ねこみ(cat nap)の投稿作品一覧
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くるみの匂い
卵の宇宙
昨夜の雨
布団に置き去り
寒い気がするけど
変な色のセーターで
太陽を誘い込む
手を繋いで
足並み揃えて
口笛吹けんけど...朝が来たよ
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何か言いたげに首をかしげる
茜色の頰 なんて美しい
白すぎる手に温度を分けよう
いま息を吸ったの
悪口の言い方もわからないのに
可笑しいひとだ
そのガラスの瞳に
映るぼくがきっと
ほんとうのぼくだ
ふたりにしかわからない言語で話そう...エー・アイ
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脳みそがむずむず
景色吐き出したなら
おもっていたより
しらない世界
だれかが
あなたが
色をつける
銀の道も
にがい涙も
ひとつずつ越えて...息
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甘ったるいココア
湯気のむこうずるい息
甘ったるいアクア
泡のむこう隠し味
爽やかなような
泣きたいような
夜はひとり
ひとりの夜
前髪伸びたまま
パジャマゆるいまま...ココア
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舌打ちした舌から
生えた芽は
悠々自適に
懐かしさ語る
あの日ピンクのパジャマで
ティンカーベルみたいと笑った
栗色の髪なびかせ
かぼちゃの馬車は
メリーゴーランドね、
くるくる回って...cocoon
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初恋の匂いに
油断しきっていた
降りそぼる雪は
毛糸のようだった
海の蛍は
とても儚くてくるしい
来る日も来る日も
糸織り数え
紡いだ末路は
はじけて消えた...はぐくみ
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ひたすら続く長い道を
ひたすらゆくのさ、ぼくら
たまに拾う
うさぎの流星群
チョコレートの石
手のひらでもてあそびながら
白い息にきみが笑う
小さな声でひそひそ話す
包(くる)まれたなら
解き放たれたなら...cream
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台風の日の海みたいに
月光まぶしい夜みたいに
ヒールの高鳴り、微笑
兎にも角にも
ウサギにツノはない?
坂をふたつくだり
三段あがれば
きみだけが知ってる
あの場所
黒い面影...赤い路地裏
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シフォンの生地が
ゆっくりほどけていくように
白湯に満月をといて
くるくるかきまぜる
オセロ盤の上
優勢なのはきみ
ハッとさせられたジンジャー
軽い気持ちで飲み干せば
憂鬱も嘘みたく消失さ
駆け引きは苦手なんだよ...ginger
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ビルの影から
のびた煙突
紫の湯気と
魔性のうた
今宵も
聴こえるかい
街の七不思議のひとつ
クラシカル・スパより
愛を込めて
肩まで浸かれ...Classical Spa
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まばたきのたび
陽がまた落ちる
そばにあった火照りは
ゆっくり沈んでいく
息をつくたび
夜が近づく
やかましかった声は
ゆっくり融けていく
カーテンの向こう
しらない画家の...白い夜
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あくびしたから
濡れた枕
外の静けさ
しんと光る
天気予報が
嘘をついて
星が降ったことも
嘘になるのか
身体が沈む感覚を
虚無に倒れるそのわけを...雨の休日
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7日前から
のどにつかえる
微かないがいが
いつ消える?
カプセルのなか
甘い蜜とちいさなわたし
だまされたふりをして
うずにとけてゆく
どうか
あなたからゆるして...偽薬
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30分間
ずっとまってる
きめたのはわたし
泣いたのもわたし
ひどい目にあわせてごめんね
ずっとだいじにするためなの
ゆるして
シャボンですくって
いつかのよごれとけたら
あの日思い出して笑う...真白マシュマロ
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白い海に
きらきらの粉
きみがやってた
眠れぬ夜の飲み物
のびっぱなしの髪
週末きろうかなあなんて
だれもいないのに
沈殿しないよう
注意深く
みつめてるよ...眠れぬ夜の飲み物
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やさしいのがすき
色も声もしぐさも
やさしいのがすき
服も顔も風向きも
とばっちりうけて
痛みたくないから
いつもできるだけ
ゆっくりかんがえる
おそるおそる手にとった
やさしいひみつ...天然由来
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ゆっくりむしばまれる
つよく目をつむって
3回唱える
(あいわなゆ、あいわなゆ、あいわなゆ)
ねえどうして
だれかといたって
ひとりな気がするのに
ひとりのときは
こんなにあったかいの
ぼくがいるからだよ...やわらかなともだち
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シューベルトみたいだね
あなたの心音
軽すぎるクラッカー
粉々にとけてった きのうの声
sink ことばの森で
海の向こうの夢 つづきを夢見る
sink 間違う旅で
さすらうひとの羽根 持ち出して逃げる
かわいくないテディベア
だれかの戦友...sink
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ぴったりな洋服に
いまだかつて出会えない
なんだかいつも
ゆらゆらの身体
借り物だからしかたないか
あやうくはじける
瞬き ミドリ
うれしくって
見えないしっぽ振ってる
大それたことはいわない...≒
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月は見えない
雲が霞んで雲隠れ
がさ、ごそ
夜露が笑ってる
星は取れない
手首傷んで涙声
さら、さら
流れる長い髪
凪いだ金色
紡いだ揺らぎ...13日のきんようび
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赤と白の線が
どこまでもつづけばいいな
赤が多めと白が多めどちらがすき?
