azur@低空飛行中の投稿作品一覧
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11/5の歌姫へ
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下降 上昇 巡りて廻れよ
螺旋 遺伝子 記憶の階段
水泡 雨粒 始まりと終わり
連鎖 円環 生命の回遊
聴こえた泣き声 この手を伸ばして
届いて 届いて あなたの元まで
鼓動 響いて 炎を灯して
息吹 揺らして 産声を上げる
血潮 流れて 現し身を作れ
瞳 開けば 廻り出す螺旋...【動画公開】 螺旋遺伝子回遊路
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「メイコは行ったようですね」
背後からひっそりと掛けられた声に、彼は静かに応えを返した。
「終わったか?」
「ええ。・・・少し歩きませんか」
音もなく横に並んだ影に、黙って頷く。
一斉に、歓声の聞こえたほうを目指そうと流れる人々の間を抜け、さりげなく人気のない方へと足を進め、彼らが向かった先は閉ざさ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第25話】後編
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「・・・・・・これから、どうするの?」
「どうとは?」
何事もなかったように襟元を正しながら、青年が首を傾げた。
掴み掛かられたことを気にした様子はない。鷹揚というよりも無関心に近い、手ごたえのなさだった。
「国を挙げて動けないあなたが、ここまで密かに私達を支援してくれたことには感謝するわ。でも・・...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第25話】中編
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城の入り口付近は、人波でごった返していた。
外から城内へ踏み込んでくる解放軍はまだ引きも切らず、念願の王城陥落に興奮した声を上げている。
王女を捕らえよと城の奥を目指す彼らの合間、城の内にあって監視の目から逃れることが出来ずにいた下働きの人間や、王女の不興を買って城の地下へ投獄されていた人々が保護さ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第25話】前編
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草陰の秘密
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広間を駆け出ると、喧騒はいっそう大きくなった。
剣戟に入り混じる悲鳴と怒号で、耳がおかしくなりそうだ。
「兵はどうしたの!?」
誰ともなく叫べば、見知った家臣の一人が駆け寄ってきて手を伸ばした。
「リン様!この国はもう落ちます。お逃げください。さあ、こちらへ!」
「待って!離して!レンがまだ帰ってき...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第24話】後編
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王宮は斜陽の内にあった。
窓から差し込む西日は目を眩ませるばかりに輝き、幾つもの広間や回廊に立ち並ぶ無数の柱、その表面に施された細かな彫刻のひとつひとつまでも照らしながら、その後ろに迫る終わりを暗示するかのような長く黒い影を作り上げている。
その最後の輝きのような眩さに怖れながら息を潜める人々、各々...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第24話】前編
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全身にぶつかってきた鈍い衝撃に、ミクは身を硬くして息を詰めた。
網膜に焼きついた、空を切る刃の残像。
次に襲い来るだろう苦痛に、全ての意識を向けて身構える。
酷く長く感じる一瞬の後、けれど予想した痛みは襲ってこず、代わりに耳元へ届いた低いうめき声に、彼女は瞑っていた目を見開いた。
「え・・・?」
気...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第23話】
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「お前の、嫁ぎ先が決まった。ミク」
その言葉に、彼女はただ目を見張っていた。
思いもよらないことを告げられた驚きが、その表情には現れていた。
無理もないとカイザレは思う。
世の娘なら誰しも、特に貴族社会の娘ならば、年頃になれば真っ先に持ち上がるのが結婚の話だ。身分の高い娘ならなおのこと、本人よりも早...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【幕間】
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闇に荒い呼吸の音だけが響く。
首筋に押し付けられた刃の冷たさが、その存在を伝えていた。
振り向くことも出来ないままで、ミクは必死に背後の気配を探った。
「よく知りもしない場所で、正体も知れぬ者をひとりで追うなど、軽率に過ぎるんじゃないか」
刃よりも冷ややかなその声に、背筋が震えた。
弾む息を抑えて囁...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第22話】後編
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報告を受けた小競り合いは、大したことではなさそうだった。
二人の足が現場にたどり着く頃には、騒ぎの原因らしき兵士たちが、既にほとぼりも覚めて小さくなっていた。
騒ぎの内容が兵士同士のただの喧嘩なら、ミクが首を突っ込むような話ではない。
