タグ「Guild!!!」のついた投稿作品一覧(8)
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その部屋は、暗かった。
光の射さない暗い部屋。湿った石床。壁には深く鉄の輪が打ち込まれ、何本もの鎖がそこから伸びている。
一様に無骨な鎖は、部屋の中央の「それ」に繋がっていた。否、繋がっているなどと生易しい状況ではすでにない。
軽く10本を超える鎖は、部屋の真ん中にある「それ」を…1人の少女を、縛り...【小説】Guild!!! 1-8
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武装都市・バイアル。マトリアから直通で伸びている5番街道を通って、青の山脈を越えた先にある、小さな盆地状の都市である。
武装、などと物々しい二つ名がついたのにはいくつか理由があるが(その1つに勿論、治安の悪さによる市民の自衛意識の高さがあるのは間違いないが)、それはおいおい語るとして…
今はひたすら...【小説】Guild!!! 1-7
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…初音ミクと鏡音レン。
2人の物語が先へと進む前に、少しだけ時間軸を巻き戻そうと思う。
所はヴァーレーヌ。ギルド本部の置かれた極寒の地。
石造りの堅牢な要塞であるギルド本部では、その時、円卓会議が行われていた。
「それでは…鏡音家の動向について、『青』より報告を」
「はい」
凛とした声と共に、仮面を...【小説】Gulid!!! 1-6
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目の前でにこやかに笑うその人の顔に、私は見覚えがあった。
知り合い、ではない。その言葉はあまりにも、恐れ多い。
ギルド所属の傭兵ならば、誰もが一度は目にしたことがあるその顔。私のような術式を扱う魔術師にとっては、特に近しいその人。
たった5年。たったの5年で、ギルドの質をそれまでの数倍に叩き伸ばした...【小説】Guild!!! 1-5
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モンスターには総じて、コアと呼ばれる弱点がある。
モンスターの心臓にして唯一の弱点。人の握り拳程の大きさをした、真っ赤なルビーのようなそれ。
体内の奥深くに埋め込まれたそれを破壊しない限り、モンスターは全身を砕こうが頭部を切り飛ばそうが、確実に再生してしまう。
故に、モンスターを狩る傭兵達は皆、各々...【小説】Guild!!! 1-4
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…ミクさんに起こされる前、僕は夢を見ていた。
昨日は指輪が取り戻せるか心配でなかなかうまく寝付けなかったはずなのに、気づけば眠り込んでしまっていたらしい。
夢の中で、僕は懐かしい庭に立っていた。
色とりどりの花が咲き乱れる美しい庭園。端の方には白いクロムウッドの木で造られた東屋があって、その手前の芝...【小説】Guild!!! 1-3
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カーテンの隙間から差し込んでくる光に、私は目を覚ました。
ツインベッドの部屋。テーブルを挟んだ反対のベッドには、見慣れない金髪が眠っていて、私は一瞬混乱する。
えぇと…あぁ、そうか、彼が部屋を取っていないと言うから、一緒に泊まることにしたんだっけ…
一人納得して、私は大きく伸びをすると、ベッドから起...【小説】Guild!!! 1-2
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酒の臭いがする。
部屋中に充満した臭いは、汗や食べ物や何かもろもろの臭いと混ざり合って、最早酒の臭いと呼ぶのもためらわれるような様相を呈している。
空気は淀み、停滞し、人々の頭の上で渦を巻いているようだ。
明らかに許容人数をオーバーした人口密度の酒場。私は長いマントをさばいて空席に着くと、適当にテー...【小説】Guild!!! 1-1