吹憐の投稿作品一覧
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曖昧なバラアド 君は風化した
甘い金木犀の薫りで
投げ出した指を包まれたなら
やがて静かに眠るんだ
雨上がりの土の下で
多分 待っていた
春先の日に似た温かな
君の爪先を
誰かに捧げてしまえるような
柔らかな心なら...グレイゲイト
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それはそれは他愛のない
影を踏むような罪悪で
きっと本当は悪でもない
ありふれた何かだったのです
歪む楕円の両端に
指を差し伸べてみたならば
空を狂わすような魔法に
僕はなれでもしたのでしょうか
天気雨が降る
きっとすぐに降る...対岸の雨
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さようなら、と囁いた夜に
鐘を鳴らした貴方が
散らばった私の欠片を
集めてくれるような気がして
足音を立てた
朝焼けに掻き消されないように
静かに歌った
風に残らないように
Merci Merci
身に余る幸せを...路地裏の少女
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葡萄の色が染み付いた、左のこころ
抱き寄せてくれないか、なんて嘘だけれど
せめて三日月みたいな爪で、優しく引っ掻いてくれたら
忘れ難い何か、に、成れる気がしている
掠り傷の隙間から
呼吸が抜け落ちて
相対する貴方へと
浅い鼓動で近づく
取り零さないで、落とさないで何一つ
その爪を汚した紫でさえも...白罪
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緑の蔓も鳥籠にして
白鳥の羽根を飼うんだろ
二階の窓から眺める空は
僕と同じに青いかい
ねえ 囀ずっておくれよ
一言で構わないから
衣の擦れるような緩やかな速度で
声を落として
ハロウ、ハロウ、ウィジー
本日窓辺にて...窓辺のウィジー
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絡めてはほどいて意味を探す
指先に一筋の紅を散らし
燦々と君に降る光を掻き分けて
他愛ない笑みで
射止めては癒して愛を翳す
口先に一癖の黒を溶かし
刻々と君と在る時間をなぞりゆく
ぬかるんで微笑
初めましての夜からずっと
熱に浮かされたままだから...蜜と毒
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浅い夢の淵をふらふらりくらり
歩いてゆく夢を見て幾、幾夜
遠回りな羊の声に止めた足を
褪めた色の魚が潜り抜ける
いついつまでも君を胸に抱いて
世界の目を眩ませてしまえたら幸せだね
研ぎ澄まされたエメラルド・グリーンの
その眼差しに溺れて終わりたい
刻々と流れていく
この情を何と呼べば愛に成るの?...地下翠
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此の世の白は盗まれた
月の去り際 午前四時
黄昏色の朝日が昇る
此の世の白は盗まれた
国王陛下は手を叩き
捜して参れと命じたが
極彩の世に目を眩ませて
兵隊達はひれ伏した
彩の恵みに祝福されし
光鮮やかな我らが国よ...彩ノ国
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両の眼をX%
声にならない速度で開く朝
どこかへ行けそうな気がしている
土星が飛んでいく夢を見たよ
始まりなんてきっと小さくて
手のひらには残らなかったんだろう
それでも確かに触れていたんだ
だから今がここにある
彩度上昇、天は良好
どこまでも見渡してゆける...シャッターワールド
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群青の幕が去り
明星の目が開くころ
愛しき人よ
君は生まれ出づる
その右手に剣を持って
白金の髪を梳き
証を結びつけたもう
戴冠の朝
君は生まれ出づる
その左手に愛を記し...夜明けの戴冠
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誰かの落とした傘を差して、あの遠い銀河へ星を抱きに行くの
こんなにも眸は結び合うのだから、きっと呼び合えば手だって繋げるでしょう
藍色の大気を跨いで歩く、私の爪先に何が灯せるの
願いならばあの流星と沈んだから、もう君が涙して指を組むことはないの
窓際で朝を数えて待っていて、金の星で薄い硝子が破れるま...天涯より
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Fall in love
ぐるぐるって落ちて
真っ逆さま あなたの手のひらまで
時計の針はチックとタック
今日もアクセク 三時がすきよ
あまいお菓子はここにはないの
だから探しに行きましょう
兎の穴にはケーキとフォーク
こぼすドリンク わたしのものよ
あまいお菓子がまだ足りないの...Fall in love
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潜めておいて その眼の深いところに
僕の胸の奥の琥珀
途切れた声の 先に祈りを置き去る
浅い夢の泉で明日
誰のものでもないのなら
あの歌を頂戴?
