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  • 【小説】未知との冷遇 閲覧数:127
    2016/04/17
    13:34

     一
     日光浴をしに縁側に出たら庭に未確認飛行生物が来ていた。上空三メートルに立ったまま浮いているそいつは幼女に猫耳が生えて猫シッポが生えたような格好でしかも巫女服を着ていた。人外である。アンアイデンティファイド・フライング・ジンガイ。UFJだ。
     俺は枕用に持ってきた座布団を二つ折りで縁側に設置するとそれに頭を乗せる格好で横になりUFJをガン見した。パンツが見えそうで見えない。俺は舌打ちした。仕方がないので庭に出てUFJの真下近くに行く。そして「やあ」と声をかけるふりをしながら全力で袴の中を覗き込んだ。逆光で見えない。

  • 【小説】夏到来、死なない冷やし中華始めました。 閲覧数:84
    2016/04/17
    13:25

     拝啓 親父殿
     晴れ間が多くなってきたな。この長梅雨もじきに明けるだろう。
     店は繁盛しているか? 晴れた日はちゃんと換気しろよ。カビは見えないところにいるんだからな。味が悪いんだから、店の中くらい清潔にしろよ。

  • 【小説】幼女の吐息 閲覧数:167
    2016/04/17
    13:14

     このあいだまで時をかけていた人々が最近は仏陀がどうだなどと騒いでいる。世間はいつだって愛に飢えているのだ。
    「まるで自分は別だとでも言いたそうね」
     右斜め前方の少女から物言いがつく。読心術を心得ているらしい少女は一見したところ小学生らしい風体をしていた。ショートの赤毛。真っ赤なランドセルがピカピカだ。

  • 【小説】昼休みの計画 閲覧数:74
    2016/04/17
    13:09

     基本はチーズカレーの大盛りだ。
     それに七味をたっぷりかける。ガラムマサラなんてシャレたものがあればその方が合うのかもしれないが牛丼屋にそんなものはない。やたらスパイスをきかせたピリピリするカレーに七味の辛さが加わってホットな感じになる。そして微妙にリゾット風味のチーズ。そんなチーズカレーのことが俺は大好きです。
     だが俺とチーズカレーの甘く熱くちょっぴりマイルドな日々は何の前触れもなく試練に襲われることとなる。ナスカレー。それが敵の名だった。俺とチーズカレーの関係に亀裂をもたらす強力な好敵手(新メニュー)出現である。事態は一気に緊迫の様相を呈してきた。嵐の昼休み。十二時すぎのことだった。

  • 【小説】二十歳の夜に 閲覧数:54
    2016/04/17
    13:04

     その炎は川べりの芒(すすき)を焼き払い、馬鈴薯(ばれいしょ)の段々畑を煙にうずめ、赤松の山肌を火の粉に変えて、私の心を黒こげにした。それでヨシユキと目が合うたびに、私の胸は焼きすぎたトーストのような苦みに襲われる。ヨシユキはそのとき私の一つ下で、農学部の二回生で、野球部の球拾いをしていた。
     ひょろ長い体と肩まである黒髪のせいで、普段はグラウンドの隅にある柳とまったく見分けがつかない。近寄ってみてはじめて、睫毛(まつげ)の長いことといつも物憂げな顔をしていることに気がついた。
     マネージャーの高野です、と話しかけても反応はなく、一拍遅れて、あ、とも、は、ともつかない声を出す、そんな男だった。マネージャーの高野です、と話しかけるのにどれほどの勇気がいったかなんて欠片も知らないような顔で、どうも、と気のない返事が続き、それから私たちはキスをした。

  • 【小説】世界は平和です 閲覧数:74
    2016/04/17
    12:57

    「誕生日おめでとう俺。さあ祝え」
    「知らないわよ」
     と言いながら鈴音は俺にキスをした。

  • 【小説】マイルームにスプーン一杯の劇薬を。 閲覧数:118
    2016/04/17
    12:52

     薬瓶がある。
     暗い色をした百ccほどの小瓶で、色の判然としないさらさらした粉末が入っている。
     色褪せたラベルには大小の文字が整然と並んでいる。製造者。類別。保管上の注意。ラベルは巨大だった。

