海の底から見える水面の光に
僕は願うんです
「いつかの彼女は逃げ出せていますように」

虚づいた果実　渇欲の誘い
錆びついたベッド この小さな箱庭だけが居場所
刻み込んだ 額の印 忘れないで

シュヴァルツシルト半径内
誰かの声がこだましてた
舞い降りた天使のように涙を流した

いつか私はどこか遠くに
一輪花があることを信じてた
当て所ない旅　続けるうちに

瞼を開いて
受け取る表象
プログラム通り

夕焼けに染まる空　ふたり手を繋ぎ
悲しげに見詰め合い　優しくキスをした
それぞれの思い出に　影が伸びてゆく

　1A
いつもと変わらない朝だけど
ちょっぴり違っているの 私の心の中が

淡い夢の波に揺られては
あのときのあなたの声
何度もきいた

惑いながら歩く迷路に 佇んでる冬のスケール
見つめる度 表情(かお)を変えては 欺くように笑ってる
錆び付いた手を繋いで 追いかけて また離され

焦がれては仮面をかぶり
錆び付いた心を隠す
隣で寝そべるあなたを起こして

宝を探そうよ この虚構の街で
忘れられたアポリア 私だけが知ってる
幸福にひれ伏し 記号として生きて

朽ち果て黙す私と 明日を語る表象
儚い夢の先には 朧に浮かぶ真実
輝く絶望抱いたまま

いつもより早く目覚めた日曜
苦めに入れてみたコーヒー
雨音の誘うメランコリーな気分に