タグ「悪ノ召使」のついた投稿作品一覧(31)
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あなたならどうしますか?
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「カ―イ―ト―」
「起きないね。蹴ってみる?」
「いえここは落書きでしょう…ほら油性マジック」
「!?」
頭上で交わされるかなり不穏な会話に、俺は急いで体を起こした。
聞き覚えのある声。
でも待った、ちょっと待った。あの子たちはこんな会話しない!
目を開いた俺の目に飛び込んだのは、声から判断...悪ノ王国発売おめでとうございます
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「大丈夫、僕らは双子だよ…きっと誰にもわからないさ」
<どこかで間違えた召使>
リンをなんとか送り出し、僕は一つ息をついた。
よし、これであとはカイトさん達を待つだけだ。
「…ん?」
なんとなく鏡を見て、そこで僕は首を捻った。
…やっぱり、素のままっていうのはまずいかもしれない。
ちょっと...どこかで間違えた召使
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「忙しい人向け悪ノ娘NG集」
及び
「忙しい人向けかもしれない悪ノ娘」
を元にしてあります。
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運命なんてものの存在を、僕は信じていなかった。
でも、あの日。
「さあ、跪きなさい!」
馬に跨って高笑いする王女の姿を見て、僕は一目で恋に落ちてしまったんだ。
...悪ノNG使い
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彼女を愛した彼が、そうさせるのだろうか。
<造花の薔薇.16>
「なんでこんな事をしたのよ」
声を潜めて問うと苦笑が返って来た。
「何故と聞かれても、拙者自身余り良く分からないのでござる」
「は?」
「分からないのでござる」
「何よそれ…そんな事でメイコさんに剣を向けたの?」
呆れを通り越して戦慄を...造花の薔薇.16:side.ルカ
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嘘でも良いからさあ!
<造花の薔薇.15:side.GUMI>
「ううう…馬鹿、兄ちゃんの馬鹿っ」
私は、必死に通路を手探りしながら前へと進んだ。一歩毎に兄ちゃんに悪態を付きながら。
「ほ、ほんとにこんなとこあるなんて!ぎゃー!す、滑るぅ!」
多分長い事使われてなかったんだろう(もしかして初めて使わ...造花の薔薇.15:side.GUMI
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どうしてそこに希望を見出してしまったんだろう。
<造花の薔薇.14>
レンが、扉を開くために慎重に扉と壁の隙間に指を這わせる。
流石『隠し』扉、見つからないように徹底的に工夫されているせいでなかなか開くための取っ掛かりは見つかりにくい様だ。
「扉、開く?」
「ええと…ああ、やっぱり大丈夫みたいだ」
...造花の薔薇.14
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私は、許されても良いの…?
<造花の薔薇.13>
私は遂にその日が来た事を、駆け込んで来たレンによって知った。
儀礼なんて一切捨て去って必死の色を浮かべているその顔を見て、何が起きたのか正確に気付いた。
嬉しくも悲しくもなかった。
きっと私は、そればかり考えすぎて擦り切れてしまったんだろう。
「革命...造花の薔薇.13
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好きという言葉を真っ黒に塗り潰して―――それでもまだ、私は。
<造花の薔薇.10>
「人々に噂をばらまいたのね、ウィリアム」
「と、おっしゃると」
「レンが尋ねてきたわ。私が…カイト、さんに恋をしているのかと」
もう今更あがこうとは思わない。
最も、私の「恋人」候補のその男性、カイトさんに私がどれだ...造花の薔薇.10
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全てが、物語のように上手く行けば良いのに。
<造花の薔薇.9>
そんな最悪の再会を果たしてから数年。それでも私の生活はレンがいることで大きく変わった。
話す相手がいること。寄り掛かる相手がいること。それがどれ程慰めになるのか、私は身を以って知った。
少なくとも、私は笑うようになった。
たまには本当に...造花の薔薇.9
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食べちゃったお菓子、壊れちゃったガラス、すべて元には戻らない。
<造花の薔薇.8>
その日、私にいつもより豪奢なドレスが宛がわれた。
―――何かあるのかしら。
何も知らされていなかった私は、ぼんやりとそんなことを考えた。
大体、新しい衣装なんて次から次へと下ろされてくる。こんなに沢山必要ない、使い切...造花の薔薇.8
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何故、戻って来たの。
<造花の薔薇.1>
はあ、と溜め息をつく。
正直なところ書庫の本は読み尽くした。手持ち無沙汰というか…まあ何回読んでも面白い、いわゆる名作というものも確かにあるけれど。でもいかに素晴らしい本であっても、何百回も読めば流石に飽きが来てしまう。
―――外に行けたらいいのに。...造花の薔薇.1
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ねえリン。
生まれ変わりって、あると思う?
