由稀南の投稿作品一覧
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お城へ戻るその途中
広場に集う国の民
美しい歌声の少女
可憐な踊り子
エメラルドの瞳はまるで
宝石のように輝き
金糸のような髪は風を
纏って流れた
ああ 何故君は神の踊り子
届かない指がもどかしいよ...神の踊り子
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そらには夜が満ちて 星が瞬く
しっこくの 森には 何かが蠢く
照らす明かりには
だれの影も映らない
連想 恐怖 足音だけが響く
縺れた足 自分の息しか聞こえない
息を潜めて 恐怖に耐えた
涙だけは 溢れて止まらない
雲が空を覆い始めて
奈落の闇が包み込んだ...Nothing.
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ひらり 舞い散る一枚
太陽 静かに照らした
白いシーツの波紋の中に
私はひとり漂うだけ
嗚呼
いつかは朽ちる運命よ
きっと どんな恋でも
ずっと夢見てたもの
泡となった 儚い奇跡
はらり 舞い散る想いは...泡沫の向こうへ
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俯いてた 黄昏の中
映し出された紡げない音
赤く染まる私の声
地面に落ちた光の滴
走って 走って 迷い込む夜の道
見つけたのは 不思議な鏡
反射した中に見えたもう一人の私が
私にそっと笑いかける
響いた声がこだまする
「貴方は誰?」...星月夜
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闇へと堕ちてゆく
空に縋るその手は届かず
白い翼 黒に染まってく
果てに見えたものは"幸福"だろうか?
絶望手に 純白の少女
何を祈り 思う
見上げた太陽 私はもう帰らないわ
掴んでたもの 全て
零れる砂の如く脆いものなのだと
知ってしまったの...堕天使少女舞踏
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現在という鎖 囚われてしまった貴方
私は単なる 無力で非力な少女で
消え去ってく記憶と 空を掴んだ幻想
昔の笑顔だけが 頭を掠めた
往こう 貴方のもとへ 遠くても
いつか届くわ 空を翔ける歌
貴方の姿を見つけた その場所にあった
氷に覆われ 立ち入れないエントランス
残酷に流れてく時間がつくりあげた...氷のエントランス
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瓦礫の下埋もれたまま闇に咲く一輪は
夢の跡を飾るように静かに笑っただけ
舞い踊る 舞い上がる
ひとひらの花びら
風の中 飽くこともなく踊り続けてる
幻の喧噪がこの耳に届き響いた
笑い声と叫び声と混交し消え失せた
静寂に包まれた中咲き誇る一輪は
かつて栄えた都をただ見守るように揺れた
舞い踊る 舞い落...傷跡に咲く花
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喧噪の渦 蠢くヒト
冷たい風 吹き抜けて(い)った
あれもこれも嘘だらけの街で
蹲ったままで
空の中を駆け抜ける
翼があったなら
迷わずに追いかけるのに
あの光を...
向かい風も ものともせず
走っていた 遠い昔...光の風船【応募歌詞】
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綺麗な庭 小鳥の囀り
舞う蝶たち 穏やかな午後の風
冷えた手の平に残る温もりを
陽光よ 掻き消してほしい
歌え 歌え 歌え この
君へと捧げる鎮魂歌
歌え 歌え 歌え ああ
蒼穹へ響かせて
揺れる水面 風に惑わされ
抗えずに 波紋は広がってく...白日の庭園
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高くそびえる 銀灰色
逃げ道のない 無機質な場所
鬱懐の日々 今日も晴れず
見上げた空は 窮屈そうで
漆黒の翼では
羽博けず 地底へ堕ちてゆく
私を拒む この街で
身を隠すため 隙間を探す
零れてく感情も
拭えずに 路地裏に迷い込む...メガロポリス症候群(仮)
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荒野を彷徨う心に
荊の棘は冷たく突き刺さる
貴方に辿り着けぬまま
この身は朽ち果てるでしょうか
月の光を浴びて
妖しく咲く花も
寂しさを湛えて
夜明けと共に泣くのでしょう
憎しみに変わる前に
どうか摘み取って...輪廻花
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暗い部屋で独り見る
夢は闇に墜ちたまま
醒めることを知らずに
気泡は深く沈んでゆく
悪夢の欠片
僕の眸の中
永遠に終わらない
終わり続ける 音
差し出された君の その腕に縋れば
欠片は涙と共に流れるのだろうか...閉塞空間