IDONO KAWAZUの投稿作品一覧
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逃した魚の丈、嘆いてみれば
揺れる水面を覗き込んていた
流る木葉見て何を想うさあね
御塩は少々と粗目はわんさと
一晩、漬け置いて染み込ませ
一切有情(うじょう)属することも叶わず
唯、不貞寝(ふてね)しているだけ
それでも「いいよ、いいよ」
判っていますとも言葉足らず
単調な調「いいよ、いいよ」...【歌詞】木通を嗤ふ /v flowerと初音ミク
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ご覧この目の前の細道が刻下二つに分かれているの
そのいずれを選んだなら もう元に戻れやしないな
試すでもなく無難を寄せ合う日々 代わり映えない
次の身体へ変わるたび、無垢な想いが零れてゆくの
教えてよ、未来って奴はどんな顔をしているのかを
足搔けども、期待ってもんとあまりにも違うと云う
これからも...【歌詞】矮星を纏ふ / 初音ミクとv flower
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今宵も雨降りぐずづき模様也
泡吹いてにたにたりって
此世は駆け引き情けは無用也
からまって、くるくるり
丁か半か口から葉っぱか
へべれけまみれ貴賎群集
頭も尻尾も順に飛びゆく
張ってそのまま張ってよ
一向聴じゃ、詰めが甘い
淡々たんと煽れば八卦と...【歌詞】賽の賭け目/v flower
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「 フゴウ 」 と 「 フキョウワ 」
渇いた柑橘、搾り尽くした骨惜しみ
訓戒薙いで捨てた裏道廻道迷い道と
「むなしさ」は寒さか惧れの所為か
届かない触れられない果実睨んでいた
また一つ、誰かが漿果を奪ってゆく
狭量な拙僧と言えば彼らが喫す果蜜(しろっぷ)
蜜も悦も毒になることを祈っている
ねえ如何...【歌詞】饐える葡萄 /初音ミク
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仏手柑の寐
吐息も色づく凛冽たる日々、凍えた
情緒を鈍らせていて 咫尺(しせき)、季節も
待ってはくれぬと 雀鷹(つみ)が袂で嘯く
仰げば暗澹な空吸い込めば肺を潰す
想いは絡まる侭鵺の残穢の酔を待つ
言葉をなくして、本音を暈(ぼか)すような
そんな自分じゃ眠れない眠れないと
「誰か」の幻影に怯える...【歌詞】仏手柑の寐 /初音ミク
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蹌踉めく柘榴
熱はいらない冷えたままでいい精神も身体も
都塵の渦に、呑まれ揉まれ消えてゆく訳なく
積もりゆく草案を 火鉢の余燼に投げつけた
後悔や未練なんかが殊更に臭った煩く纏った
「 実ヲ吸ウママ、虚ヲ吐クママニ 」
何でもない夜に佇んでは霞む姿見焦付く蒙昧
淡い願いは蜃気楼でも、泡と弾けて散...【歌詞】蹌踉めく柘榴 /v flower
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天鵞絨の泡影
虚無(にひる)な表情を湛えた片言隻句(センテンス)
俯瞰(パース)と煽動の遠近法は無意味(ナンセンス)
小さき脳髄で、地球儀を解読
将に、上面の青二才の書生論
「知恵」の溟海に、沈めども
游がねば畳上の水練に程近し
のまれてみて、おぼれてみて
息継ぎくらいは覚えましょう
そんな前提だっ...【歌詞】天鵞絨の泡影 / v flower
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佞言は忠に相似
宵の路次(ろじ)に 燈る灯燈(あかり)に 蔓延る無数の羽虱(はじらみ)達
雨粒に物怖じずに熒(ひかり)、刃向かう姿勢にただ嫉視
眩む空漠、不得手の諾 遍く拙劣な盲滅法の策
温い風が傷に滲みる作為を表層に決して出さぬ
一寸闇に奔る先に 踏み抜き真っ赤に染まる薊(あざみ)
痛む執念、喰い...【歌詞】佞言は忠に相似/初音ミク
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爆破して黎檬
まあ、別になんてことはない
何もかも厭になって、逃げだしただけ
そう、別に大したことない
人様の振りをするのに疲れたんだ
待望の情景は想像とは違った
所詮は虫籠の範疇みたいだ
不吉な予感は合点がいった
掛けた鍵を沈める
熟れて売れぬ果実は既に...【歌詞】爆破して黎檬
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落伍の涎は鴆毒
貴方は全てを知っていたのだろう
当に時間は過ぎてしまったことを
安閑(あんかん)は見事、朽ちてしまいました
果ての淫雨に抱かれた罪を知るの
「 モンダイハナイデショウ 」
きっと宿世を恨んでしまうだろう
故意に憑かれた「平生の不養生」
