翔破の投稿作品一覧
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バレンタインの定番
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TOボ
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ともだち、だもんね?
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地面に倒れている長い髪の女の子を横目で確かめながら、私は携帯電話の向こうに声を掛ける。
闇に溶け込む特警の服装の中で、地面にばらりと散らばった桜色の髪だけが月の光を反射してぼんやりと輝いていた。
幻想的、とも言えるのかもしれない―――もっと平和的な状況でなら。
「はい、任務完了。で、私はこの後...異貌の神の祝福を α.M
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Love me,my dear!
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お互いに相手の命を握っていると言ってもいいような高揚感の中、さわり、と風が吹く。
私たちの影の落ちた砂利道の上に、彼の黒い帽子がふわりと落ちた。
覗いた顔はとても端正で、でも…
私は一度瞬いた。
…斬られたみたいな傷痕と、片目を隠しているみたいな眼帯。
…まるで、潰れた目を隠しているかの...異貌の神の祝福を 8.R
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どうしてあなたは
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視界が少し悪い。
理由は簡単、目深に被った帽子とそれに押さえ付けられた前髪のせいだ。
でも俺はそれを解消するのではなく、寧ろ改めて深く帽子を引き下げた。
この顔を、見られたくなかったから。
結局、こちら側には俺とルカさんの二人が配置されることで本決まりとなった。
と言っても、ルカさんは飽...異貌の神の祝福を 7.L
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アンケートご協力ありがとうございました!
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「こーろーしーたーいー!」
私は叫んだ。もう、自分の年齢がどうだとか気にしないで、思いっきりわがままに。
「あの子をっ、殺したいー!」
「リン、最近そればっかり」
「だって!」
呆れたみたいなミクちゃんの言葉に、跳び起きて反応する。うん、子供っぽすぎるのは重々承知ですとも!
すっかり着崩れてし...異貌の神の祝福を 6.RL
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二場面混在です。説明回です!読む方ご注意
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大きなカフェテリアの隅の席に、メイコは腕を組んで座っていた。
仕事場から直行して来たため、その身に纏うのは仕立てのいいスーツ。仕事帰りの会社員、という分類を非常に良く体現した格好だ。
窓から差し込む日の光がプラスチック製のテーブルの表面に当...異貌の神の祝福を 5.Others
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だってあたしは!
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胸とどSとツンデレと
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「遅かったか…!」
そう搾り出したのは、一体誰だっただろう。
しかし、それがその場にいた人全ての思いだったのは間違いなかった。噛み締めた唇に、血の味が滲む。
…くそ…!
俺達は、警戒していなかった訳じゃない。この会が狙われることなんて簡単に予測できた。だから事が起きればすぐに対応出来るように...異貌の神の祝福を 4.L
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昔のことは、覚えていない。
別に思い出す気にもならないからそのことと自体は良いんだけど、私の中にはいつまでも消えない何かが居座っているらしい、と気付いたのは結構前の事だった。
思うに、一番最初に私の背中を押したのは、きっとそれだったんだろう。
殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。
それは間断なく私に囁...異貌の神の祝福を 3.R
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大きく弧を描いた口元が、闇夜に浮かぶ。
反響するのは哄笑。香るのは鮮血。
その強烈な印象が、消えてくれない。
俺は椅子に腰掛け、俯いていた。
「レン、どうしたの。酷い顔をして」
「…いえ」
直属上司であるルカさんにそう言われ、一言だけ言葉を返した。
怜悧な美貌が、応じるように黙って俺の顔...異貌の神の祝福を 2.L
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・人によっては不快かもしれません。ご注意ください。
・ひとしずくP「からくり卍ばーすと」より
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物心ついたときには、私はもうコレが好きで好きで堪らなかったんじゃないかと思う。
「あはははははは」
私は笑いながら、手当たり次第に刃物を振り回した。
「ははははは、あはははははははは!...異貌の神の祝福を 1.R
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アペンドさんいらっしゃい! 2
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「カ―イ―ト―」
「起きないね。蹴ってみる?」
「いえここは落書きでしょう…ほら油性マジック」
「!?」
頭上で交わされるかなり不穏な会話に、俺は急いで体を起こした。
聞き覚えのある声。
でも待った、ちょっと待った。あの子たちはこんな会話しない!
