薄紅の桜のように
私を愛でる人はない
ただ独り貴方を想う

La dame aux came´lias
彼女はそう呼ばれていた
La dame aux came´lias

白は深深と降り積もる
普く色を奪う為に
静寂を迎えて凍える空は

＜A＞
雨（あま）降る街 こだまする
哀しき 唄声（こえ）は届かないの？

春 それは夢見る季節
春 誰もが華開く季節
春 ただ彼方を待つ季節

桜通り君を置きざりにしたままで
僕はまだ忘れられない
心のどこかでは

あの長い川がすべて
凍る夜なんてないから
向こう岸へは行けない

夕暮れの少し前　落ちる花を見ていた
赤く溶けた風景にも　とげとげしく光る
試みといたずらに　迷い続けていた

冬の日、君想ふ
雪は落ちて刹那に消える
何と儚い最後だろう

「椿ノ簪」
黒須朔夜
真白の花弁厳かに

艶のある肌を伝っていく水は
どこか切なさをふくみ落ちていく
苦しいくらいの青空に赤が映える

○優しい祈りを
幾つ重ねたなら
平穏訪れるの？

あんたの心はどこにあるの？
耳元、香る、足音、気配
そんな言葉は似合わないや嫌