人魚姫 王子side 覚書
王子の16歳を祝う祭りは船の上で行われていた。いくつもの旗が翻り、夜空に花火が上がり、それはそれは見事なものだった。
ところが、突然やってきた嵐により王子たちの船は砕け、海に投げ出されてしまう。
意識を失った王子は(人魚姫に助けられ)、隣の国の浜辺へと運ばれた。次に目覚めた時王子の近くにいたのは、修道女の姿をした隣の国の姫君。王子はすっかり彼女が自分を救ってくれたものだと思い、またその美しさに一目ぼれをする。
王子はその姫君を(花嫁修業とは知らず)修道女だと思いこみ、かなわぬ恋だとひとり悶々とした日々をすごす。そんなある朝、王子は城の階段に倒れている裸の娘(=人魚姫)を見つけた。
何を聞いても物を話せない彼女を哀れに思い、王子は城に連れ帰った。拾った娘は夜の席で、とても美しい踊りを見せ、王子は彼女を気に入って、そばに仕えさせることにした。