レオンが当事者の兵士たちを前に責任者と思しき上官から話を聞いてい...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第22話】前編
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「あの薔薇はボカロジア家だけが育てている薔薇よ。美しい純白だったでしょう。一族が誇る最高の美、そして親愛なる共犯者よ。一族に嫁いでくる花嫁を祝福して、結婚式で贈られる花でもあるの」
「共犯者というのは?」
何気なく問いかけたレオンの腕に、蔦のように伸びた細い腕が絡みついた。
動きを止めた男の肩に顔を...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第21話】後編
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束の間、和んだ空気を破ったのは、慌しい足音だった。
「怖れながら、申し上げます」
扉の外から響いた兵士の声に、辺りの空気が一気に張り詰める。
「入れ」
入室した兵の報告を聞いていたレオンが、ふと肩から力を抜いた。
緊張気味に様子を見ていたミクも、それに胸を撫で下ろした。
最も懸念する事態、小康状態を...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第21話】中編
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深き山路を尋ね来て 時雨を急ぐ秋の暮
枯れた庵の宿を乞い 恩に主の名を聞かば
声なき御簾の向こうより 白き手指のたおやかさ
差し出すひと葉紅に 散り急ぐかの鮮やかさ
伏寝に聴くは 琴の哀切 恋し哀しと 身を裂くばかり
想い焦がれる 心を映し 天泣くがごとき 雨滴に滲む
軒端 刈萱 珠結び
縁 結んだ...【曲募集歌詞】 紅葉狩(仮) 【和風ファンタジー?】
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戦況が動いたのは、それから間もなくのことだった。
『クリピアの本国で、民の暴動が起きているらしい』
どこからともなく、そんな噂が聞こえ始めた。
それはシンセシスの明暗を分けると言っても良い、重大な一報だった。
日夜もたらされる前線の報告に加え、巷に流れる埒もない噂までもつぶさに集めて、レオンは報告に...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第21話】前編
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戦場は陸路の国境にほど近い街だった。
美しい石造りが風光であった街は炎に煤け、あるいは崩れた姿を晒しながら、なおも戦火に耐え、その面影を留めていた。
その外れ、忘れられたように残されていた、かつての時代にもここが戦場であったことを示す古く堅牢な城が、戦の本営の置かれる場所となった。
戦況は圧倒的にシ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第20話】
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白く白く霞んでく
高く晴れた空の記憶(いろ)
失くした翼はまだ 風を切って飛んでいるのに
遥か 遠くへ
夢見る 彼方へ
閉じた部屋に眠ってる
光を抱く君の夢
飛べない私の背は 夜を数え待っているのに
扉 開いて
この手を 掴んで...【応募歌詞】 Fly high
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いざ 謡え 菜摘みし乙女
千早振る 神代の謡い
雲湧き出づる地の 遥かな夢
霞棚引く 稲田の波はさざめき
渡る風が運ぶ 別れに嘆く声よ
この身に代えて守らん
八谷に身を渡して猛る荒神に
命を御柱に巡る一年の
幾たび 荒魂鎮め 重ね
儚き命の花は 散りゆく ...【採用歌詞】 クシナダ 【日本神話】
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「レンから離れて!」
何人をも従える澄んだ声が、光の溢れる庭園に響く。
幼ささえ残るその声は、今日までお気に入りの青年に向けて。
陽光に眩く輝く金色の髪を揺らし、足早に近付いてくる少女の歩みに、向かい合うように対峙していた二人が場を譲るように退いた。
割り込むようにして二人の間に立ち、リンは大きく息...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第19話】後編
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「指輪を返してくれないかな」
そう言った男の顔には、常と変わらない穏やかな笑みが浮かんでいた。
まるで紅茶のお代わりを頼むような気軽さで、この王宮に数多ある中庭のひとつに据えられたテーブルセットに寛いだ様子で頬杖を付いたまま、彼は呼び止めた召使の少年に声を掛けた。
「何のことです」
前置きもなく告げ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第19話】中編
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「王女様」
呼び止める声に、リンは振り返った。
視線の先には人気のない回廊が、歪みなく続いている。
柱越しに続く内庭の方にも視線を漂わせるのだが、やはりそこにも声の主と思しき姿はおろか人影ひとつも見えなかった。
奇妙なほど静まり返った周囲に眉を潜め、視線を先に戻そうとして、リンはぴたりと足を止めた。...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第19話】前編
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ひいらり 花陰
綺羅の翅 休め
胡蝶はまどろみ
夢に遊ぶ
ひいらり 花びら
ひとひら 流れて
胡蝶は戯れ
庭に遊ぶ
夢見る あの庭
幼い指先...【歌詞応募用】 胡蝶の夢
