チャンカパーナ・ピークガイヤッサイの投稿作品一覧
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成り立ち知れぬ
異形の者は
母を求めて
海へと還る
海へと還る
鬼哭啾啾
かき消す波に
心を預けて
海へと還る
海へと還る...異形
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昨日の願いが受理された
多分そうなる気がしてた
人目を気にして出かけた外は
殺伐とした雰囲気が消えている
いつもの空回りを気にする必要が無くなった
街の喧騒は既に息を引き取って
風化するのを待つばかり
カッコウの鳴く森の前で
報せを待っても誰も来ない
託卵に失敗した君は...セカイ
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扉が閉まってる
外を窺う覗き穴には
巨大な目玉が嵌まってる
唇の足りない郵便受けは
情報専用の四角い通路
金属の肌に温もりは無くて
生きてる感覚を奪ってく
入れず出られず開けられない
隔絶されたこの部屋で
涙が出るのは何度目だ...扉
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閃光弾が撃ち上がる夜は
きっと子供が消えていく
大きな流れと一つになって
新たなアトムに入れ替わる
こっそり消えてく子供達
命の順位が代わった人は
夜通し一位の捜索続ける
彷徨い巡らし楽観できず
憔悴しきって目も当てられない
そんな事とはつゆ知らず...成長日
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鏑木の外を僕は知らない
与り知らぬ誰かのことまでイチイチ考えていられない
中だけで完結している物に新たな物を加えちゃいけない
これ以上はキャパオーバーになってしまう
捨てることは許されないなんせ全て僕の物だからだ
誰かなんてどうでもいい変革なんて以ての外だ
敷き詰められた階段を解きほぐす仕事が残って...鏑木
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いつまで目付きが悪いんだ
北の奴らはもう来てる
逃げ道隠れ場
何も無い
生き延びたければ戦う事だ
メガネをかけろ
すぐそこだ
目視できるギリギリのとこから
3秒も経てば目の前に来るぞ
北を見ろ...北からの来訪者
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悲しいくらいの真実は
土管に入れて埋めましょう
土管が割れても大丈夫
地中深くに隠したからね
誰も知ってはいけないの
誰も気付いちゃいけないの
正義は必ず真実じゃない
真実は必ず正義じゃない
知らない事が幸せなのよ
気付かぬ事が幸せなのよ...失踪
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軽い気持ちで刺したんだ
まさか死ぬとは思わずに
案外あっさり死ぬんだね
この塊をどうしよう
重いしデカイし汚れるし
そういや何で刺したっけ
刃物なんて無かったぞ
何でこいつは死んだんだ
流れる血潮は本物で
動かぬ脈は本物だ...デブ
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枳
からたち色した一種の思想は
希望を謳って灰となる
烏の啄むしたたかな頭は
いっそかちわれ血を流す
小さなチューブは全てを繋ぎ
ボンクラ眩しい竈を鳴らす
七竈の窓 はたいて壊して
ケラケラ笑って最初に戻る
枳殻落した午後の中...枳
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美食
黄緑色のマルチーズ
油で揚げたら食べ時です
こんがりサクサクチーズ味
美味しくするにはコツがいる
締め上げるのがいいんです
悪逆非道残忍熾烈なあの人も
涎をこらえて喉鳴らす
これさえ食べれば幸せに
顔もほころび笑うのです...美食
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名刀
鍛治屋は笑って振り下ろす
まるでいつもの仕事の様に
まるでいつもの日課の様に
呻り揺らめく窯の赤
鉄でなくても飲み込み燃やし
格別その火は機嫌が上がる
吸う血の量こそ刀の切れ味
創めの初めの始めから
血潮流れる刀剣は...名刀
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足跡
塗り込む足が無いんです
せっかく貰った物ですが
今さら薬は要らぬのです
後もう少し早ければ
歩く事もできたでしょう
走る事もできたでしょう
それでもやはりダメなのです
過ぎた時間は戻りません
起こった事実は消えません...足跡
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しゃれこうべ
しゃれこうべに話し掛けられ
沈黙 伏せる目 気付かぬ素振り
その様見てなお何かを語る
お構いなしに言葉を浴びせる
しゃれこうべのお喋りに対しては
一つとして理解してはいけない
連れてく機会をうかがってるから...しゃれこうべ
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問答
寝る間も無いの?
とあなたが言うから
いつもの作業に手がつかない
君の時間は無限にあるの?
と微笑むあなたに
掃除を始める素振りは見せれない
したい事は無いの?
とあなたが聞くから
私は頭を抱えて項垂れる...問答
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ツイテない日
2階の窓から見える景色は
天使の羽根が空一面に蠢いて
後光陽光入り混じる
盗られたサドルの行く末は
皆目見当つきもせず
ドアの向こうで聞こえる音は
悪魔の囁き入り混じり
耳元遠くで雑音が蠢く
空き缶ほられたチャリ籠に...ツイテない日
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傷
無かった事にならないかな
どんな時でも間違える
いつの日だって間違える
こんな腕では見せられない
人目に曝しちゃ生きられない
見た目があんまりにもだから
誰にも申し訳が立たない
罪な事です間違いは
必ず罰は下されます...傷
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かたつむり
かたつむりの時速は100kmを超える
背中のエンジン止まぬ音
蛹を潰した道に跡
煙を吹いてるマフラー唸り
眠気を引きずり細波千切る
寝覚めの悪さが災いし
シジミは殻ごと砕かれる
聖骸布の中
奇跡が眠り...かたつむり