  • 【小説】人の生 閲覧数:183
    2016/04/17
    12:48

     裸の右腕を台に載せる。台にはシーツが敷いてある。白いシーツだ。言ってしまうといかにも味気ないが台はただの台でなく手術台であるのだった。手術台は人一人横たわれるくらいの長さがあるので右腕一本でその全てを支配することはできない。あちらでもこちらでも空虚で胡乱なスペースが白い白いシーツのまま僕を圧迫してくる。落ち着かない。身体は服を着て座っているのに右手だけ裸でこのような扱いを受けるなど拷問に等しい。あるいは迫害と言ってもいい。このように迫害されるくらいならいっそ死にたい。殺せ。俺を殺せ。そう言うと隣の看護師がメスだかなんだかの金属を振り上げて僕の心臓に突き立てるふりをする。けれども僕は動じない。奴らが僕を殺すはずがないのだ。ここは病院なのだ。
     裸の右腕は複数の看護師、この場所を手術室というなら手術スタッフというべきなのかもしれないが、そのような手術着を着た女たちによって縛りつけられる。革のベルトはきつくもなく、かといって僕がどれだけ暴れても緩みそうにないくらいの絶妙さで台と右腕をつないでいる。そういった作業を無表情で遂行する看護師たちの手術着は何故か赤みがかっている。何故だ。と思っていたら赤みがかっているのは布地の色でなく手術灯の色であるらしいことが分かってきて一安心している間に右腕は切り裂かれている。痛くないところをみると麻酔など打たれたらしい。しかしただ黙って切られているのも何なので「あぎゃあ」と言ってみる。幾人かが振り向くが術式に影響はなさそうだ。至極つまらない。
     執刀医らしい爺は眉ひとつ動かさない。眉ひとつ動かさぬまま淡々と腕の中をいじくっては何かつまんだりしている。暇なので右手指をぐねぐね動かしていると看護師に叩かれた。このまま指を動かし続けたら看護師は僕を殺すだろうか。否。殺さないだろう。何故ならここは病院なのだ。ここで人を殺すことは正しくないのだ。

  • 【小説】食べる 閲覧数:24
    2016/04/17
    12:44

     双子の一人が言った。オルゴールのぜんまいを巻きながら言った。
    「きみは、なぜ食べているんだい」
     言われてみると、たしかに僕は食べていた。何を食べているのかはちょっと分からない。

  • 【小説】蛙 閲覧数:50
    2016/04/17
    12:40

     雨を眺めるのが好きだ。
     昼であれ夜であれ、ぱたぱたと屋根を打つ音が聞こえると、僕の心は応えるようにさわさわとささめき立つ。それが心地よくて、降り始めのこの瞬間がずっと続いたらいいのに、と思うのだが、なかなかそうはいかない。でもそのあとに訪れる、しとしととした時間も、いかにも雨がここにいますという感じがして心地よいから、やっぱり僕は満足してしまう。
     それで、こうして、今も湿った庭を眺めている。縁側というのは家≪うち≫の中でもなく外でもなく、妙な場所だと思う。開け放した障子から漂う気だるい空気を背中に、外気のしっとりした湿度を額に、いちどきに感じながら、僕はひとつの境界にいる。

  • 【小説】アスカさんのこと 閲覧数:28
    2016/04/17
    12:35

    「下の名前は飛ぶ鳥で」とアスカさんは言ったけれど、僕は彼女の名前を残らずカタカナで書ききったのち出席簿を後ろへ回した。
     アスカさんは気づかない。僕を信用しきっているのだ。僕はこんなちょっとした悪戯にだっていつもばれた時の言い訳を考えているのに、それが披露されたことは幸か不幸か一度もない。彼女が鞄に手を伸ばす。
     アスカさんはおもむろに本を開いた。三人掛けの長机は真ん中に彼女、左に僕が配備され、右の椅子にはチョコレート色のトートバッグが鎮座していた。はるか前方にある長大な黒板には「東西のサブカルチャーと性差」という見出しがうっすらと読めた。

  • 【小説】ハードボイルド・ハードル 閲覧数:54
    2016/04/17
    12:29

     男には。
     男には、決して曲げちゃいけねぇ信念がある。
     男には、身を盾にして護らにゃならねぇ女がいる。

  • 【不採用】幸せいっぱい★クリスマスナイト【orz】 閲覧数:249
    2014/11/30
    00:43

    『幸せいっぱい★クリスマスナイト』
    (Aメロ)0:26
    街中が光って わくわくする季節

  • 【不採用】雪に紅葉【orzorz】 閲覧数:239
    2014/12/23
    01:17

    『雪に紅葉』
    (A1)
    ぽたりぽたり

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