もしも生まれ変わりがあるとして、だよ。
どんな生を受けようと、僕は君を守ると思う。
だから、もしもまた兄弟として、いやそうじゃなくてもいい。
もしもなにかの縁でまた近しい二人として生を受けることがあったら―――その時はまた一緒に遊んでね。
君の笑顔が大好き...王国の薔薇.16
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気づかれなければ僕の勝ち。
<王国の薔薇.15>
「・・・さむ」
一人牢に放り込まれた僕は、僅かに身を震わせた。
身につけているのはぼろぼろに汚れたドレスだ。結局彼等は捕まえた『王女』に囚人服を与えることもしなかった。
面倒だったのか、用も無く王女に構う気がしないのか・・・なんにせよ、下手に飾り気の...王国の薔薇.15
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それが罪でなかった筈がない。
<王国の薔薇.14>
「扉、開く?」
「ええと・・・ああ、大丈夫みたいだ」
力を込めて、引く。
隠し扉は重いながらもゆっくりと開いた。
扉は厚く、防音もしっかりしている。ただ一つ声を通わせることが出来るそう大きくない穴は何の変哲も無いような装飾で隠されていて、それを外せ...王国の薔薇.14
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自分勝手なのは十分に分かってる。
<王国の薔薇.13>
遂に、人々の波は王宮まで押し寄せて来た。
もはやここにその波を遮るものは無い。今は城の外で様子を伺っている様だけれど、一昼夜もしないうちに攻め込んでくるに違いない。
流石に僕は慌てた。
急がないと、全てが台なしになってしまう。
とにかく、どうに...王国の薔薇.13
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そして世界は壊れる。
<王国の薔薇.12>
その日も、いつもと変わらず過ぎていた。
穏やかで贅沢な、閉じられた世界。
亀裂は急速に走った。
―――なんだろう。
急にざわつき始めた城内。真剣な、いや、恐怖感を漂わせた表情で口々に何かを喋る使用人や家臣達。
何かがあったのは分かった。
でも、何が・・・?...王国の薔薇.12
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誓おう。次こそは、と。
<王国の薔薇.11>
最近、各地で暴動が多発している。
そんな噂が王宮で囁かれ始めて数ヶ月が経った。
一昨日はあの街で。昨日はあの村で。果たして今日はどこで人々が立ち上がるのか。
緑の国の遠征に向かっているためにただでさえ少ない兵達は、あちこちで連続して起きる暴動に忙殺される...王国の薔薇.11
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覚悟しておいて。
<王国の薔薇.間章:sideメイコ>
父さんが死んでからというもの、私は物思いに耽ることが多くなった。
『憎むな』
父の最後の言葉を、何回も噛み締めたから。
どういう意味なのか。何を伝えたかったのか。
始めは無茶な話だと思った。肉親を目の前で、しかも理不尽に殺されて憎まないでいられ...王国の薔薇.間章:sideメイコ
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選んだことは悔やまない。
<王国の薔薇.10>
「美味しい!」
フォークでお菓子を口に運んで笑うリン。
僕はそれに黙って笑顔を返した。
「これ、レンが作ったんですって?多芸ね、あなた」
「いえ、褒めて頂く程では」
「謙遜なんてしなくていいのに」
無邪気に笑うリン。
その笑顔が―――今は痛い。...王国の薔薇.10
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光よ、彼女と共に有れ。
<王国の薔薇.9':sideカイト>
俺は彼女の笑顔が好きだった。
「カイトさん!」
久しぶりに二人で出かけた黄の国、その城下街でミクは子供のように笑っていた。
ああ、可愛いなあ・・・
俺とミクは、まあ恋人同士としてこの数年を過ごしている。
なんだかんだいってミクとの付き合い...王国の薔薇.9':sideカイト
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僕はあなたを裏切った―――
