優羽の投稿作品一覧
-
大きく開けた窓に
街の音が届く
まだ 馴染みのない声がする
何もないこの部屋に
吹きこんだ風を
ひとりめの友達に数えて
知らない道の 名前を探して
今日はひとりで 出かけてみようか
一枚の地図と きんいろのコイン
靴紐を結んだら...Step(仮)
-
あなたの旅の終着点
水の都を歩き出す
夏の終わり ことだまを
遠い家路の 道づれに
古き名の奥ゆかしささえ
気付かないままだった
冴え冴えと 月は曇りなく
あなたの瞳 そのままに
夏も 秋も あなたと行こう
ひとつ歌を口ずさみ...細道紀行
-
ゲートくぐればステーション
今日は 新しい靴と
時代遅れのトランク
さあ行こう そろそろ時間だ
見下ろす先に メトロポリスの光
夢と不安だけ 抱えてゆくよ
無数の星を通り過ぎた頃
メモリの奥に残るように
夜空に星の名前を並べて
教えてくれた 優しい声...Promise
-
ことりの声さえも聞こえない冬が来る
つめたい雪の中で うずくまる
ほんとは知ってたよ
だれより寒いのは 涙に気付けないから
家へ帰ってく 足あとのついた道
冬のさびしさを いちばんに知る君は
もうどこへ行けばいいのかも
分からないで 泣いたりしてさ
そうずっと前から僕は
考えてた 君のことを...モランのこと
-
薄青色の風
静かに舞う午後のこと
唇にやさしい
花の唄をのせたまま
夜明け前に夢を見たの
目が覚めたらあの場所へ出かけよう
あなたのことを いまでも思い出す
小川を越えてゆく足音のリズムで
薄紅色の花
開く時に会いにゆこう...Spring Waltz
-
いつもの電車を 降りたとき
吹き抜けた 風の色
夕暮れ過ぎの 群青を
見上げては歩く
色あせた文字のバス停に
待ちぼうけ 白い月
古いベンチで 微睡めば
バスの音 遠く
思い出すことはこの場所で
話してた 淡い夢のこと...私の一番星
-
川沿いに伸びた影と
地面に落ちた光
手をつなぎ駆けていった
明日もまた会おうね
むかし
風に吹かれ きらめく瞳が
浮かんでくる そんな季節
いつからか
どこかに置いてきた言葉
思い出すよ...夕暮れみち
-
手のひら 閉じ込めた
花弁は儚く脆く
夏の夜に彷徨えば
暗闇に頼りの灯り
覚えているのでしょうか
あの日 確かな 契りとあたたかな雨
七月はこちらへ
あなたはいづこ
笹の葉はしらぬ
さらさらゆれているだけ...雨と七夕
-
誰かが呼んでいる
心の奥底
夜明けの色が 切なくて
目を細めていたね
遠くまで来たねと
囁く風の音
閉じられないで
そのままに手を広げ
どこか どこか遠く
はるか 彼方の街...The Migrant Song
-
風の隙間をノックしたら開くよ
ふしぎの扉 むこうにあるのはどんな場所?
日向えらんで進む
時の狭間にはさまった栞を
見付けだしたらどこへ飛んでいけるのだろう?
木葉透かして笑った
どこへゆく?なにをする?
正解は無限大
花が笑って舞って
霞む記憶になっても...はじまりの夏
-
時のままに参りましょう
花筏の風にさらわれて
去る者追わず待ちましょう
次の季節が巡るまで
唐傘くるりとまわったら
下駄の目からりと鳴ったなら
まわる傘の目 めぐる花の香
今も 変わらぬこの道
時のままに参りましょう
花筏の風にさらわれて...桜花流転
-
潮の移り香 消えて行った
玉虫色の影が 霞んで
耳もと 声はほのか
いつでも砂の底には 隠してた言葉
とおい昔から 変わらぬこの街に
私の色もいつか消えて そっと溶けてゆける
風の手紙に のせた記憶
露草色の朝に まどろむ
足もと 波が寄せる
どこかの知らない国で 擦り切れた想い...Turquoise
-
ひらり ゆき雲のおとしもの
空へ 花色をそっとほどいて
ふわり 風の色まだ白く
花の 移り香はいつか薄れ
とおくとおく 山茶花が散る まだ はるか
きらりきらり 雪の夜明けを また 重ね
こおりこおる みなもの鏡 いま 撫でて
さくらさくら 梅が咲いたら ほら もうすぐ
いくつ 数えたら届くかな
い...はるか(仮題)
-
A
「むかしの話さ」と 彼はそっと語りだす
古い本のにおい 手を繋いで連れて行く
B
暗い森の道 照らし出すカンテラ片手
「夜の森に入るのかい」 頭上の星が笑う
A
彼女は先へ行く 行く手阻む根を超えて
奥へと続いてく 無数についた靴の跡
B...follow
-
君の目に映る世界を
ちょっとだけ摘み取って
見せてくれないかい?
そのまんま理解はできないけど
きっときっと少し分かるから
君の手が描く世界を
すっかりと消し去って
大人は怒る
「なんだって、なんだって ぼくだけが」
君はそう責めるけど...Dear
-
帰り道 足音とはしゃぎ声
明るい方へ向かってる
もう暗くなってずいぶん経ったよね
みんなで踊り続けてた
時間が経つのも忘れてさ
フロアを擦る君の靴
照れたみたいなしぐさ
ずっと見てたよ 見えないように
可愛いなって 思ったんだ
コードを抑える君の指...like
-
あおのなか ふわり しずんでくよ
しずけさに ひとり みみをすます
ふらり ひかり
わたしはまだ おちていくんだ そっと
あおい そらは くれていくから
とけだすあおいひれ ゆれる
あの青い 水平線から 溶けていく雪
おちるわたしなら 溶けてなくなる
しずんでく雪
あせていく色に 思い出す光は とお...マリンスノウ
-
毛布を膝に持ち上げて
窓の外 雲の海見てる
私は少しあくびして
夜が来るんだね
夕日の朱い残像が
私の目に映っていたの
明日は晴れる気がしたよ 瞼を閉じ
空気の籠がほら
私の肩に乗って
明日はどこにまで 近くなっただろう...夜間飛行
-
いつものことなのにさ
呟いて また
そうやって諦めたつもりかい?
