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UV-WARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その34「ボーカロイドに勝てますか?」
ボーカロイドに勝つ、なんて、言葉にするのは簡単だけど、これほど中身が空っぽなフレーズもないと思う。
凡そ、身体を使うことで、ボーカロイドに勝つ方法があるとは思えない。
歌、...UV-WARS・ヨワ編#034「ボーカロイドに勝てますか?」
仮免美紀
UV-WARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その33「帰りは初音ミクのラッピング電車で」
叔父さんは結局、わたしの案内などいらなかったのだ。今、アイドルと呼ばれる存在が、どんな扱いを受けているか、わたしに見せたかったのだ。
店を出たあと、叔父さんは迷うことな...UV-WARS・ヨワ編#033「帰りは初音ミクのラッピング電車で」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その32「アイドル終焉の地」
暗いステージの中央に眩しい程のスポットライトが当てられ、その中に女の子が現れた。
それだけで喚声が上がり、女の子の名前が連呼された。
「シオリーン!」
耳元で大きな声がした。鼓膜が震...UV-WARS・ヨワ編#032「アイドル終焉の地」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その31「叔父さんと秋葉原、でもデートじゃないよ」
兄は小脇に発泡スチロールの箱を抱えていた。
中身は言うまでもない。肉だ。きっとA5か、A6か信じられないほど高級なお肉にちがいない。
そう言えば、友達の家でバー...UV-WARS・ヨワ編#031「叔父さんと秋葉原、でもデートじゃないよ」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その30「帰宅とボーカロイドとクリスマスイブ」
家に帰ろう。
お母さんに報告しよう。
お父さんに伝えよう。
〔受かったよっ!〕
足取りが軽い。
羽根が生えたみたい。...UV-WARS・ヨワ編#030「帰宅とボーカロイドとクリスマスイブ」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その29「実技試験その5~採点~」
ドアがドンと開け放たれた。
〔ビックリした!〕
ドアを開けて出てきたのは、デフォ子さんだった。
デフォ子さんは、耳に当てていたスマホをゆっくり下ろした。
「聞こえてる」
デフ...UV-WARS・ヨワ編#029「実技試験その5~採点~」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その28「実技試験その4~解答~」
再び厳かなモモさんの声が聞こえた。
「紫苑さん、お疲れ様でした」
わたしは最後のポーズを解いて、やっと自分が肩で息をしていることに気づいた。
額と耳の裏から汗が滴っていた。ぽつ...UV-WARS・ヨワ編#028「実技試験その4~解答~」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その27「実技試験その3~実演~」
厳かにモモさんの声が広がった。
「10分経過しました」
ストップウォッチから目を上げて、モモさんは変わらず微笑んでいた。
「15秒後に音楽を流します。紫苑さんは準備してください」...UV-WARS・ヨワ編#027「実技試験その3~実演~」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その27「新しい日常の始まり」
翌日、電気屋がやってきて、テッドの家の電気を修理していった。
電気が使えるようになったのは日が沈んでからだった。
その翌日には、テトからの依頼でやってきたという警備会社が、簡単な警報システムを設置し...UV-WARS・ミク編#027「新しい日常の始まり」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その26「実技試験その2~課題発表~」
メモを持ったマコさんが、そのメモをモモさんに渡した。
モモさんは素早く目を通して、マコさんに何か耳打ちした。
頷いたマコさんは素早く席に戻って、隣のルナさんに素早く耳打ちし...UV-WARS・ヨワ編#026「実技試験その2~課題発表~」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その26「逆襲のテト」
話は数分前に戻る。
テッドの家の前から出た男たちを乗せた車は、夕闇の中、人家もない畑ばかりの景色をバックに走っていた。
助手席で、イヤホンを嵌めていた男は不意にイヤホンをはずした。
「途切れました」
「どう...UV-WARS・ミク編#026「逆襲のテト」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その25「実技試験その1~自由テーマ~」
「それでは」
モモさんのおごそかなひと言で、それが始まった。
「ただいまより、実技試験を始めます」
〔キターーーーーーッ!!〕
モモさんが試験の内容を説明した。
「試験は課...UV-WARS・ヨワ編#025「実技試験その1~自由テーマ~」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その25「悲劇の始まり」
テッドはミクから侵入者が写真を撮って立ち去ったことを知らされていた。
テッドの視界に、家に続く側道の入口が見えてきた。
そこから乗用車が飛び出して、鋭角な交差点をターンして遠ざかろうとしていた。