<王国の薔薇.9>
紙切れ一枚を渡され、僕は緑の国に渡った。黄の国の軍が緑の国に渡る少し前の事だ。
僕の役目は「彼女」を見つけ出し、「消す」こと。
唇を噛んでももう遅い。今更出来ませんと引き返したら即刻解雇、悪くて刑罰だ。最悪死刑。大逆罪だのなんだの、理由ならいくらでも付...王国の薔薇.9
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僕はそれに応えよう
<王国の薔薇.8>
ある時、一つの噂が国中を駆け巡った。
あの王女が恋をしたらしい、と。
なんでもその相手は海の向こうの貴族様。
彼は才色兼備で頭脳明晰、人々の信頼厚い聖人君子かとさえ思える方。―――とてもではないが、王女には勿体ない相手だ。
だけではない。彼には既に恋人がいるそ...王国の薔薇.8
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なのに、何故君は。
<王国の薔薇.7>
落ち着け、落ち着け、落ち着け。
何度も自分に言い聞かせる。
人々を変化させているもう一つの原因、それが処刑。
広場で、昼過ぎに、わざわざ人を集めた目の前での断頭刑―――晒しもの。
でもそれは今や普通のことで、日常茶飯事とさえ言える。
それはよく考えれば、一日に...王国の薔薇.7
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それでも、君を信じたいんだ。
<王国の薔薇.6>
リンは僕を忘れたわけじゃない。
僕はこの二年間、ずっとそう言って自分を励ましてきた。
たまに、そう、忘れたようにふと見せる無邪気な笑顔や優しい心遣いだってそうだ。全てが全て変わってしまったわけじゃない。
だけど。
だけど―――
「レン、ちょっと珍しい...王国の薔薇.6
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『さあ、ひざまずきなさい!』
<王国の薔薇.5>
『・・・レン様、戻って来たのですね』
視覚が混乱しそうな程華美に飾り立てられた、建物の一室。
僕は声をかけられて振り返った。
僕を「様」と呼ぶ、それはつまり僕の出生を知る人であると言うことだ。
そう―――僕とリンが双子だと知る一人。
『貴方は・・・』...王国の薔薇.5
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そして僕は彼と出会った。
<王国の薔薇.4>
あれは、何歳の時だっただろう。
どちらかといえば最近のことだったと思うけれど、僕達の一家は海を越えた隣国である青の国に行った。
青の国に行くのは初めてだったから少し楽しみに感じていた。
他の国で知り合った人から話だけは聞いていたけれど、実際かなり住み易そ...王国の薔薇.4
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ただ、淋しいとだけ。
<王国の薔薇.3>
リンと別れてからの数ヶ月は、まるで風のように素早くあっさりと過ぎた。
いや、単に俺がぼんやりしていたからそう感じただけかもしれない。
里親になってくれたのは役職で言うなら外交官の夫婦で、育ててもらった数年―確か六、七年だった―の間にいろいろな国を渡り歩いた。...王国の薔薇.3
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その記憶は光に満ちている。
<王国の薔薇.2>
『お二人はね、皆が待ち望んだお子様だったんですよ』
僕等が小さい頃乳母として面倒を見てくれた女性はそう教えてくれた。
『お生まれになったときには、お祝いに国中の鐘を鳴らしてねえ。私も嬉しかったものです』
『ねえねえ、アンネ!お母様のことをおしえて!』
...王国の薔薇.2
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彼女のことを忘れた日はなかった。
<王国の薔薇.1>
「しっかしレン坊もわからんなあ!よっくもまああの姫さんに仕えてられるもんだ」
陽気な庭師の言葉に僕はちょっと笑って応じた。
この人は気さくだから話していてほっとする。王宮は堅苦しい人が多いから、息苦しくなることも多いんだけど。
「まあ、意外とやり...王国の薔薇.1
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