purin

おおげさな飾りは
なにもいらない
なつかしい甘さとふしぎ
わがままなこころ少々
それだけ

木蓮

賞味期限が100年すぎたグラニュ糖
すこしほぐれた粒
いまはない海を漂ってる
水かきの名残の手で
コーヒー飲むぼくら

latency

しっているようで
なんにもしらない
それでいいよ
このうえないもの
ぼくらきづいてる

懐柔

きみが夕方くれた水
ソーダだった
ぱちぱちするからわたし
どうにも目が冴えちゃって
水滴に映る

おかしなほんと

白い天に
影が遊んだら
ひとつ、ふたつ
花が落ちる
ねえやっぱりね

さざ波

ぼくの窓から
きみの星が
きみの波から
ぼくの愛が
つながって

スペース・キー

どうしてわからなかったの
夢見にあなたはいたのに
はじめて逢ったその羽根は
するりと透けて溶けてった
水面の足跡

春はいつ？

あられって漢字で書ける？
ポップコーンつくりたいよね
セーターの毛玉とってあげようか
ぽつぽつ加湿器のつゆ
さいしょでさいごなら

あさのひかり

モーニン・モーニン
どっかいくんでしょ？
ならわたしの声もつれてって
青だったポンコツ
歌いなれたカーペンターズ

あかとあお

へたくそなはなうた
近くからきこえる
なにもないところから
さかなをとりだすみたいに
塗られていく

ネス湖の宇宙にて愛を

ああ引力で傾いて
あたまのなかの宇宙が出てゆく
さよなら、気が向いたらまた
ちへいせんずっとみつめて
そのまま一周したら

レンゲと救世主

意気揚々で入店
耳にタコなチャイム
けいふぁ・甜麺・XO
だれといたいんだろう
メニューなぞるひとさしゆび

なまえなんていらない

宇宙からのひかりで
ぼくらは生活をする
あの星から見れば…って
おかしいね
行ったこともないのに

ふつうだ

粒らでゆるやか
それさえあれば
柔くてなめらか
なかなかどうして
手をつないだって

ovo

ここは安心
でも目をつむってはだめ
化学のにおいのしない水
火にかけて みつめておく
並んだ白いまる

i

曖昧な回路の先 こたえは何処だ
好奇心の波のなか まちがいやしない
音を泳げ 流星群と駆け抜けるのだ
毛布の匂いと夢の温度 迷わないの ふしぎね
夏の風みたい きみは変幻自在

さんらいず

ストーブでぬるくなった部屋
思った色じゃなかった
へたくそなマニキュア
シンナーとほこりの匂い
またふやしてしまった

unknown train

ああわたしかわっちゃったの
安い缶詰めみたい
アポロの記憶もあいまいで
どっちがピンクだっけかな
いちいち報せないよ

はあと泥棒

風呂敷に星くず詰めて
適当に巻いて夜を駆ける
ああ あの黄色い屋根に
きみは住んでる
足音で気づいて

お邪魔します天国

天国は
いい匂いがするのかな
嗅いでみたいけど
しんでみなきゃ行けないから
むずかしいよね

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な みだ
星のスープ掬って
甘い味した
さみしい
うれしい

slow snow dance

時計の針が零時を指したら
銀河のふもとにて落ち合うのさ
待つのがすきなくせして
待ちきれないそぶり隠せない！
落ちつかない背中とコートの裾の花

寒暖差マーチ

あったかくてほっとしたら
なみだでてきちゃった
冬の日曜日
あしたから雨みたい
外に出てびゅっと風吹いて

朝が来たよ

くるみの匂い
卵の宇宙
昨夜の雨
布団に置き去り
寒い気がするけど

エー・アイ

何か言いたげに首をかしげる
茜色の頰 なんて美しい
白すぎる手に温度を分けよう
いま息を吸ったの
悪口の言い方もわからないのに

息

脳みそがむずむず
景色吐き出したなら
おもっていたより
しらない世界
だれかが

ココア

甘ったるいココア
湯気のむこうずるい息
甘ったるいアクア
泡のむこう隠し味
爽やかなような

cocoon

舌打ちした舌から
生えた芽は
悠々自適に
懐かしさ語る
あの日ピンクのパジャマで

はぐくみ

初恋の匂いに
油断しきっていた
降りそぼる雪は
毛糸のようだった
海の蛍は

cream

ひたすら続く長い道を
ひたすらゆくのさ、ぼくら
たまに拾う
うさぎの流星群
チョコレートの石

赤い路地裏

台風の日の海みたいに
月光まぶしい夜みたいに
ヒールの高鳴り、微笑
兎にも角にも
ウサギにツノはない？

ginger

シフォンの生地が
ゆっくりほどけていくように
白湯に満月をといて
くるくるかきまぜる
オセロ盤の上

Classical Spa

ビルの影から
のびた煙突
紫の湯気と
魔性のうた
今宵も

白い夜

まばたきのたび
陽がまた落ちる
そばにあった火照りは
ゆっくり沈んでいく
息をつくたび

雨の休日

あくびしたから
濡れた枕
外の静けさ
しんと光る
天気予報が