケーキでも買っていこう
カラフルで可愛らしい
ロウソクも忘れずに
額にたらっと滴る汗 重くなってく両足
段々近づく君の家...サプライズプレゼント
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(イントロ)
Cmaj7 D Em D D7 Bm E7
Am7 G/B Am7 D
G Bm
右手にギター担いで 君の家に向かう足
C G Am7 D
多分これが初めての 僕が仕掛けるサプライズ
G Bm
左手は手持ち無沙汰...さぷらいずぎふと
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天気予報が教えてくれた
午後からどうも雨が降るらしい
風邪引きさんのあなたが心配ね
「傘は要らない!面倒くさい。」って
まるで変わらないものね
だからか今も幸せ感じています
少し大きめの傘を持って
あなたを待つ帰り道
聞こえてくる足音を
気付かない振りしてしたり顔...rainy blue
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天気予報が教えてくれた
午後からどうも雨が降るらしい
寝起きの朝のちょっと嬉しい知らせ
「傘が要るから面倒だな」って
口ではそう言っといて
心の中は軽く期待したりして
少し大きめの傘を差して
待ち伏せする帰り道
大きくなる足音と
高鳴る私の心臓と...雨の日大作戦
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一通り季節は巡って
いかがお過ごしでしょう?
風邪なんか引いてませんか?
最近じゃここらも少し
景色が変わってきてて
思い出が遠くなりそうです
あの日よりバッサリと切った
この髪を見ると笑うでしょう
「まるで男の子みたいだね」って
クスりと声が漏れて 思わず見回した...クローバー
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手のひらに伝わる あなたの温もりを
感じて私はただ 声を殺して泣いていた
木枯らしが頬を打って 滴が夜空に散った
月明かり儚くそれを照らして 思わず私は逃げ出した
飼い慣らしてたはずの この感情が
今更牙を剥き出して
外に出たいって心の中で暴れ出して
もう、すぐ押さえ込むことができないでいる
最終列...木枯らし
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遠くで響いてる 金管楽器のメロディー
開けっぱなしの教室
空っぽの部屋に 溶け込んだままの
数多の落書き
よく響く靴の音
軽やかに階段を降りてゆく
少し肌寒さ残る春の中
捲られていないカレンダー
落ちきったままの砂時計
過ぎてく人の声 朱くなる窓の景色...春の日