目を開いた俺の目に飛び込んだのは、声から判断...悪ノ王国発売おめでとうございます
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アペンドさんいらっしゃい! 1
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*アドレサンスです
*アドレサンスです(大事な事なので二回言いました)
*ツッコミ検定小説
見知らぬ顔映る
ささやく声低く
にぎるハンマーたたきつけるの
飛び散れガラスと
<ガラス粉砕>
青く晴れた空。焼け付くような日差し。
熱を帯びた人工芝の上、二つの人影が対峙していた。...ガラス粉砕
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元旦から通常運行しています
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おひめさまになりたいけど
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クリスマスプレゼント
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「というわけで」
「今日からお世話になりますね♪」
そう言って笑う、見慣れた、かつ見慣れない姿に、俺の頭は一瞬理解を拒否した。
<楽しい鏡音×4生活>
「うわぁ、いらっしゃい!リントくん、レンカちゃん、これからよろしくね!」
「まー、仲良くやるか」
「こちらこそ、一緒に暮らせるなんて嬉しいわ」
...楽しい鏡音×4生活
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雪が降っていた。
「…?あれ?」
私はぼんやりと辺りを見回す。
ホーム。
私は、私の家の最寄り駅の、見慣れたホームに立っていた。
雪が降っている。その白くけぶる世界の中で、ゆっくりと電車が滑り込んでくる。
ホームに屋根はあるけど風のせいで雪はやすやすと飛んで来て二つに括った髪にくっつく。...ゆめのはなし
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「大丈夫、僕らは双子だよ…きっと誰にもわからないさ」
<どこかで間違えた召使>
リンをなんとか送り出し、僕は一つ息をついた。
よし、これであとはカイトさん達を待つだけだ。
「…ん?」
なんとなく鏡を見て、そこで僕は首を捻った。
…やっぱり、素のままっていうのはまずいかもしれない。
ちょっと...どこかで間違えた召使
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「ごめん、飽きた。別れよう」
そう言われた時、世界は意味を失った。
身じろぎをする音に、テーブルクロスを敷く手を止めて振り返る。
レン、起きたのかな?時間的にはそろそろ起きてもおかしくない。
寝過ぎって体に良くないんだったっけ。だったら寧ろ起こしてあげるべきなのかなぁ。
見たところ、今の音...sane or insane?
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北海道の冬は、寒い。
<砕けろ☆ホーリーナイト>
雪のちらつく中を、俺は無言で歩いていた。
賑やかにざわつく街中が、正直恨めしい。
え、今日は十二月二十四日?この時期何かあったっけ?もうすぐ色んな店舗が年内の最後の営業日だから、買い溜めを始める時期の事だろ?え、なにそのイルミネーション。なに...砕けろ☆ホーリーナイト
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だけど私は口にする。
今はまだ拙い言葉でも、届けたい思いは確かに―――ここにあるから。
<私的空想パレット・6>
私はものすごく緊張していた。
いや、その、単に彼のクラスを訪ねるだけなんだけど、わざわざ他のクラスに出向くことなんて滅多にないし。
しかも相手が男子なら尚更。もしかして、初めて...私的空想パレット・6
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<私的空想パレット・5>
「あいつが部活に来なくなったんだけど」
そんな相談を受けたのは、昼休みに彼の姿を見かけなくなってから二週間くらいした時の事だった。
私は鞄に教科書を詰める手を止めて、頭の中でその言葉を解読する。
あいつ、つまり美術室のレン少年が部活に来ないって事かなあ。
…え、いや...私的空想パレット・5
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ただ色を重ねれば辿り着けるのだと。
ただ色で塗り潰せば変われるのだと。
私は、そう信じていた。
<私的空想パレット・4>
かたん、という音と共に、絵筆が机の上に置かれた。
「…君はもう来ないと思ったんだけど」
彼は、理解できないと言うように金髪を揺らしながら静かに口を開く。
そこに微かに...私的空想パレット・4
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届かないと分かっているのに、手を伸ばす気にはならない。
それは結局、私とそれの間にどれだけの距離が横たわっているのかを突き付けるだけなんだから。
諦めるしか道はない。
だけど、それすら簡単には出来なくて…
<私的空想パレット・3>
出来の良い年上がいるっていうのは、かなりのプレッシャーだと...私的空想パレット・3
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時にそれがどうしようもなく私の心を苛んだって構わない。私は、何度も自分に言い聞かせて、激しい感情を塗り潰しながら生きてきた。
それで良いのだとずっと思っていたし、そうすれば目指すものに近付けるのだと思っていた。
<私的空想パレット・2>
「昼休みに油絵?ああ、なら多分あいつだよ」
あっさりと友...私的空想パレット・2
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この世界には、確かにうつくしいものが存在する。
それを知っているから、それに憧れ、焦がれる。いつか自分もああなりたいと思って、多少生活態度を改めてみたりする。
でも同時に、どうしようもないということにも気付いてしまう。私では、届かないんだと。
彼等と私の間の断絶は、どうしようもないくらいに明...私的空想パレット・1