タグ:ボカロ曲二次創作
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番外編~新聞記者花田とトリノコシティ
「この人でなし!!」
札束を俺に投げつけ、走り去って行く女。
札束を手にしているのに、苦虫を噛み潰す表情になるのは俺くらいだろう。
「もう懲りてスキャンダルなんか起こすなよ…」
呟くように言った。
俺はただの新聞記者だった。
真実を写真に収め、真実を伝える。
そ...トリノコシティから始まるストーリー~番外編~
駄駿(Dashun)
最終話~そばにいて欲しくて
あの夜から数日が経った。
泣きじゃくる愛花を「よく頑張ったね…」と言い肩を抱き続けながら、僕は1つの決心をした。
まだ彼女には言っていない。
その前に片付けなければならない問題がある。
「おう、花田、久しぶりだな…」
「俺が記者で賞を貰って、そん時の祝賞会以来だな!!」
...トリノコシティから始まるストーリー~最終話~
駄駿(Dashun)
5~呼吸が止まりそうな閉塞感
僕は夜の街を走っていた。
それは少し前、携帯に掛かってきた電話が原因だ。
「もしもし?」
『あ、松田さんの携帯でしょうか?交番の者です・・・』
愛花が橋の上から飛び降りようとしたらしい・・・。
ただでさえ愛花との事がバレてしまって焦っているというのに・・・。
「はぁ・・...トリノコシティから始まるストーリー~その5~
駄駿(Dashun)
1~0と1とが交差する地点
僕は机の前の少女に話しかけてみる。
彼女からの返事は0に等しい。
「ほら、愛花。先生に自分の名前を言いなさい」
彼女の母親が急かす。
「・・・・・・」
僕の職業は臨床心理士。
臨床心理士(りんしょうしんりし、英: Clinical Psychologist/Certifi...トリノコシティから始まるストーリー~その1~
駄駿(Dashun)
3~トリノコシティから始まるストーリー
あの日の翌日。
僕ができる事・・・。
患者さんと患者さんの合間の時間にふと考えてみる。
愛花は今日、僕の家にいる。
トリノコシティが好きなんだよな・・・。
ふと、1人の患者さんの話が思い浮かんだ。
『皆東三久って知ってます?・・・いえ、知らないならいいんですけ...トリノコシティから始まるストーリー~その3~
駄駿(Dashun)
私はただの一夏の噂だった・・・。
夏祭りの明かりがゆらりと見える季節。
「裏山の小道のトンネルの向こうに古びた屋敷があって、そこに夜な夜な首を吊った女の子の幽霊が出るみたいだぜ・・・」
「おい、マジかよ、行ってみようぜ」
好奇心で立ち入る人達。
軋む階段、揺れる懐中電灯。
「おいおい、やっぱり出...幽霊屋敷の首吊り少女
駄駿(Dashun)
その日はとても寝苦しかった。
辛い日々、言いたいことを言えずに歯を食いしばる日々。
迷ってばかりで何も進まない。
そして前向きに生きることができない・・・。
不意にほろりと頬に涙が伝った。
その瞬間だった。
何かが弾けて、色とりどりの世界が目の前にあった。
そこには元気一杯の少女がいた。
歩き方から...セツナトリップ~ある日の夜の物語~
駄駿(Dashun)
4~昼と夜が交差する地点
あのライブから僕と愛花は家族の様な関係になった。
お兄さんいや、父親の様な関係だ。
このまま、養子にでもなってもらおうか・・・。そう考えていた。
そのためには愛花の過去を知らなくてはならない気がしてならなかった。
しかしそのことに触れようとすると、愛花は口を閉ざすのであった...トリノコシティから始まるストーリー~その4~
駄駿(Dashun)
2~過去最高速の夜
泣き疲れて眠った愛花の寝顔を見て、ため息をつく。
それは愛花の事が心配なのもあったが、自分の立場というのもあった。
自分は臨床心理士だ。患者にプライベートのことを知られてはならない。
電話番号、メールアドレス・・・。
ましてや患者を家に連れ込むなんて、即刻首が飛ぶ事態だ。
過去最...トリノコシティから始まるストーリー~その2~
駄駿(Dashun)
また朝が来てしまった。
私は今日も学校へ行く。それが私の仕事であり、使命でもあるからだ。
「行ってきます」
特に返事もない。これが日常。
人気のない通学路を歩く。
自動販売機の前に、1人の学生の姿があった。
私は歯を食いしばる。
あいつはお兄ちゃんを殺した人だ。
あれは2年も昔の話になる。
この街...アンチクロロベンゼン
駄駿(Dashun)
密室の部屋の中。
俺とあいつはテーブルを挟んで座っている。
あいつの手には、6連装のレボルバー式拳銃。
「な、なんだよ。何するんだよ・・・」
あいつはニヤッと笑っていった。
「ロシアンルーレットをしましょう」
「え?」
ロシアンルーレットってあの負けたら死ぬゲームか・・・。
