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【がくルカ】memory【1】

月日はこの気持ちと共に流れた。
あの日から二ヶ月、今再び物語は始まる――




















-----【がくルカ】memory【1】-----




















今は12月。
寒いので体調をくずしやすい時期。雪も降りだす。


あれから、私は変わったのだろうか?
授業を受ける態度とか変わってないし、かと言って孤独になったわけでもないし。
ただ一つ変わったと言えば、胸あたりにある、ほっこりとした暖かい気持ちかな?
でも、この小さなモヤモヤはなんなのだろう。


10月の、あの出来事から二ヶ月。
私たちは、他から見ると変わっていないのかもしれない。
実際は、あの出来事から私とあの人の関係は変わったんだけど…。
まぁそんなことはどうでもいいか。


この時期に私の手はもの凄く冷たくなる。
手袋をしてもあまり効果が無いように思える。
ずっとこたつでぬくぬくしていても、手だけはあまり温かくならない。
困ったものだ。

しかも私は、一応病気になりやすかったりする。
毎年と言っていいほど風邪をひくし。
さらに、今年から一人暮らしなので一緒に居てくれる人が居ない。
友達もほとんどは違う高校に行ってしまったという…

冬、病気で弱っているなか一人。
これほど寂しいこともない。





さて、よくわからない長話は終わりにして。
今日も元気に高校に向かう。


「はくしっ!!うぅぅ…」


そう…元気…に…
やっぱり元気じゃないかも。
いくら冬用の制服とはいえ、寒いのには変わりはない。


階段を上り、教室の扉をガラッと開ける。
なんで隙間風が入り込んでくるのか。

そして運が悪いことに私の席は窓側。
ついてない。


「おはよう、ルカ。なんでため息ついてるの?」


がたんと私の前の席に座ったのは、親友であるメイコだ。
いろいろと頼りになる。
私の、高校での唯一の友達。
そして唯一、私とあの人の関係を知る人でもある。


「いや、なんで隙間風が入り込むんだろうって思って…」
「そりゃ、この高校って古いし…ここ旧校舎だし、しかも窓際じゃよけい寒いわな」
「メイコも窓際でしょ、私の前の席なんだし」
「私は、体が弱いあんたを心配してるの」
「それはどうも」


メイコって病気になることがあんまり無いらしい。
いいなぁ、羨ましい。


「そういえば、うちのクラスを代表する馬鹿三人ってまた問題起こしたらしいね…」
「うん…確か、停学処分を受けて問題起こして…何回も問題おこしてるから、退学になったんだよね…」
「よくこの高校に、あんな馬鹿が進学できたね…」
「だね…」


私達が通うこの高校は、地元でもレベルが高い。(私はそこで学年トップをとったこともあるが)
一応、進学校…らしい…
そんなレベルが高い高校でそんな危険なバカが居たら、大体は退学とか停学だ。


「ところでさぁルカ」
「何」


メイコが話題を変えてきた。


「最近はどう?」
「は?」
「だからぁ、最近はあの人とどんなかんじ?ってきいてんの」
「は、はぁッ!?」


どうしていきなりそんなこと!


「何どうしたのその顔。なんかあったん?」
「べ…別にぃ…」
「あったね?」


メイコは言い出したらとまらない。


「別になんにもないって!」
「でもその顔…絶対何かあったっしょ」
「別に神威先生とはなんとも…!」
「俺が何?」
「うわあッ!?」


後ろに一つに結んだ髪。
凛とした声。
整った顔。
そう、この人は…

つい最近コンタクトにしたという神威先生登場。
気配が無かったよ!


「いつからいたんですか?」
「隙間風の話題のときからずっと聞いてたけど…」
「嘘だッ」


そんな前からいたの!?


「で、俺がなんだって?」
「あ、ルカは今先生とどんなかんじなのかなーって思って」
「メイコッ!!」


なんで言うの!?
しかもなんで2828しながら!?


