ろろあ製菓堂の投稿作品一覧
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覚えていられないくらい前からずっと
囚われていたままの感覚を放ちたい
空っぽになった製氷皿みたいな涙が
フワフワ浮かんでは僕をあざ笑った
静かな鎖に繋がれて巻き付かれては
安心できるカタチを求めて彷徨ってる
ここを居場所にできるって言い聞かせ
檻の中で笑いながら目を閉じた
ネバネバした感情だけが取り...安寧の疑獄
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関係ないって遠くから思ってた
たくさんのニュースに紛れて過ぎて
聞こえてくる歓声だけ楽しそうで
微笑ましかったんだずっとずっと
その世界が殻の中だってのは知ってた
心地よい揺りかごはそれだけで満足で
立ち上がることもできず腐っていくとして
「誰がバッドエンドを決めるのか」ってさ
少しだけ薄暗くなった...卵殻破砕
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ウトウトしたまま僕の体
優しく叩いている誰かの手
どうして鼓動とぴったりなの?
朦朧とした意識フェードアウト
安らかな寝息に合わせて
聞こえてくる小さな鼻歌
どうして脈拍を知っているの?
泥濘とした脳裏ホワイトアウト
少し離れた暖炉みたいに
燃え盛っているのに怖くない...六等星の音色
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かすかな光を手繰り寄せるように
逃さないようにって何度も
失い続けていたんだね
でもそれなんのためだったっけ
手に入れたかった輝き
宿したかったトモシビ
ねぇその後はどうしたい?
ねぇその先は何がある?
それじゃぁ立場を変えようか
真っ暗でできないことって...うしろめたらいと
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意識しなければいいなんて嘘
ほのかに漂ってくる幻想はいつか
憧れを人質にとって危うく誘う
見つからないものを静かにかざして
願いが妬みに変わってしまう前に
時間が経てば皆脆さを隠せなくなる
届いても気づけなくなるなんて嫌だ
誰かに届けられないのはそれよりもっと
空ばかり見上げているとね
躓いてしまう...little tricker
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雑誌の占いページをハートに切り抜いても
素敵な恋が始まらないの気付いちゃって
恋愛小説に全力でときめいても今すぐに
王子さまは現れないしヒくかもしれない
埋めたはずの種地面掘り返しても出ない
千鳥足のカラスがほじくって食べたのかも
そんな可能性ばかりを信じたって構わない
年齢は死ぬまでのスーパースロ...構いライオン
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削られた砂浜が岩肌になるまで
叩きつけられるしぶき真っ白に
草も生えなくなったこの土壌
踏み固められたどれくらい
何度だって唱えられたの最善を
向かわなければ必ず目的地まで
早押しボタンだらけの間違い探し
不正解者リストですらワーストに
申し分ない十分な量の安息の成分
レシピは有名な人が知らずに作っ...どろっぷちっぷ
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はつゆめうさぎたち
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煙突から白く伸びていく梯子達
不自由に流れては挨拶もなしに消える
暖炉のそばで集う想いは穏やかに
張り詰めた冷たい時を忘れさせる
薪の弾ける音が噂してたんだこっそり
笑う声聞かないふりしてたのに
寒さに負けたふりをして聞いちゃった
下らない話もどうしようもない話も
揺らめいた炎が胸の奥を撫でていく
...汽笛のない海
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次の瞬間に消えてった
いくつものステージに立つには
何が必要か考えてられない
手を伸ばすから早く来てよ
その時までこの先まできっとある
信じていたの浅はかな願い
気が付いたら移ろっていく
ため息の向こうに霞んでしまう
この世界はこんなにも脆くて
立ち止まってはくれないんだって...ONE.STAGE
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朝焼けに浮かぶオレンジの雲を眺めながら
「そういえば生まれたことないな」って思った
覚えてないし知らないし見たこともないよ
ウソだと言われても信じてしまうくらいには
疑ってかかるほどのことでもないたくさんの
通り過ぎた出来事も出会っていく物事も
私のことなんか知らずに流れていくんだろう
紅を差しては...オレンジ色の雲へ
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何を待っていたんだろう
