sarukichiの投稿作品一覧
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Zot qonwirr rit ziyu
唯一つだけを信じた少女
部屋に戻って、椅子に座りながらこの後の用事はなんだっけ、と確かめようと思ったときだった。扉を叩く音。
まだ、一息すらついてないのに。
「どうぞ。」
扉に向かって、声をかける。正確には、扉の向こうにいる誰かへ。その誰か...或る詩謡い人形の記録 10 -雪菫の少女-
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"Sew fa-to Uryu hi fo-a nya?"
"私の声はそちらに届きますか?"
「どういうことだ!」
さっきから聞こえるのは怒声ばかり。彼の叫び声は、広い自室の外からも聞こえるほどで、それだけの事があったのだと、容易に察しがついた。
本来は、立ち寄ってはいけない国王の自...或る詩謡い人形の記録 9 -雪菫の少女-
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aty ryuir.
彼女は唯涙する
手紙が一通。わたしの前に置かれていた。それは国外から届いたもので、東の国から届いた。
家来たちは部屋の外へ出している。つまりは、わたし1人という事。ゆっくりと、封を開ける。本当は、そんな動作すら惜しい。だが、意思に反して腕はのろのろとしか動かないのだ...或る詩謡い人形の記録 8 -賢帝の愛玩-
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Len zea fazenty a.
たとえ この世が 滅ぼう とも
あの人は……。いつも忙しそう。わたしと会う度に、あの人は疲れた表情を濃くしていっていた。それが嫌で仕方なくて、気分が悪かった。
自分は、すごくこの人に悪いことをさせているんじゃないかって。よく、思う。だからこんな気持ち...或る詩謡い人形の記録 7 -終焉の歌姫-
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Rafe a-ll-byss...
鏡に映った王の姿に
城に戻ったら、迷うことなく彼女の病気について調べていた。時間があれば場内にある書庫で調べれる限りのことを調べたし、わたしのかかりつけの医者(勿論国王を見るのだから腕も信頼も確かだ)に調べてもらうよう遠まわしに頼む。そもそも、彼女は他の人間に命...或る詩謡い人形の記録 6 -賢帝の愛玩-
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Sof Lo,juwol. Zot Lo,juwol.
最愛の人 たった一人の人
目の前には、1目見てからずっと会いたいと思っていた歌姫がいる。彼女は、あのときと同じように、私にお辞儀をする。
「わざわざ私のために……」
歌っている時の声しか知らなかったが、こうして普通に喋る声はかわ...或る詩謡い人形の記録 5 -賢帝の愛玩-
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"Sew li-a uryu aryu-fe."
"私は唯生きていてほしかった"
わたしの国は小さな国ゆえに、外交は欠かせない。今は戦争など起きてはいないが、それは雪菫の武勲のおかげだ。遠く遠くまで広がるほどの実力を備えた兵がいる。それに合わせて政治面でのわたしの頑張りが、ここにつなが...或る詩謡い人形の記録 4 -賢帝の愛玩-
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Syalt I-dyss rit melchis.
ささやかな恋をした王
わたしのあいさつから始まる祝祭は、当たり前だがとても賑やかだ。もとより、これだけの人が集まれば騒がしくなる。けれど、そんな喧騒と目の前に広がっているざわめきは違う。例えるなら……スポーツ観戦が近いだろうか?。プレ...或る詩謡い人形の記録 3 -賢帝の愛玩-
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"a...Sew... Sew zot ly-ch I-dyss."
"嗚呼、私の…私の尊き愛しの王"
北の果て。そこは、雪の降る場所。北の果てにあるその国を治める帝王は、平和を愛してて、その実力から『賢帝』と呼ばれている人だった。
私は、その彼のもとに使える1人の……戦士。周りからは『雪菫』と...或る詩謡い人形の記録 2 -雪菫の少女-
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夜も深まって、深夜にさしかろうとしている頃だった。
小さな子供であるその女の子はベッドにもぐったのはいいが、全然眠くなくて目を開いていた。
そばには確実に美人の方に入るようなきれいな女性がいた。
青緑のショートヘアーに真っ白のシンプルなドレス。スリットが大きく入っていて、そこから肌色の足がちら...或る詩謡い人形の記録 1