S
痛い 痛い 矢印が刺さった
それだけで死んでしまいそうな

[A]
蝉が泣き叫ぶ朝　夢から醒めたんだ　
何も変わらない日常を過ごす

真夜中に生きるこの身体は
とても小さく震えていて
僕の中で生きているこの心は

寂しさを埋めた温かさ求めて
君を傷つけていた
愛した数だけ失くすものもあると

風でも運べぬ遐(とお)き空へ
あれから何年経ったのでしょう
昔が恋しい時も有り

そうやって目に沁みる光が偶然
隠れた前髪から覗いてたどり着いた
少し傾いた風景に見える後ろ姿は

窓から射し込む陽の光が
リアルな世界へと引き戻す
夢に焦がれたココロはもう

(A)
家に帰ると　真っ先に部屋で
イヤホン付けて　口を動かす

電車の中、向かいの窓の外
夕焼けが空に色を映していた
ただぼんやりと眺めていたが

嫌な街に溶け混んで行く
足並みはずっと同じままで
漏れた悲鳴 曇った空

いつまで僕は 雑踏の中
呼吸（いき）もせずに 泳ぐのだろう
そろそろ強さ 保てなくて