「そr」
「なんでもないから!先生何もないですよねッ!!」
「そんなにまでして隠したいのかー…先生、何かあったでしょ?これ」
「え?…本当に何も無かったけど?」
「じゃなんで隠すの?」
「さぁ…」


だって…
この不安は…






*






それから、一週間ぐらい経っただろうか。
この気持ちは、ずっと晴れることはない。
ココロ予報は、『晴れる』と予測。実際は外れて『曇り』。
いまにも『雨』が降り出しそうな、そんなかんじの『曇り』だった。



三時間目の授業のこと。
この時の科目は『日本史』。担当教師は始音先生。
正直言って、私の苦手科目。
『世界史』なら得意なんだけどな。


だからこそ、勉強は頑張らなくちゃいけなかった。
そんな大事な授業なのに、私の身にはあることがおきた。

頭はクラクラし、視界は霞んでいる。
なんとかノートをとろうとするも、シャープペンシルを握る手に力が入らない。
咳は止まらなく、左手で抑えると手には血が着いていた。


体が中に浮いたと思った次の瞬間、私は床に倒れていた。
ガタンと倒れる椅子。
誰かの叫ぶ声。
暗くなっていく視界。
意識は遠ざかる――







*









目が覚めたとき、視界に入ったのは見慣れない天井。
ここはどこだろうと起き上がると、頭に激痛が走った。


「痛っ…」


とりあえずわかるのは、私はどこかのベットで寝ていた。
ほんとにここどこだろう。
ていうか、なんで私はここにいて…?


ふらつく頭を抑えながら立ち上がる。
そして壁に手をつきながら扉の窓を覗き込む。

プレートの表記は『保健室』。
あぁ、そういうことか。


大人しくベットに戻る…までの体力が続かず、近くのソファに倒れこむ。
なんだろう。すごくクラクラする。

とりあえずわかったことは、ここは学校の保健室。
あの時私は倒れて、誰かが私をここまで連れてきたんだ。
でも誰が?
ていうか今何時?

壁にかかっている時計をぼやけている目で確認すると、そこには「4時48分」と表示されていた。
…ちょっと待て?

私が倒れたのは、確か三時間目。
推測すると、午前11時ぐらい。
で、今は午後4時48分。
ようするに…私は、六時間くらい意識を失っていた、ということか?
昼寝の域超えてません?
どっかのダメな大学生か、私は。
でも体調悪いから仕方ないか…
だめだ。まだクラクラする。

ふと左の手のひらを見てみると、そこには乾いた血の跡。
そっか。あの時、咳をした時に吐いた血か。
そんなに咳してたんだ…


「うぅ…ゲホゲホッ…」


止まらない。辛い。とても喉が痛い。
とりあえず、手は洗おうと思い頑張ってフラつく体で立ち上がり、保健室内の水道に向かう。
手についている血の跡を念入りに洗ったあと、(凄く冷たい)なんとなく備え付けられている鏡を見てみる。
そこに写っていたのは――頭に包帯が巻かれた私。

ふと見ると、右腕にも包帯が巻かれていた。
ケガでもしたんだろうか?いつしたんだろう?
倒れたときかな…


とにかく辛い。また近くのソファに倒れる。
今放課後だよね?
私は帰れるの?


そんな感じで考えていると、ガラッと扉を開ける音がした。
誰だろう。



「…巡音?」



この声。そうだ、きっとこの声は。


近づいてくる足音。
今、私は起き上がる気力もない。
でも、声だけでその人物は推測できた。



「…神威、先生」
「すまないな。抜け出そうとしたんだが、皆がうるさくてな…」



皆がうるさい…?
なんのことだろうか。
よくわからない。

…いったい、なんなのだろう。この不安は。


「…そう、ですか」


あー、もぅとにかく辛い。
頭はクラクラするし腕は痛いし。
喉も痛いし。
もう意味不明。

てかなんで私は倒れたワケ?
そんなに体調悪いの?
てか熱あるの?
体温計を取る気力もない。
息をするので精一杯だ。
しかも何この沈黙。
前はこんなことなかったのに。

あぁ、そうか。この不安の理由は…
私が少し、孤独を感じているからなんだ。
そしてその孤独を感じる理由も、気づいた。
その感情が、体に負担をかけていたのかもしれない。

でも、不安を感じる理由がわかっても。
理由がわかったって、不安自体は消えない。

その不安を消すために。
孤独の理由を知るために。
あの人に、聞かなければいけない。


私は、口を開いた。

「疑問」

「どうか、忘れないで」


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自分が書いたどっかの話の続編です。

投稿日時 : 2011/12/12 17:26    投稿者 :ゆるりー

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