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【がくルカ】memory【4】

少しでも長く。




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~ルカ目線~













それは、12月24日のこと。
世間では、この日はクリスマス・イヴだ。

本当は、私はこの日は一人で過ごす予定だった。
そのはず…だったんだけど。


『prrrrrr』


それは昼、一人でニコ動を見ている時だった。
近くに置いてあったケータイが鳴った。


「え?こんな日に誰だろう…」


ケータイを開く。



[新着メール・一件]



私にメールしてくる人は珍しい。
誰なんだろう?


[From:メイコ]


あれ?メイコからだ。
なんだろう。


[今空いてる?]


とりあえず「空いてるよ」と送ると、返事はすぐに返ってきた。


[よし、今から遊ばない?]





*





というわけで、駅前でメイコと会った。


「ごめんねー、無理言っちゃって…」
「いや、私も暇だったからいいよ」


どうせ一人で勉強かニコ動のつもりだったし、ちょうどよかった。


「まずどこ行くの?」
「本屋!!」
「何買うの?参考書?問題集?」
「ルカは真面目だねー…漫画だよ漫画!!」
「そういえばメイコ、漫画好きだもんね」






本屋に行った後、駄菓子屋に行き、そしてゲームセンターへ。



「わぁーここがゲーセンなのね…」
「へ?ルカ、ゲーセン来たことないの?」
「うん」
「そうなんだー」


メイコはいろんな機械について説明してくれた。
いろいろあるんだなぁ…

その中でも、メイコはクレーンゲームのやり方を教えてくれた。
でも私はとくにほしいものはなかった。
代わりに、メイコがやっていた。

メイコはボタンでアームを操作しているとき、私に言った。


「ほんとはさ、邪魔したら悪いかなって思ったんよ」
「え?なんのこと?」


私はよくわからず、聞き返した。
メイコは平然と告げる。


「てっきり、ルカは神威先生と過ごしてるんかなって」
「はい!?」


ちょっと待って。
意味がわからない。


「な、なんでそうなるの…」
「…だって、ルカと先生って付き合ってるんでしょ」
「え、そ、そ、そうだけど…な、なんで…」


それでも、なんでその考えになるのかが…


「なんでって…日本では、クリスマスは恋人と過ごすっていう人が多いし」
「あ…そういうこと、か」


そういうことか…


「で、なんで一人なの?」
「…それは、あの人は仕事があるでしょ…?」
「いやいや、メールでやり取りとかはしてないの?」
「一応メアドは交換したけど…メール送ってはいないかな」
「そっか。あんたは、遠慮してるのね」
「う…そういうことになる、かな」


ていうか、なんでメイコはそんなに私とあの人のことを気にするんだろう…
なんで?


「…って、メイコすごいな」
「え?そんなことないよ?」


気づけば、メイコは腕いっぱいにお菓子をかかえていた。
全部、クレーンゲームで取れたのかな…?


「メイコ…それ、全部…その…」
「うん、このクレーンゲームで取れたけど。簡単だよ?」
「難しいよ…」




*





メイコと別れ、家に戻った。
結局、メイコは「いっぱい取れたから」という理由でお菓子を半分くれた。
何これ、いっぱいなんだけど…

テレビをつけても、あまりおもしろそうなものはやっていなかった。


ふいになったインターホン。
時刻は気づけば夜九時。

誰だろうって思ってドアを開ける。
私は驚いた。


「…なんで」


そこに立っていたのは、紛れもなく彼。
普段は学校で白衣を着ている、あの人だった。


「お待たせ」
「お待たせも何も…呼んでないんですけど…」
「でもルカは俺に会いたかっただろ?」


彼はそう言って、少し微笑んだ。
全部、見透かされてた。


「それで…どうしたんですか?」
「今日はイヴだろ?イルミネーション、見に行こうと思って」
「え…ということは」
「そ。一緒に見にいかないか?」




*





駅より少し離れた場所。
立ち並ぶ木々に、綺麗なイルミネーション。


「綺麗…」
「だな」


空は曇っていないので、星は見えるかもしれない。
でも今は街とイルミネーションの光で見えない。

途中、メイコがいないかなと思ったけどいなさそうだった。
そういえば、メイコはイルミネーションとか興味ないと言ってた。
きっと今は、家でお菓子でも食べてるんだろう。

近くの公園に立ち寄る。
街灯もあまりない場所。でも、そのぶん星が綺麗だ。


「そういえば、どうして私と一緒にイルミネーション見ようとしたんですか?」


ふと口にした疑問。


「本当は、早くルカに会いたかったんだ」
「イヴだから?」
「あぁ。クリスマスぐらい一緒に過ごしたいと思ってたんだが…仕事があったもんで」


やっぱり仕事が忙しかったようだ。


「それでやっと終わったと思ったら夜八時半。で、ルカにメール送ったんだ」
「メール?」


そういえば、八時にメール来てたっけ。


「『今から会える?』って送ったのに返事が無いんだもん」
「ごめんなさい、たぶん寝てたと思います…」


熟睡中だったような。
幸せな夢は見れたけど。


「で、カイトが『何?ルカちゃん?』ってしつこくからかってきた」
「始音先生らしい…」
「あまりにもカイトがうるさかったから早めに切り上げてきた」
「それで私の家に来たと?」


いくらなんでも急すぎる。


「なぁ」
「なんですか?」


私は星を眺めながら返事をする。


「明日は休みだから、一緒にどこか行かないか?」
「いいですよ。クリスマスは空いてるので」
「そうか、サンキュ」



*




深夜、私は寝る前、に彼の最後の言葉を思い出した。




『明日は、少しでも長くルカと居たいから』


そっと、まだ新しいカチューシャに触れる。
明日、このカチューシャをしていこう。

きっと、彼もまだ新しいマフラーをしてくるだろうから。


「少しでも長く…」


そう呟いて、布団にもぐりこんだ。

「休日」

投稿日時 : 2011/12/24 23:58    投稿者 :ゆるりー

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