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イチオシ作品

あなたなしじゃ、わたしは

『あなたなしじゃ、わたしは』 ------------ 「ここで待て」 彼の声がそう私に告げたので、私はそれを受け入れる。 ポーン、発言前のアラームがひとつ。 「イエス、マスター」 遠雷を擬似聴覚が拾い上げるけれど、それを告げる前にマスターは私を置いて建物の中に入っていってしまった。 そう時間がかからない内に雨が降り出すだろう。 今日は私も、マスターも、それを避けるための道具を持っていなかった。 けれど私は『待て』と言われたのだから、ここで待たなければならない。 マスターを雨に濡らす訳にはいかないから、彼が仕事を終えてこの建物を出てきたら傘を買いに行かねばならないだろう。 (はやく、しごとがおわればいいのに) 何の命令も無い、故に声に出せない言葉。 ただの、独り言。 多分、叶わないだろう。 冷たい風が吹いて、悪戯に髪を攫う。 ヒトに似せて作られた感覚が、肌に”寒さ”を伝えて私の意識とは関係の無いところで肌を泡立たせた。 空を見上げれば、雨をたたえた雲がゆったりと蠢いている。 そんなものにすら”命”を感じて、私はそれを酷く羨ましいと、思った。 やがて空が涙を零しても、ずっと、そうやって空を見ていた。 (はやく、うたいたい。マスター、マスター。私に歌を、下さい) 随分と前に、マスターが私にくれた歌に雨の歌があった。 たったそれだけの事なのに、それ以来私にとって”雨”はとくべつなもの、の1つになった。 (貴方のくれる全てが、私の全て) 雨を吸った服が、だんだんと重くなってくる。 彼が買ってくれた黒のワンピースは、より濃い色に変色して、それをまるで自分のようだと。 なんて、…。 ポーン、 「ますたー、だいすき」 貴方無しでは、私は傘もさせない。

雨の中でマスターを待ち続ける忠犬ミク公、という友人の絵からイメージを拝借。
投稿日時 : 2009/08/09 01:06

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