tamaonionの投稿作品一覧
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空は、どこまでも澄んでいる。目の下に広がる、森の緑が鮮やかだ。
テトさんは、背中に生えた小さな黒い羽根を羽ばたかせながら、スイスイと飛んでいた。
「ふぅー、秋の空は気持ちいいなぁ」
そうつぶやいて、ふと、遠くの高い木に目をやると、木のてっぺんに美しい鳥がとまっている。
きれいな声で、歌を唄っているそ...玩具屋カイくんの販売日誌 (129) 小悪魔と堕天使
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「へぇ、こんな展示もやってるのね」
テトさんとデフォ子さんは、店内に入ってきて、展示を見回した。
ギャラリー「ゆうひ」では、いま、イラスト作品を展示している。
人気ブロガー「ぴこ」さんの描く犬のイラストは、ユニークで、目を引くものばかりだ。
「いらっしゃいませ。ゆっくりしていって。これ、ルコちゃんの...玩具屋カイくんの販売日誌 (128) 新ドールと、「ガリバー・コーヒー」
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「ふぅむ。テトさんが、新しいドールを?」
ちょと顔を上気させて、ルカさんがつぶやいた。
「うん。ま、うちで扱っているドールは、つづけていろいろ作る、と言ってくれたけどねぇ」
ちょっと寂しそうに、美里課長は言った。
輸入商社「ハミングス」の会議室で、
2人っきりで、ルカさんと美里課長が机に向かっている...玩具屋カイくんの販売日誌 (127) 天使対決!テトさんvsルカさん (テトさんの新ドール・part3)
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「うん、なかなか似合うよ。兄さん」
「そうか?」
背中に天使の羽根をつけた白いベストを、羽織って振り返るカイくん。
ミクちゃんが、ニコニコ笑いながら、見守っている。
天使の小道具の他に、ハロウィンの黒いコウモリの羽根の衣装や、怪しげなハットが、そばに置いてある。
キディディ・ランドの、売り場の奥のス...玩具屋カイくんの販売日誌 (126) 天使と悪魔!? (テトさんの新ドール・part2)
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秋も、すっかり深まってまいりました。
「玩具屋カイくんの販売日誌」を読んでくださって、有難うございます。
なにしろ登場人物が多いので(笑)また、ちょっと紹介してみたいと思います。
※最後の名前は、ボーカロイドやUTAUのキャラクターです。イメージと照らしてほしいです。
☆「玩具屋カイくんの販売日誌」...恒例の、登場人物紹介
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「ちょっと陰があって、不思議な雰囲気の人...」
さらさらゆれる、りりィさんの金髪を見ながら、テトさんはそう思った。
「じゃ、ダークな感じのドールを作って欲しい、ということですね」
「ええ...そうなんです」
彼女はそう言って、テトさんの目を見つめた。
レストラン「カフェ・ドナ」の席で、雑貨アーティ...玩具屋カイくんの販売日誌 (125) りりィさんの申し出 (テトさんの新ドール・part1)
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「リンダ、リンダ~」
ギターを抱えた、リンちゃんが、マイクに向かってシャウトする。
横にいる、リードギターのサナギちゃんが、弦を弾いてのけぞる。
ギュウーンンン...
ベースとドラムがつくる低音のうねりが、ホールに渦を巻いてとどろいている。
「うわ~。あいつ、けっこう激しい曲やるんだなあ」
...玩具屋カイくんの販売日誌 (124) テトさんのドール(ゆくりさんの音楽アート・フェス Part4)
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「♪ミク・ドールをこわきに抱えて去っていく、
彼女は Devil、彼女は Devil!」
ボーカルの、サルタコヨミくんが熱唱する。
いろんなバンドや、画家、雑貨作家たちが参加する、アートのお祭り。
「イースト・トーキョー・フェス」のライブだ。
晴れた日の公園で、ちょっと不思議な演奏が、繰り広げられ...玩具屋カイくんの販売日誌 (123) 悪魔からのラブ・コール (ゆくりさんの音楽アート・フェス Part3)
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お店もハケて(終わって)、従業員がイスをかたづけ始めていた。
店のステージの片すみで、リンちゃんは機材を片づけている。
うしろで「リンちゃん」と声がした。
振り向くと、そこにいたのは神戸ミキ(こうど・みき)さんだった。
「あ、ミキさん!」
お客が、軽い食事をとりながら、ライブを見られる店「ボイス・カ...玩具屋カイくんの販売日誌 (122) ゆくりさんの、音楽アート・フェス (Part2)
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「このオモチャ、面白いですねえ!」
レンくんは、売り場の汽車の玩具を手にとって、ながめる。
「ドイツ製ですよ。ペン立てになってるんです」
トニオさんが言う。
馬喰仮面町にある、トニオ福森さんのお店「マルクト」に、レンくんは来ていた。
ここは、輸入の雑貨や文具を置いてあるお店だ。
このあいだ、りりィさ...玩具屋カイくんの販売日誌 (121) ゆくりさんの、音楽アート・フェス (Part1)
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「あいかわらず、面白いね! キモいところが、“きも”だね」
「あのねえ。そういうオヤジ・ギャグ言うと、もてないのよ」
テッドさんのしゃれに、ぱみゅちゃんは口をとがらせていう。
サンセット・ギャラリー「ゆうひ」で開かれている、クリエイターのぱみゅちゃんの個展。
いろんな作品を前に、ふらりとやってきた絵...玩具屋カイくんの販売日誌 (120) ぱみゅちゃんとテッドさんの“キモ作品”