〔あれが...UV-WARS・ミク編#025「悲劇の始まり」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その25「旅立ち」
金属の擦れ合う音と、何かが潰れる音がした。
テトはタイムマシンの中で態勢を立て直すと、外を見た。
モモはすぐそばに倒れていた。
テトはもう一人の姿を探した。
「メイコさん!!」
モモが弱々しく指差した...UV-WARS・テト編#025「旅立ち」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その24「面接試験」
出てきた人は、ショートパンツでスラッと長い足を見せていた。
金髪なので、さっきの「ルナ」さんだとすぐに分かったが、視線を上に移してぎょっとした。
金髪に、ウサ耳が生えていた。
エリーさんも...UV-WARS・ヨワ編#024「面接試験」
仮免美紀
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第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その24「VOCALOID対侵入者」
少し前に話を戻す。
テッドの家の前に、灰色の乗用車が横づけになった。
「もう一度確認する。制限時間は10分だ。時間内に対象を運び出せなかった場合は、対象の存在を確認し、ただちに撤退する」
「了解...UV-WARS・ミク編#024「VOCALOID対侵入者」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その24「タイムマシン」
滑り下りた先は狭い通路だった。ほんの少し先には扉があった。
モモが下りて来るのを待って、テトは扉の前に立った。
扉は自動的に開いた。
その向こうは機械で埋まっていた。メイコの姿はなかった。
機械...UV-WARS・テト編#024「タイムマシン」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その23「3人の受験生」
茶色い髪の子の声は、優しくて柔らかかった。
「アタシ、友音ユア。お名前、伺ってもいいかしら?」
ピンク色の髪の子はその子の隣の椅子に座った。よく判らなかったけど、少しムスッとしているように...UV-WARS・ヨワ編#023「3人の受験生」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その23「オペレーション」
その五分後に車が来た。来たのはドイツ生まれの高級外車だった。
しかも中から降りてきたのは、金髪ショートの外人だった。
「ヘイ、ボーイ。アイアム、ルナ。よろしくね」
チューブトップにショートパンツ姿にびっ...UV-WARS・ミク編#023「オペレーション」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その23「第三波」
不意に大きな声がした。
「ふぁー」
モモが大きな動作と欠伸で目覚めた。
「モモ?」
モモは半開きの眼でテトを見つめると、眠そうな声で答えた。
「テトさん、おはようございます」...UV-WARS・テト編#023「第三波」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その22「マネージャーさんの名前」
試験開始の四十分前、わたしはいつも練習で使っているレオタードを着て、上に学校のジャージを着た。
更衣室を出ると二人の女の子が立っていた。
二人は丁度ロッカーのキーを受け取ったと...UV-WARS・ヨワ編#022「マネージャーさんの名前」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その22「防犯システム起動」
「ミク、返事をしてくれ」
「はい、マスター、聞こえます」
少し間が空いて、ミクの声が返ってきた。
テッドは少し安心した表情を見せたがすぐに口元を引き締めた。
「みんな、無事か? 状況はどうなってる?」
...UV-WARS・ミク編#022「防犯システム起動」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その22「対話」
「では、まず…」
テトはモモを指した。
「彼女を治したい」
メイコは大事そうにグラスを抱えながら小首を傾げた。
「んー、わたしは専門家じゃないから…」
「電気が使えれば、彼女が自分で直す」...UV-WARS・テト編#022「対話」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その21「運命の日」
運命の12月24日、天気は、雪。
と言っても、チラリチラリと降る程度で、地面に落ちたらすぐに溶けてしまい、積もるとは思えなかった。
これなら、電車が止まったり、階段が凍って足を滑らせるような...UV-WARS・ヨワ編#021「運命の日」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その21「救出」
テトはスマートフォンを受け取ると、素早くキーボードを叩き始めた。
車は大型ショッピングセンターに近づいた。
テトが舌打ちをした。
〔テト姉が焦ってる?〕
それはテッドには新鮮なことだった。
テトはテッドのスマ...UV-WARS・ミク編#021「救出」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その21「メイコ」
目標の建物は小高い丘の上に建っていた。
平坦な砂漠の中でそこだけ取り残されたような急な坂があった。
モモを背負ったままでも登れないことはなかったが、バランスがとりにくい坂だった。一見固そうな地面も足をのせ...UV-WARS・テト編#021「メイコ」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その20「亞北ネルという親友・その2」