手も足もすべてあげる
君が望むのなら
与えられて涸れてゆく
掬い取る指の隙間から 一筋...水深36mm
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綺麗な手で辿る砂の上に
私は置き去った
誰かのこと
結び合ったつもりの糸からは
何も感じ取れず
足を止めた
初めから夢だったんだ
そんな言葉で継ぎ接いで
息をするのは誰?
私のことだよ...紡錘
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溢れた言葉も
零れただけだと
泡にして 泡にして
ほらもう浮かんだんだ
形を成しても
器になれない
漂って 漂って
青いせかいを飲んだ
他に何もないような
何かでできてる...鯨と感傷
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朝焼けの色で君の船を塗った
森に降り立つ日まで元気でね
こそあどの鳥はもう鳴いたのかい?
良いことがあった日の横顔だね
爪先の春はここへ置いてゆけ
帰りつく場所に必要なものさ
拾い上げても微笑まないのは
幸せだからと言ったらどうする?
朝焼けの色で僕の指を塗った
懐かしい町で出会うまで元気でね...さよならリトラノクラム
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アモルナ リオーナ
聞かせておくれ
金の小鳥の独り言
生まれなかったお伽噺は
いつの夜明けに歩き出す
テルミア ルガート
教えておくれ
シュガーポットの片隅で
囁くならば時計の針も
立ち止まるような不思議な話...小鳥売りの歌
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目覚める前に僕ら
何を約束したろうか
唇にのせた歌を
枷のように重ねあって
夢見る日々に僕ら
何を誓っただろうか
爪先に絡む水で
真っ白に溶け出すその有無
いつから生まれていたの?
不意に鼓膜を震わせて...神様のいない庭
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春夏秋冬天上天下
胸に忍ばせて君に逢いにゆく
今日も晴れの良い天気です
だからたくさん話しましょう
花が咲く 鳥が飛ぶ
風が鳴る 月が出る
ひとつずつ紙に包んで
君に広げてみせたくて
綺麗な世界で息をしていること
忘れていない...花纏
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君が生まれたそうなので
会いに来てみたところです
目印のない一本道は
長くもなかった気がします
君が泣いてやまないので
抱き上げてみた所存です
改めて見ればいかにもどうも
温かいので当然です
綺麗な目をしているねとか
可愛い手をしているねとか...あおいひつじ
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私に接吻ける貴方のこと
ずっと前から嫌いでした
木星が騒ぐ夜に目を覚ます
引き出しの青いペンで日を記す
所詮は人目に晒すまでもない
ありふれたララバイですからして
閉ざす
貴方はきっと知っているのだ
私が風船でできていること
誰かの吐いた空気を今日も...融呼吸
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[A]
レウティ・ロウラ アンディ・レミニ
レウティ・ロウラ シェルタ・ティエミ
レウティ・ロウラ アンディ・レミニ
レウティ・ロウラ シェルタ・ティエミ
(高音コーラス:エルエティラウラ-マゼトミラ-トゥアリア)
(低音コーラス:サイリエドーラ-オルトマキアエトキア)
[B]
暗がりには魚の影がゆ...忘却の森【曲・動画有】
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雨が降る丘の上 光の欠片溢す月の樹の下
微睡む君の手のひらの中に ささやかな夢を落としたい
星が散る空の涯 夜の雫掬う誰かの足音
眠れぬ君の目蓋に降り立ち 叶うなら唇を寄せて
願うの 私の愛すべき人よ
どうか明日も幸せに
君が生まれたあの朝に わたしは私になれたから
その瞬く夜色の目が どうか月を見...Erfin
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誰かのアイが溶けたいつの岸辺
君は言ったろう?
目が眩む朝だね
誰かの愛に咲いた対岸の影
僕は言ったろう?