動けなくなっている間にも
花の色は散っていくのに
月の顔は変わっていくのに
誰かが来るのを選ばれるのを
誰も通らなくなった道端で今も
来るはずのない郵便屋さんを
鳴るはずのないポストの底を
本当は全部やりたかった全部
散る花の種を植えたかった...願いごとクラシカル
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気づいてないふりをしていた
星たちに気取られないように
鍵盤の鳴らす雫を越えて
夜と僕らは静かに踊る
遠巻きに見てるのも良いけど
少しはこちらにおいでよって
灯そうとした声を吹き消して
鮮やかな恒星に照らされよう
食い違ってた想い拾い
抱きしめて暖めてもう一度だけ...Funny Starry Party
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薄い透明な壁冷たいのに溶けなくて
見えているのに触れないのなんで
どんなに温めても解けてはくれなくて
気持ちまで凍えてしまいそうになる
「元気になったらまた会おうね」って
最後の言葉にしようなんてずるい
「元気にしたいからそばにいたい」
むきになって叫んでた届かないのに
響かなくなった向こう側に歌っ...Wonder's HIGH
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いつも思い出さなかった
カギは無くしたままで
どこか水底に沈んでいる
記憶さえかすれて読めない
ふとした拍子に転がり落ちて
さびついた鍵穴が音を立てた
蹴りつける気にもなれないまま
箱の中身はあの頃を根こそぎ
あなたの指が小さく踊っていたね
わたしの指先でほんとに小さくさ...dancing saloon
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花びらをつまんでは唇に添えて
微かな蜜の味をキスの練習にしてる
どんなにときめいても嘘なのわかる
飛び回るミツバチだって知ってるさ
叱られながら怒られながらそれでも
つまんでは甘いキスを貪っている
当たるわけないハズレくじの軍団
すぐに消える蜜の味は嘘かもね
そんなもので誤魔化そうなんてご都合主義
...唇にレパード
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痙攣する連接文があまねく視界を
リアル白線渡り見下ろせばゼロ海抜
鏡を見ないふりして勘違い工場
あふれる情報がものさしを埋め尽くしてく
感傷の大地盆地焦げ付いて溶けそうで
蒸発した涙なんか誰の役にも立たない
押し広げた傷跡を埋められずに呻くなら
散らかした産声を暮れの空に沈めれば?
システムはオール...単一のピリオド
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川沿いに佇んで眺めてた
誰かの手伝いをするのが好きだった
小さな笑顔が灯るのを見ては
あの頃を思い出していたんだ
寂しくないなんて強がりだけど
今も何か役に立てるのならって
新しい旅路に戸惑いながら
少しずつ慣れてきた頃だった
「あなたの力を貸して」見慣れない姿
大げさな子だな出来る事ならなんでも...川沿いの小さな先輩
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暮れかけの空に紛れ込む
気づかれないフリした三日月
鋭い形を現す頃にはもう
街は夜を許していった
独特な口調で前よりももっと
私を上手に褒めてくれるから
抑えてた気持ちがすぐ歌になる
下弦の月が微笑むように
逃げ出した明日を見送っては
不安を溶かす薬を探してた...early night moon shadow
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疑わないまま透明なまま
真っ直ぐでいられたらなんて
疑わしいのは濁ってるのは
そっと隠していられたらなんて
時折吹く風を鬱陶しいとか
差し込む陽射しを妬んだり
ページには何も書いてないのに
めくったら何が見えるか期待して
「こちらがわ」を安息の地にして
「むこうがわ」を厄災の根にして...IF=THEN
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特別なものひとつふたつ
残せるとは思ってないんだ
でもね小さなバトンなら
切れそうな細いたすきなら
うんそれでも難しいって知ってる
爪痕すら流されて波の音
やるせないのにこんなにも落ち着く
遠回しに伝えたラブレター
放り投げられた言葉拾い集め
狂ったように紡ぎ合わせ...起爆無害
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知りたいの確かめたいのねぇってば
あなたのどこまでがワタシ色なのか
悩ましそうな顔も浮ついた返事も
つまらないことを壊して放りたいの
積み上がってく書きかけエクスキューズ
生きてる時間からこぼれそうなタスク
優先順位を付けるためのプライオリティ
カタカナが多くって時代も遡ってる
隙間埋めるみたいなニ...Funny! Yummy! Dreamy!