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鍵をかけて閉じ込めた
それを【愛】と呼ぶのなら――
花に宝石 魔法の言葉
微笑み浮かべ交わす口付け
あなたは与え 私は奪い
奪いつくしたその果てに
鍵を掛けて閉じ込めて
時々こうして会いに来るわ
玻璃の檻に囲まれて
二人で眠れば幸せでしょう?...【曲募集歌詞】 Closed Love 【アーサー王物語より一幕】
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「公子」
先触れもなく現れた影が、足元に膝を突く。
待ち構えていたように、カイザレも前置きを抜きに要点だけを短く尋ねた。
「戻ったか。どうだった?」
「近隣三つの村が焼き払われました。娘だけは助けられましたが、他の村人は・・・」
手短に報告するハクが、歯切れ悪く言葉を切る。
彼女は確か父親がいると言...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第18話】
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それぞれの花を手に みんなで歌ったサヨナラ
今日 晴れて良かったね 眩しいこの日を忘れない
泣きそう、でも笑って
溢れるくらいの約束と『ありがとう』『がんばって』
アルバムに寄せたメッセージ
最後に残った空白は ちょうどひとり分
どんな言葉をくれるのかな もしもね 君なら・・・
今日という日を境目...【曲募集歌詞】 告白ラストチャンス 【卒業ソング】
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待ちかねた勅使の帰還を告げる報告に、ミクは謁見の広間へと駆け込んだ。
いきなり飛び込んできた公女に勢いよく詰め寄られ、驚いた顔の勅使が後ずさる。
「こ、公女殿下・・・!?」
「お兄様は、何て!?」
「は、いえ、詳しくは大公閣下に・・・」
「お父様は今、臥せってるのよ!言葉なら私が伝えます!」
それこ...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第17話】後編
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王宮へ戻ったカイザレを待ち構えていたのは、不機嫌さを隠しもしない王女の姿だった。
自室に戻る間もなく呼びつけた青年をねぎらいもせず、気に入りの長椅子に凭れた少女が、険を含んだ視線を向ける。
「随分と遠出だったようね。城下ならまだ分かるとして、辺境の村にまで何の用だったの?」
その言葉に、カイザレは訝...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第17話】前編
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落日の丘 君の肩越しに
見晴らす街の ありふれた日々が
やけに滲んで 胸に押し寄せる
それは薄闇に似た 予感を告げて
穏やかな夕べに捧ぐ祈りに
変わらぬ明日を願う
切なる声を誰が聞こう
金色の火よ 世界を染め雪崩れゆく刹那の時よ 去りゆくな
銃火の音は未だ届かず 災いの時は未だ遠く
やがては至る轟き...【曲募集歌詞】 黄昏神話 【ご自由にお使いください】
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「せっかく訪ねて来てくれたのに、何のおもてなしも出来なくてごめんなさい」
「構わないで良い、こちらこそ急に訪ねて失礼をしたね」
申し訳なさそうに謝るメイコに、突然の客人は笑って首を振った。
その貴族然とした振る舞いと同時に、不思議なほど拘りのない鷹揚さは、以前に押しかけた離宮で会った時と何ら変わる様...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第16話】後編
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「公子に、伝令?」
「本国より至急の知らせを預かっております。恐れながら、殿下へのお目通りを願いたく」
謁見の広間に張り詰めた男の声が響く。
公子の故国から火急の知らせを携えてきたというその勅使を、玉座の王女は気のない様子で見やった。
当の公子は、またぞろ町や都市を見たいと言って城下に下りている。
...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第16話】前編
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めでたや 明日はお館の めでたやあすは おやかたの
末の姫様 十六の すえのひめさま じゅうろくの
待ちに待ちます お嫁入り まちにまちます およめいり
ひとつ 緋色の彼岸花 ひとつひいろの ひがんばな
日も暮れかけて 迷い道 ひもくれかけて ...【曲募集歌詞】 十かぞえ唄 【(むしろご自由にお使いください)和風わらべ歌】
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青の夢
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■1番
★Aメロ
窓の向こうには いつか見た景色
ゆっくり流れゆく 夏の昼下がり
刻(とき)を巻き戻す 古い汽車に揺れ
トンネル 山越えて あの日へと抜ける
★サビ
あれは遠い 夏休み
祖母の待つ田舎へ 初めての冒険
■2番...【偏詩募集歌詞応募用】 あの夏の日 【ノスタルジー倍増中】
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「ボカリアへ・・・?」
「――・・・父が倒れたと知らせが。容態が思わしくないそうなのです。看病に戻ることをお許しください」
母国からの知らせを携えて、玉座の前に跪いた王妃は暇の許しを願い出た。
深く顔を伏せて、王の返事を待つ。
僅かな間に痛々しいほど憔悴した姿は、彼女こそが今にも倒れそうなほどだ。
...「カンタレラ」&「悪ノ娘・悪ノ召使」MIX小説 【第15話】後編