まあまあ、尽瘁(じんすい)なんて報われまい
それ...【歌詞】落伍の涎は鴆毒/初音ミクとv flower
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驟雨に囃子
雨は真夜中に傷つきながらも往くの
貴方の名前を噛み殺しながら往くの
何時までも
深い陋巷、煙る朦朧、屍を貪る溝鼠
腥(なまぐさ)い様相に、漏れる雨音、蛇腹の跡
排水垂れる娑婆色液、紊乱(びんらん)の臭いさ
あの時、押された烙印を 掻いても
掻いても、消えやしないな 積もり
積もった創傷は...【歌詞】驟雨に囃子/初音ミク
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猩々緋の飛語
貴方はいつ何時だって云ったでしょう
「 愚者と狂者の言葉のみ真実 」と
今日も、独語に垂れる無縁の詭弁共に
目をつぶり今日という日を終わらせる
そうやって掴んだものは全て二束三文
平静さを奪う見出しや売り出し文句達
価値ない価値観がまた僕を煽り立てる
此処は「猩々達の住処」
誰しもが、...【歌詞】猩々緋の飛語/初音ミク
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碧落の青を知る
灯篭照らす翡翠、蒸らす砂の街
息を殺して井の中、果てぬ頽落(たいらく)
故に、享楽と焦燥感からの逃げ
語る名節また虚無、届かぬ所懐(しょかい)
そして
目醒めちまった、今日も目醒めちまった
声は擦れ消え、霞の如く有耶無耶になる
こんなのならば外を知らない方が良かった
ただ雨が濡らして...【歌詞】碧落の青を知る/初音ミク
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辛子と積木
空も海も違わない答えならば青葉木菟(あおあずく)色
幼き日々の無邪気さを今正に恨みそうだ
後先も考えず、みだりに積み上げた斜塔
何にも無くなって気づくのだろう
崩れてしまいそうな歪になった姿
そいつを信じて積みあげただろう
今更何もやり直すことはできない
もうこれ以上積み続けるのが怖い
...【歌詞】辛子と積木/初音ミク
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行脚また彷徨
唯(たった)
今考えたでしょう、鸚鵡返し
模倣乞うさ、至れり尽くせり
絶え間なき阿片、淡泊な影像
ゆらりゆらり…ゆらいでゆく
媚びたその眼捕食者たる群れ
あらまし勘定、得たるは矛盾
乾く寸前、報も無法じゃろて
目交(まが)い狼狽、即羽交い絞め也...【歌詞】行脚また彷徨/初音ミク
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慇懃さ蟇道中
BPM 124
天つ水 仰ぎて待つに 現し身で
ながき世にきく 蛙鳴蝉噪
霧雨・桜嶽・宵の淵 主盗郭公の物語
筆効(ふできき)濃淡に止払(とめはらい)黎明即起すら拒めない
慇懃きらい好い気なもんだ不成者でも
須臾(しゅゆ)の存在 所詮流行りの道化者だと
群がる無粋と無節操共よ 黙れ...【歌詞】慇懃さ蟇道中/初音ミクとv flower
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化蛇の幻肢痛
BPM 128
較べるのが嫌になって
康衢通逵(こうくつうき)を飛び出した
渺茫(びょうほう)さに怖くなって
憑りつく鷹が欲しかった
他人行儀を吐き出して
陋巷(ろうこう)さに潜り込んだ
鬱屈異臭が鼻について
草の根掻分け欠いていた...【歌詞】化蛇の幻肢痛/v flowerと初音ミク
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空劫かく語りき
BPM 90
摩天に伸びる幾何かの塔
軍粮精(からめる)色した穴に潜む鴻(こう)
縮みゆく眼下、蠢く群像
見下す一握りの富裕層(ブルジョワジー)の嘘
地上数十米(めーとる)に運ばれる
酸いも甘いもがなる穿つ幻想
枢(すい)を貫(ぬ)く阿弥陀状の格子戸
ひとつひとつが張りぼて演舞場...【歌詞】空劫かく語りき/初音ミク
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悪鬼と砂糖
BPM 120
大通りから逃避ついで
鵙(もず)への小さな土産ついで
べたつく大気に紛らわせ
派手に担がれしまった宵の果て
少し屈んで潜る裏道
隙間から頭を打った滴り
小耳に入った「止まないね」
たぶん、僕がいるせいなんだろうね...【歌詞】悪鬼と砂糖 / 初音ミク
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匍匐する精神
(BPM 133)
叱咤たるや罵詈雑言
横断歩道に並ぶ鴨たちの大合唱
耳すら呆ける
怠惰たるや曖昧模糊
白線の内の寄りたる死角と賽子
「漆」を刻んでいた
周回遅れの煩悩は
高架線具に突っ切った...【歌詞】匍匐する精神/初音ミク