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ああ歌えたな今宵もこの闇に
誰に聞こえる事なく届くことなく
小さな波紋が広がっていくように
色とりどりの歌の花が咲いていく
静かに伝う音が滝のように逞しく
空を震わせて月を誘い出している
緩やかな風に浮かべながら響いていく
見送るように音を見つめて手を振る
上手に奏でられない日は幾つも
喉は掠れて息...クチビルテキスタイル
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スレチガイハナレナイ
ワスレテルマタアエル
イツノヒモソバニイテ
コノヒビキトドイテル
あの頃叶わなかった幾つもの願い
今じゃ当たり前になって欲張りになって
広がって止まらなくなったの「大好き」が
照れ笑いで頷いて少し俯いて顔上げる
何度も何度も手のひらを確かめてみても
秘密の鍵は握られていなくてう...ゼンブ ノ ネイロ
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とっくに溢れてこぼれてしまっていた
サラサラと指の隙間から落ちる星たちは
きっと誰かの心で夜を容易く照らしてる
それがとても愛おしいよでもちょっとごめんね
追いかけることも手を伸ばすこともせずに
優しい風に舞うのをただ眺めていたんだ
目を閉じていてもざわめきでよくわかる
散りばめられた世界のなんと楽...星の種と鈴の実
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「自分でやれば」って渡されても不器用
セルフィーもDIYだってどこかイビツだし
感じているのに刻みたいのに出てこない
意味の無い願いにはもう飽き飽きだけど
誰もいなくなった廊下で呟いてみる
夕暮れの終わる体育館で囁いてみる
ほらね何も変わらないって知ってる
最初から鼓動なんて無かったんだって
掠れた...クデンクチウツシ
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眠る前にぼんやりと考え事してた
大好きなあの人達と実際に会えたら
どこへ行こうかなにを話そうかって
夢と妄想が重なって蜃気楼になる
目が覚めてドアを開けると待ち受けるのは
夢にまで見ていた憧れの持ち主達
ちゃんと喋って動いて手を繋いで
笑いかけてくれるのが妙にリアルだった
一緒に歩きたいって思ってた...More so think in LOWER!(再投稿)
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あいさつの代わりにって真っ赤な笑顔で
揺らぐ視界もふらつく足元も
まるで宇宙遊泳みたいだなんて
空に浮かんで溶けちゃいそうになる
だいどこに立つのも難しくって
抱えられたまま暗くて温かい宇宙に
「何が悪かったのかな」ってフワフワ
「どうしたら良かったの」ってシクシク
差し込んだ明かりの先に浮かんだ湯...熱冷ましセレナーデ
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なにひとつ合わない鍵束
お城の全ての扉を閉ざす
こんなに広くても窓からは
私の知らない星明かりが降る
さえずっても響くのは内側
誰かが呼ぶのを待っているの?
届かないならなんて諦めても
粘っこい未練は消えてくれない
残されたスープはもう冷めている
大きな机の端まで聞こえない...迷宮の本音
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推し量る距離に寂しいと名前を付けた
それを見た君は小さく笑って息を吸う
時計の目盛りも色の境界も
いつか滲んで感じなくなる
取り出せなくても大丈夫
何度だって溢れ出すでしょ?
諦めた世界も壁の向こうも
いつか遊んで感じなくなる
壁を床にしちゃえばもう
どこが空でも構わないでしょ?...さよならふぉげっと
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みずみずしく並んでは目を惹いて
選ばれるのを待ってる
輝いて張り切って連なって
触れてくれるのをただじっと
照らされた光が惜しみない拍手のように
爽やかな匂いまでも広げていくように
皆が待ち焦がれる誰かの指先へと
必ず幸せになれる完全なゴールへと
取り残されてしまえばおしまい?
笑顔の糧になることも...イエロー、オレンジ、ベジタブル
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ひとつめの足跡はもう覚えていない
誰かの記憶に小さく残ってても
産声も歓声も感じなかった
だからタクトは振られるんだ
気後れて隠したプレゼントに記す
破られた包みもちりばめた笑顔も
お礼もお返しも要らなかった
そしてギフトを私とあなたで
通り抜けていくいくつもの雫
冷たいものも暖かいものも...未来色シグネチュア
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お迎えしなきゃお迎えしなきゃ
要らない物をゴミにして
素敵なものをちりばめて
チリひとつないキレイな
手すりの裏から靴箱の隅
手を置くとこも触れないとこも
キレイにしてお出迎えしたのに
「入るのもったいない」って帰っちゃった
収集車が持って行ったゴミの中に
私は混ぜてもらえますか?...ホーキトチリト
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届かない響かない
聞き耳を立てて目の前で
こんなにも近いのに遠くて
どんどん声が小さくなってく
あんなに好きだったのにな
空っぽになってしまった
石ころみたいな硬い歌声
そのままどこかへ消えていきそう
誰に届けたいかわからなくなった
どこに響かせたいか言えなくなった...雲間のオーディエンス
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さびしい満月の夜には
気を遣ってお月様が話をする
よくわからないお話だけど
その気持ちで満たされていく
流れ星に邪魔されて怒ったり
雲に隠されて聞けなかったり
仕方のないことも多いけれど
それでも私たちは友だちです
新月の夜はいないフリしてかくれんぼ
三日月の日にはスタイルアップでうれしんぼ...おしゃべりノクターン