「あなたのクズな所が気に...ロシアンルーレット
駄駿(Dashun)
番外編~芽衣子の初恋
私は鎖芽衣子。25歳アパレル会社OL。
何もかもが普通の生活。
私に恋を教えてくれたのは、あの人でした・・・。
7年前。高校三年生の時。
「ねぇねぇ、昨日テレビのさぁ・・・」
「あのアイドル、ちょ~かっこいいの!!」
クラスのざわめきも、本を見てれば聞こえない。
私は私の世界。...1925から始まるストーリー~番外編~
駄駿(Dashun)
最終回~約束
「ちょっと、何抱きついてんのよ」
「お前・・・なんで帰ってこなかったんだよ、心配したんだぞ!!」
涙が止まらない・・・。
アキバをうろつくオタクたちが「リア充死ね」と軽蔑の視線を送る。
「ここじゃあれだから、スタジオ行こう」
そうやって三久は俺の手を取って俺を引っ張る。
俺は涙を拭いな...1925から始まるストーリー~その6~
駄駿(Dashun)
5~俺に出来ること・・・
「ごめんなさい!!無理です!!」
俺は叫び声にも似た声を上げる。
メイコちゃんはビックリして、少し体を後ろに反った。
少しの間合いをおいて。
「・・・そう・・・ですよね・・・何やってんだろ私・・・」
メイコちゃんは少し嬉しそうに、そして泣きそうに頬を染めて言った。
・・・気...1925から始まるストーリー~その5~
駄駿(Dashun)
4~“ケジメ”
「うっ、うっ・・・レンくぅ~ん」
三久の涙で俺のシャツがにじむ、少し暖かい。
この状況どうしたものかな・・・。よし、この手があった!!
「よし、今日は夕食、俺が作ってやるよ」
「なん、で?」
なんで、って言われてもな・・・。
「ま、とにかく任せろ、な?」
「うん、わかった・・・」
少...1925から始まるストーリー~その4~
駄駿(Dashun)
3~Fの壁と急展開の日
・・・最近俺が俺じゃないのでは。と思ってならない事がある。
・・・これは洗脳だ、と分かったときにはもう遅かった。
「うぅ~Fコードが弾けないぃ~」
三久がまた根を上げた。
「練習始めてまだ20分・・・お前よぉ、1925に出てくる3番目のコードだぞ」
ちっ、最近の若い奴は・・・...1925から始まるストーリー~その3~
駄駿(Dashun)
2~ギブソンと下僕
あの事件から1日が立った。
「今日も憂鬱だぁ」
夕方の街中で呆然とギターをかき鳴らしている俺がいた。
しかも今日は1925縛り、余計身が入らない。
あの事件の日・・・
「とりあえず了解したからなんか弾いてみろよ」
「う、うん」
神妙な顔になりやがった、こいつ。
ぺこん。...1925から始まるストーリー~その2~
駄駿(Dashun)
1~1925から始まるストーリー
流れる雲の下、街の雑踏。
今日も俺はそこに立ってギターを握り歌を歌う。
家が今日差し押さえられた・・・。
仕事はしていない。
しいていえばストリートミュージシャン。
「いたいけなモーション~振り切れるテンション~」
いつも路上でやるときはこの歌から始める。
なにか(...1925から始まるストーリー~その1~
駄駿(Dashun)
「・・・こうして私はここまで来れたのです」
スピーチ中。周りは沈黙の中だ。
ここは大きな講堂、有名大学のだ。
俺は今、大きなネット企業の役員だ。
リア充・・・かというとそうでもない。
俺にはここまで来た理由がある。
ニコ厨だったあの日のことだった。
大学4年生、5月。部屋の中。
「ちぇっ、大学受かっ...ルカルカ★ナイトフィーバー
駄駿(Dashun)
病室から街明かり華やかエーテル・・・。
今日も私は麻酔によって眠りがもたらされている。
こうしないと夜が眠れないからだ。
魔の午前二時・・・。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
私は叫び声を上げた。
またあの子の首を絞める夢を・・・。
また医者がやってきて、麻酔注射が打たれる。またすぅーっと夢の中...炉心融解~メルトダウン~
駄駿(Dashun)
私は生きていく・・・。
今後も、そしてずっとずっと先まで。
ある人の魂と一緒に・・・。
朝起きてみると私は私でなくなっていた。
名前も思い出せない。
何も思い出せない。
・・・ただ一つ覚えていることがある。
私は自殺した。手首を切って。
そしてこの体に”リンネ”した、ということ。
だから私の名前はリ...リンネ
駄駿(Dashun)
また朝が来てしまった・・・。
僕はまた学校へ行くことだろう。それが僕の仕事であり、使命でもあるからだ。
「行ってきます」
特に返事も帰ってこない。これが日常。
途中の自動販売機、その前で飲めもしないコーヒーを飲み干す。
「今日も曇り空だ・・・」
空を見上げた。今日も一人。友達なんていない。
そう、あ...パラジクロロベンゼン
駄駿(Dashun)