いよいよ明日は実技試験、という日に、ネルちゃんから電話がかかってきた。
「どう?」
別に緊張はしてないし、ネルちゃんがいろいろ教えてくれたから、迷うようなことはないって思って...UV-WARS・ヨワ編#020「亞北ネルという親友・その2」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その20「追跡開始」
静寂の時間が流れて、テッドはテトの声に起こされた。
「テッド君、起きて。先、行くよ」
慌ててテッドは起き上がると、思わず昔の癖が出た。
「うわっ、遅刻する!」
次の瞬間、頭上からテトの拳が降りてきた。
「いて...UV-WARS・ミク編#020「追跡開始」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その20「灯り」
テトは背中のモモに聞いた。
「さっき、歌ってたよね?」
「さっき、って、いつですか?」
「バリア発生装置の前で」
「ええ、はい」
「聞いたことがある気がするんだけど、なんて歌だったか、思い出せないんだ」...UV-WARS・テト編#020「灯り」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その19「三者面談」
わたしの頭の中は、料理のことでいっぱいだった。
夕方、学校から帰ると、母はてぐすねを引いて待ち構えていた。
材料を揃え、昨日は八宝菜、一昨日はオムライス、今日はチャーハンだった。
料理がち...UV-WARS・ヨワ編#019「三者面談」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その19「誘拐」
時計は午後5時を回っていたが、日はまだ高く、蒸すような暑さが留まっていた。
バス停は、国道沿いの、海の反対側で、テッドの家の反対側にあった。傍らに申し訳程度に屋根つきのベンチが設置されていた。
国道といっても、片...UV-WARS・ミク編#019「誘拐」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その19「涙」
雲の切れ間に星が見えてきた。
小隊長が声をあげた。
「おーい、生きてるか」
モモが応えた。
「生きてますよ」
「テトは?」...UV-WARS・テト編#019「涙」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その18「いつもとはかけ離れた朝」
翌日、朝六時、いつもより一時間早く、母に起こされた。
「お、はよう」
どうしたの、こんなに早く、と言いかけて、母の冷めたような目に、わたしの目が覚めた。
「一度しか言わないから、...UV-WARS・ヨワ編#018「いつもとはかけ離れた朝」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その18「会議」
桃がテッドの家を出る数時間前、あるビルの一室で男たちが会議をしていた。
そのビルは割りと大きな街の中心にあり、すぐそばに新幹線の駅もあった。
会議の場所は古びた事務机が並べられていて、男が二人、折り畳み椅子に座っ...UV-WARS・ミク編#018「会議」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その18「三人vsタイプH(その4・死闘)」
小隊長の胸に小さな光点が現れた。
タイプHが気づいたのはその光が伸びて、自分の左胸を貫いた時だった。
「そんな、仲間ごと?」
小隊長の背後でビームサーベルを握っていたのはテトだっ...UV-WARS・テト編#018「三人vsタイプH(その4・死闘)」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その17「決意表明」
この時、わたしはちょっと視線を床に落とした。呆れるか、茫然となってポカンと口を開ける両親を想像していた。
目を上げた時、二人とも厳しい表情をしていた。
「証明…、だと?」
「ヨワ、あなた、自分...UV-WARS・ヨワ編#017「決意表明」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その17「テッドが動いた日」
その後のログの解析で、ミクはサブフォルダの中にあったテキストファイルで作られたリストに従って、MMDのモーションデータと基本的な動作プログラムを組み合わせる作業を行っていたことが判った。
それは、十億通...UV-WARS・ミク編#017「テッドが動いた日」
仮免美紀
UV-WARS
第一部「重音テト」
第一章「耳のあるロボットの歌」
その17「三人vsタイプH(その3・作戦会議)」
少し前の作戦会議で。
「タイプHは強敵ではあるが、戦場で目撃されたケースは少ない。なぜだと思う?」
小隊長の質問に二人は答えられなかった。
戦場で見かけないといっても、見かけ...UV-WARS・テト編#017「三人vsタイプH(その3・作戦会議)」
仮免美紀
UVーWARS
第三部「紫苑ヨワ編」
第一章「ヨワ、アイドルになる決意をする」
その16「家族会議」
その父の表情をわたしは大昔に見たことがあった。二回。忘れられなかった。
一回目は小学校一年生のとき、無断で電車に乗って遠くまで行って警察に保護されたとき。
二回目は、四年生のとき、怒られて家...UV-WARS・ヨワ編#016「家族会議」
仮免美紀
UV-WARS
第二部「初音ミク」
第一章「ハジメテのオト」
その16「ミクが動いた日」
テッドは夢を見ていた。
十年以上前の記憶をたどる夢だった。その時テッドは小学六年生だった。
ある日、玄関を開けると、テトが立っていた。
印象的だったのは、初めて目が合ったとき、心底疲れがとれたような、...UV-WARS・ミク編#016「ミクが動いた日」
仮免美紀