思い出して きゅっとなる胸を
抱きしめて 見えなくする
その海に ちょっとだけ沈んでみるよ
君の声が 聞こえた気がしたんだ
涙に隠したほんとをさ
探しに行こう
明日を見つけた魔法をさ...sea of tears
-
くるくる ダイブして
星のはざまに落ち
くらくら 惑星は
わたしを 追い越した
むこうはアルタイル
彦星 鷲の駅
彗星 駅馬車は
わたしの 目の前
きらり 走る 光
はるかな 駅へ、遠くへ...彗星トラベル
-
A
白い世界は 私一人で
ずっとそこにあった音
白い世界へ放ってみた
だけど
A2
私がもし君ならば
囁く花 咲かそう
もしも君ならばきっと
世界を照らそう...カラフル
-
A
月の砂漠で 誰かが呼んだ
空のさそりが 騒いでいるようだ
浅いゆりかご 迎えてる朝
夜明けの星は 海に沈む
B
呼びかけてみる 向こうの星へ
空の色は 深く藍(あお)い
遥か彼方で きらめいた水
星の泉 光あつめ...ほしのおと
-
A
ひとつ前の風は遠く
胸の奥に溶けた雪、儚く
きらきら
さらさら
さわさわ
ふわふわ
A
ひとつかみ 花弁を放つ
瞼閉じて 花起こし、響かせ...さくらかぜ
-
イヤホンひとつ 外し
空に目を向ける
向こうの雲たち 見てる
ほら雲から降る
霧のような粒
通り過ぎた 雨上がり
もうきれいになった
天気雨 洗われて
もうきれいになった
空には 青い色...虹色
-
大きな大きな街の端に、
古い古い店があったんだ。
小さな小さな私の手は、
高い高い物が欲しくて。
届かない声、いつも通り。
また君は私を置いていく。
「置いてかないで」届かない指。
今日は2センチ足りなかった。
さぁ、ちくたくぽん。
店主は笑う。...ちくたく。
-
あなたはだあれ?
わたしなの、あなたなの?
水中の国で、出会う。
なつかしいうた。
げんしの海は、暖かい。
暖かい。
遥かな声が、うたう。
クジラのうた。
声をきかせてよ。
わたし、あなた、繋ぐように。...Aqua Sphere
-
潜っていく 水の泡
ゆらゆらり 魚の影
落ちていく 水の底
さらさらり 魚の光
あなたが指をさして
あはは と笑った
まるで潜水艇のように
わたしたち 潜ってく
まるで珊瑚礁みたいに
さかなたち 泳いでく...潜ってく。
-
君が堕ちた海は遠く。
遥かな風を抱くよ。
君が泣いた空は高く。
清かな波を思うよ。
堕ちた記憶を詩人は笑う。
なんて小さな世界だ、と。
堕ちた君の電波が嘆く。
なんて悲しい話だ、と。
君と堕ちたい、蒼い海へ。
風になって君に会いに行くよ。...波になって。
-
駆け足の夕暮れ
赤い雲見てた
居眠りの午後の日
飛行機見てた
気が付いた?
君はソラ。
辿り着けないソラヘ
辿り着きにいくソラ。
ソラの果てで
歌って歌って...ソラ
-
バーチャルサウンド
駆け抜けていく鼓動
The invisible sound
この音を聞いて
秋の始まり 夏の終わりの
とある日の朝に 私は産まれた
私の声で あなたの音を
創り出せるように 頑張るよ
うまく歌えてるかな 音程はズレてないかな…
気にしたってしょうがない...The sound.
-
青いひだまりの中に
小さな黄色いきみを見つけた。
眠るあさがおの色は
最後は黒なら わたし、は落ちる。
猫の足首に鈴を
大きな橙の愛、守ってください。
夏のひだまりの中に
小さな明るい色を見つけた。
黒いひだまりの中に
鬻いだ明るいきみを見つけた。...Goodbye dear the one
-
花火が上がるよ。
道にはバイクが
走り回って
喜ぶみたいに。
あのハートの数だけ
彼はここをあいしてた。
あの花火の数だけ
彼はここをまもったんだ。
お祭りがやってくる!
悲しい歴史の千年の街...祭りの日
-
朝起きて始まる また同じような日々が
眠い目をこすってなんとか起き上がる
なんでだろ いつの間にか 涙が出そうになる
意味不明 頭ふるふる 誰かのお話ぐるぐる
昨日の話が 耳に残っているの
どうして私だけ いつも怒られるの?
わかんない 「頭悪いの」 数学とか解けない
出来ないの 動けないの 誰かの...walk! 【応募用】
-
「いつか私達は
出会い別れを知り
時の流れにだけ
流されず浮かんでいます」
箪笥の上にはほら
あの時の小さな絵
静かに年は流れ
空き地にも家が建つわ
風がふき
窓が笑う...time
-
A
見上げて 山へと夕日が落ちる
名前も知らないあの山へ
空は茜色 町並み染めて
また明日へと夜が始まるよ
サビ
あの時 抱いてた言葉
解き放って眠るよ
この日の 暖かい日差し
忘れないこの時...夕凪
1
- 2