タグ:アンチクロロベンゼン
5件
また朝が来てしまった。
私は今日も学校へ行く。それが私の仕事であり、使命でもあるからだ。
「行ってきます」
特に返事もない。これが日常。
人気のない通学路を歩く。
自動販売機の前に、1人の学生の姿があった。
私は歯を食いしばる。
あいつはお兄ちゃんを殺した人だ。
あれは2年も昔の話になる。
この街...アンチクロロベンゼン
駄駿(Dashun)
とある日のリンレン。
リンはソファで寝ながら雑誌を読んでいる。
レンはゲームをしている。
「なあ、リン」
「何」
「パラジクロロベンゼンって曲あんじゃん?」
「そうなの?」
「知らねえの?アンチクロロベンゼンは知ってるくせに」
「アンチを知ってたらパラジクロロベンゼンも知ってると思ったら大間違いよ」...パラジクロロベンゼン
芙蓉
ルールは嫌いだ。
縛られることが嫌いだ。
だから僕は逃げる。
野良猫が一匹。
「何のために生きるの?」
野良猫は黙って僕を見下ろす。
私は、ただ走る君を見ている。
そして先程の野良猫にこう言った。
「私はすべて正せるよ。」
規則を破り、ぶちまける。...パラジクロロベンゼン・アンチクロロベンゼン【自己解釈】
禀菟
私達に本当の救いなんてない。
だって私達は所詮、同じモノに過ぎないのだから。
獣は獣しか傷つけることが出来ない。つまり、獣が人を傷つけることは出来ない。
でも同時に、人が獣を傷つけることも出来ない。そうしたいなら、同じ場所まで堕ちなければ。
そして堕ちた先と諦めた後、そのどちらかに救いがあるかなんて...<下・対称形>
翔破
不意に吹いた一陣の風に手元の楽譜を掠われ、少女は微かに瞳を細める。
「…ああ」
ぱさぱさ、と、音の無い筈の電子の世界に乾いた音が響く。吹き飛ばされた五線譜がその身を歪ませて立てた哀しい音だ。
その音の中に、少女は少年の姿を見る。
彼は叫んでいる。いや、彼は声を出してなどいない。それでも全身で...<上・共鳴形>
翔破