目の廻る朝だね
水面に触れて笑うのは
日の暮れたらと約束しよう
ゆらゆら乞うって今は居たいのさ
僕の夢は覚めやらぬ...僕の夢は覚めやらぬ
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(A)
誰にも見えない隙間に落ちて
たまに考えることがあるの
本当は私だけのものなんて
何もないんじゃないかって
(A)
約束事で結んでみたり
気まぐれなふりで放してみたり
そうして本当に失くしたものの
数を忘れて両手を開く...夜より深く
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午前1時の鐘で目を覚ます
窓の外落ちる雨の音 ルウ-ルウ
朝まで一緒に踊りましょう なんて
よくできたお伽噺に胸を馳せて
もしも蹄の音が聴こえたら
私は歌うと約束する ラア-ラア
本当はすべてまやかしで なんて
ありふれたフラジイル 砕けないで
目蓋の奥で今もくらり
絶えず揺らめくシャンデリア...シンデレラ
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君を閉じ込めた瞼にも
光は泡のように射し込んで
ほどけたこの指のあわいから
さらさらり流れる 昨日の砂
捕まえたつもりの一粒
爪の先で遊んで浮かべては
また空気と取り替えてそして
自由を掴んだのだと 哀笑
待って 待って 追いかけはしないよ
さあさ さあさ 君に出会いたかっただけです...水宙底園
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一つ目の歌は忘れられた歌
ありふれたおとぎ話のため息から生まれた
二つ目の歌は愛し継がれた歌
人知れぬ農夫の鼻歌から生まれた
ハイラ・アイラ
君はまだ呼ばぬ
あの聳えた塔に蔦が絡んでも
ハイラ・アイラ
君はまだ歌わぬ
あの捩れた幹に雨が注いでも...ハイラ・アイラ
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(A)
あなたが残してくれたのは
迷宮仕立てのこの心
リコリス色の記憶の中
褪せないあなたの横顔は
(B)
ああ 今でも微笑ったまま
私の最の果て佇み続ける
(サビ)
失くしたのはあなたではなく...時のアメリア
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砂糖漬けの瓶の底で
ゆら ゆら ルルムーシュカ
踊る野薔薇を掬い上げたら
ゆら ゆら ルルムーシュカ
始めましょう
街角のその隅
落ちていたのはこの絵本
手探ったページは
魔女に捧げるこのお菓子
野薔薇をひとつ荊の中に投げ込んで...ルルムーシュカ
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底 深くに沈んで あなたの涙も届かない
その深くに眠ってる
紫色の花 咲かせてみせよう
誰にも届かない萎れかけた蕾
あなたの願いを叶えてあげよう
水をあげよう あなたの代わりに
僕がそこへ降りてあげるよ
その夢路の果てへ もうお行き
白い光の声 応えておやり
夜明けが開く...涙喰い【応募採用】
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名前のない星が
空の切れ間から墜ちる夜
君はどこかの月の影
膝を抱えて眠っている
ここまで おいで
鳴き出した金のオルゴール
どこまでゆこうか?
囁いた誰の だれの だあれ
嗚呼 ああ 呼嗚
月が揺れた...星狩り
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時計回りの真昼のテラスに
あなたの背中を見つけては
冷たい床を私駆けて駆けて
転がるみたいに、逢いたい
迷子の兎を追いかけたこと
硝子の靴を履いてみたこと
全部あなたの為だったの私
煌めくゆらぎを、恋うって
走る秒針の音も聞かず
笑うあなたの声を追って...翡翠
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ビー玉 転がった 青い影を残して
ビー玉 落ちていった 深い海のその奥
ららら 歌いながら
ビー玉 転がった 君の後ろを通って
ビー玉 過ぎていった 青い影は残した
ららら 透明なの
もう何も 言わないで
白い光が刺さる 僕の瞳を知らない?
君の声が聴こえる 僕はただ立ち竦む
ビー玉 転がった 青い...瞑目
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ホシジルシ クリカエシクリカエシ
僕の歌には言葉が足りない
ホシジルシ クリカエシクリカエシ
僕の歌には あのね あアA
君と僕とが信号待ち
ガードレールの陰で並んで
曖昧な黒 ナンバーは不明
信号は今青になりました?
何が言いたいのかって
何があったのかって?...ラララ