迷子ひよりの投稿作品一覧
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ゆめいろの
カプセルに
おはなしを
ひとつだけ
めをとじて
ゆっくりと
かみしめて
じっくりと
つかれたね
ねむろうね...おちていく
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翡翠の闇は宵の口
風もおだやかに ふっと笑う
鼓膜をゆする波の音
やがて飴色に ぱっと弾け
ご覧よ あれはハナクジラ
銀の雲海を さっと駆ける
ランプノキ灯り 星屑のネオンきらめいて 夜を彩るの
島唄誘うウミフクロウ
森のツキムシがやってきたら
ソラバナ掲げ目を閉じて...ツキナシの祭
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夕暮れ時の雲、貼り付け笑う、空は。
遠く夢の情景ともとれる、それは、陽炎のよう。
手を伸べても 空(くう)を切るだけ、
いや空(くう)はわたしなのだろう、そんなの わかってる、
この指先は なにものをもつかめない。
嗚呼、手の 鳴るほう、鬼はこっちと、
そう、求めてほしいの。
いついつ出やるか、でも...ひとりあそび
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くまさん
減った腹 ああ ぐぅぐぅ鳴るよ 容赦ないよ
遠慮なく 腹 いっぱいあいつら 詰め込みたい
キラキラ光るは 水面か魚か オスかなメスかな 左か右か
あいつもそいつも まとめてパクリ 至福のひととき そんな妄想
泳ぎ去る影と 上がる水しぶき 呼吸を整え 狙いを定め
踏み出した一歩 渡る黄の風 ...くまさん 【応募用】
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ねこがねころんだ
ねこがねころんだ
ねこが ねこが
ねころんでいる
アスファルトのうえ
ひだまりのなか
5ふんたっても
ねころんでいる
ねこがねころんだ
ねこがねころんだ...ねころんだねこ
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白光りの箱で糸電話
ちぎれているのに糸電話
無意味な相槌
すり抜けることば
「これは友達」
「いいえ他人」
君の重さは羽根のよう
片足立ちする場所もなく
体育座りもゆるされず
不気味な嘲笑...君の右足を引く
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a a a a a a a a
a a a a u te ju yo
si ジュ yo テ si u ヨ ju
ウ シ te ジュ ヨ ウ シ テ
にゃー
ニューロンなんかじゃ古臭いでしょ
次元不足で...宇宙ノイローゼ
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おかしな くだが 青を とりこんで 灰に かえてしまう
ぼくは おきている ことが できない
かがみは いまにも とろけそうだ
くりかえされる 明日の なかの 今日も きっと ざらついて いる
ぼくは いきて いる ことが できない
すい こんだ ノイズ ...気管支のざわめき
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発電したいの
発電はつでんハツデン発電はつでんハツデンHATSU☆DENしたいの♪
発電はつでんハツデン発電はつでんハツデンHATSU☆DENしたいの♪
くべる?おとす?うける?あびる?
ゆでる?まげる?まわす?とかす?
いらない!だって魔法があるし
発電はつでんハツデン発電はつでんハツデンHATS...HATSU☆DEN 魔法彼女
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スポンジくらげがのたくってわらうの
わたりろうかはゆめをみないの
ガラスかえでのあしたはからむの
そんなうそ
あなたはどう?
あめかとおもった?
そうならよかった
ブザーがおちて
ぜんぶおわり
すいせいインクがとびちってとれない...たゆたうすきま
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笑いながら貪り消費する
与えられるのはあまり好ましくないね、無差別に投下しよう
すると白く虚しい円になる
真ん中で宙でも見上げようか、どうせ誰もいないから
こんな茶番はもう御免なのさ
水玉模様の濁った足音
すべてはマヤカシのマボロシの嘘の裏
洗濯挟みで耳塞ぐ
たまにアオミドロの夢を盗み見て
赤血球を...そんな世界で生きている
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コエ、ききたい
けど、
はなしたいコト
あるわけじゃ
ないしな
どーなつ、新作
おいしいよ
って
どうでもいいか
そんなこと...めぃあいこーるゆー?
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あと一秒先の世界でも
きみがわらっていてくれればいい
あと一分先の世界でも
きみがとなりにいてくれればいい
あと一時間先の世界でも
きみと話していられればいい
あと一日先の世界でも
きみの「ただいま」があればいい
あと一年先の世界でも
きみのことを好きでいたい...アトサキセカイ
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なんでもないことに傷ついて
蓋を閉めて泣いていた
つながることさえ怖くなって
今日を棄てて震えてた
世界中に哀が散らばってた だけど
あなたの声は
一瞬でわたしを安心させた
「魔法使い?」って訊いたら
「なんだそりゃ」って言ってわらった
なんでもないくらいにあたたかな...まじかる・ゆー
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ホラ マタダヨ―――
初めての音はあの子の悲鳴で
響いて鏡は粉々に砕け散り
巡る弱音を止められないまま
数える羊の息の根を縛る
マフラーを破り棄ててみました
ああ神の悪戯であるのか
寝ることさえもかなわないと云う
聴け 行け
空腹感に惑わされずに...フミンショウ
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大きな音に驚いて
耳を塞いで必死に呼んだ君の名は
応えのないまま散ってしまった
小さな音さえ聞こえない
てのひらの中で沈黙しきった青い機械
答えは出ていて虚しくなった
こうして君はあたしの中から消えていく
君のかけらはすでにばらばらで
あたしは繋ぎ方を見事に忘れてしまっていた
どんな音でもかまわない...落ちた光のもたらしたもの
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急に切れた
右手のはさみ
わたしまだ
使ってないけど
急に終わった
終了ボタン
わたしまだ
押してないけど
突然きたよ
世界がかたむく...はさみ
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くちいっぱいにほおばった
甘酸っぱいリンゴアイスが教えてくれた
ああ!!虫歯!!!!
しみるっしみるわっっ
痛いじゃないの!!!
ああ!!虫歯!!!!
やめてっちょっとっっ
痛いんだってば!!!
アイスなんか食べなきゃよかった…
君にとってのあたしとは...虫歯になんかなりたくないっ!!
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ほら、みて。
月が―――
あなたと並んで歩けるだけでしあわせなんて思ってた。
あなたの横顔見ているだけでもうじゅうぶんだと思ってた。
だめよ、視線の先なんて
気付けばきっとおかしくなるわ。
だめよ、あなたが見つめてる
あの子を壊したくなるわ。
知ってる?お月様はいつだって
あたしたちをつけ回してる。...黒の渦巻く月の夜