どちらもいいよね
なかなかあつくて
ほどほどけむくて
でもしあわせ
泣いてもいいよ
円のむこうがわ
すきなあなたと...円のもくもく
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一歩目もうまく出せない
からだは貧弱で
バックアップ失敗つづき
蔦にからまって
靄も濃くなって
どんどんどんどん
ハイになっていく
おかしなわたしに
トマトジュース、真っ赤なの
笑ったときのやえば...おぼれル
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チョモランマ登りに来たのに
ヤッホーなんて気分じゃないよ
叫んじゃいそう
林檎が食べたい!
カジノで一発当てよう
名誉は売ろう
身体は健全です、よい子はマネしてね
そんなことはどーでもよくて
もう夜は寒くて
なんかさみしいよね...パプリカ
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じぶんのものじゃないみたいだなあ
ずっと風に揺られっぱなしで
確かに地面踏んだだれかのローファー
雨雲からまって動けない
暑さ忘れたころ
ふと気付く
生まれたときからまちぼうけ ああ、
夕凪さらって
朝露のんで
ひとつずつ清らかにしても...やけど
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かよわいおんなのこ
演じるのはいとも簡単
しらないふりして
ふらふらするだけ
拾った青い雪
まばたきしたのね
呼吸のしかた どうだっけ
脱皮したとたん
全部わからなくなって
海の底 途方にくれる...やわらかい殻
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もしもし、そろそろおなかすいた?
もう28時だもんね
なにか作りましょう
丸い冷蔵庫
取り出したのは
趣味の良い台詞
枯れかけの薔薇
びっくりしそうな愛の底
わたしは
天才的なナイフさばきで...ヘンテコきっちん
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モノクロの天井
夜中の匂いに目をさます
布団に入るまえ
途切れかけの鼻歌
なつかしい気がした
すこしも思い出せないけど
うつつを抜かした閃光が
体温を冷ましてく
あなたはどこ
なにもみえない...よるのひかり
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チョコレート
1㎜ずつ嚙る
痺れた舌が
甘さに飽和する
愛想笑いに愛想を重ねて
白い仮面は大理石
しらないだれかの夢をみた
頰にレモンの泡
永いよるも終(つい)よ
瞬く間、漣...アネモネ
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ずっとねむっていたから
クマになっちゃいそう
天井は画用紙
すきに色塗るの わたし
シュークリームがたべたい
ああそうね
あの日から
はだのにおいだけ
口のなかにひっつく
甘ったるいくらいの...シュークリームがたべたい
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新発売の口紅
手当たり次第試して
店中の赤を
くちびるにひとりじめ
そんなひとだ、彼女は
雲をつかむように
一瞥してはにかむ
それだけでいいなら
もうやめよう
なにが正解で...中華街の女
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陽炎におはよう
指で辿った閃光
着いた先は深海
窓辺に恋する
昨日のスカートのほつれ
そのまま保護してきちゃったや
海に浮かんだ信号が
青になったとき
せーので
堕ちるのだ...海に浮かぶ信号機
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ふしぎの国
赤い服は
いつかあの果実に
ゆっくりと
ポーズをとる
息を整えて
精神統一
あああの子のつけまつげに
特にいみはない
あああの子のお団子ヘアに...杏仁
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どこもかしこも
浮かれている
昼に開けたピアス
耳が熱い
ほっぽりだした時間は
そのうち追いかけてくる
それでも
くるしいおもいと
まぶしいにおいと
ぜんぶひっくるめて...花火をみにゆく
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つり目のあの娘は
いつも世の中を
ぜんぶ知ったかのよう
黒のワンピース
赤のネイルがよく映える
背すじピンと
前を見据えて
逞しいヒール
懐かしいね、おまじない
手つないでにこにこした...トゥインクル
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ひきだしから
星のペンギン
あの子のリボン
夕陽の幻影
つまらないことは
川に流して
沖の魚が
笑ってる
そんなにたくさん?
もちきれないよ!...わがまま