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「それは、昨日、入荷したんですよ」
神居店長は言う。
「キャンディに、ミクちゃんの顔がついてるね~」
アル夫さんは手にとって、シゲシゲとながめる。
細長いネギのような、キャンディの先に、
ミクちゃんに似た“はっちゅーね”の顔が付いていて、かわいい。
ここは、神居ガクポ店長のお店、トーイパーク・新橋店...玩具屋カイくんの販売日誌 (119) メグさんの看板アイディア
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「じゃ、また!」
展示会の会場に飾る小物を買いに、「上海屋」にやってきた、ぱみゅちゃん。
買い物を済ませ、しばらく歩いていると、楽しそうな話し声がした。
向こうから、兄弟のような2人連れが、お店の方にやってくる。
「あ、レンくんとリンちゃんだ」
彼女は思った。
「レンくん、この前あそこで買った“ココ...玩具屋カイくんの販売日誌 (118) りりィさんのマジック (レンくんと、星を売る店Part4)
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「ねぇ、レン、なに見てんの?」
リンちゃんが、うしろから覗きこむ。
「うぇっ、いや、ちょっとね」
急に自分の部屋に入ってきた、妹をにらみながら、レンくんはあわてて答えた。
レンくんの机の上には、小さな半透明のキャンドル入れがあった。
四角いその入れ物の中に、キャンドルが灯されている。
「兄ちゃん、キ...玩具屋カイくんの販売日誌 (117) レンくんの、ココロテレビ ~星を売る店 (Part3)~
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“自分の心が映る~ココロテレビ~”。
不思議な小さな箱を持って、レンくんは立っていた。
ちょっと変わった雑貨店「星を売る店・上海屋」で。
長い金髪の、お店のマスターの女性が、彼を見て静かにほほえんでいる。
「気に入ってくれたかしら。それ」
彼女は、ゆっくり彼に話しかける。
「え?ええ、はい!」
あわ...玩具屋カイくんの販売日誌 (116) レンくんと、星を売る店 (Part2)
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「あれぇ。道を間違ったかな?」
レンくんは、不安そうに周りを見渡す。
まっすぐに続く道の横に、お店が一見あるだけだ。
友達と一緒に、秋葉原にコミックを買いに行ったレンくん。
ほかに買いたい古本があったので、友達と別れ、神田の古本屋街の方に歩いていた。
どうやら、完全に迷ってしまったらしい。
「ここは...玩具屋カイくんの販売日誌 (115) レンくんと、星を売る店 (Part1)
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「よく、こういうギャラリーには来られるんですか?」
アル夫さんが、にこやかにカイくんに話しかけてくる。
「え?え、ええ...たまに、ですけど」
カイくんは、かぼそい裏声で答えた。
カフェ・ギャラリー「ゆうひ」に居あわせた、お客のカイくんとアル夫さん。
先ほど出ていった、男の子たちと、あわやケンカに....玩具屋カイくんの販売日誌 (114) すてきなカイコちゃん
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いま、女性たちに人気の雑貨、「アマガエルのフォギー」。
その作者のデザイナー、霧雨きょうこさんが、個展を開いている。
カフェ・ギャラリーの「ゆうひ」の店内だ。
ところが、3人の男の子たちが、ちょっとしたもめごとを起こし出した。
「アマガエルのフォギー」が、自分たちの好きなキャラクターの、パクリだと言...玩具屋カイくんの販売日誌 (113) ギャラリー・ゆうひの対決 (Part2)
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「これ、パクリじゃんよ」
“アマガエルのフォギー”の絵を指さして、男の子が言う。
「あんたたち、人の作品に、ケチをつける気?」
女の人が、言い返す。
ここは、アート・ギャラリー(画廊)の「ゆうひ」。
何やら騒がしい声が、入り口の方でしたので、
絵を見ていたカイくんは、何かと思って振り向いた。
店に入...玩具屋カイくんの販売日誌 (112) ギャラリー・ゆうひの対決 (Part1)
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「え、ミクドールって、私、よく見たことなかったけど」
モモちゃんは、そう言って、店のチラシを、机の上でトントンとそろえた。
「そんなに、ここに展示してる、“アマガエルのフォギー”に似てるの?」
彼女は、不安そうな顔をした。
「うん、なんか似てるみたいだヨ」
テッドさんはうなずいて、店内に並べてある、...玩具屋カイくんの販売日誌 (111) パクリかどうかを探れ!
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「ふぅ、ひと息ね!」
お客さんにするナチュラル・メイクを終えて、アンさんは、ホッとため息をついた。
東京の中野にあるアンさんの店、「ナチュラル・ハウス」。
ちょうど客足がとぎれて、店には友人のユフさん1人がいるだけとなった。
その時、店に、2人連れが入ってきた。
「あら!カイさん、ミクちゃん」
「お...玩具屋カイくんの販売日誌 (110) デフォ子さんの、しゃべる看板(part2)
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「ふぅん。僕も見てみたいなあ。その、“しゃべる看板”」
「びっくりするわよ」
興味シンシンの顔で言う、カイくんに、アン店長が説明した。
「アタシも最初に見たときは、じっと見入っちゃったもの。発明するの、大変だったでしょ?」
「んー、そうですね」
アンさんに聞かれて、デフォ子さんはのんびりと答えた。
...玩具屋カイくんの販売日誌 (109) デフォ子さんの、しゃべる看板 (part1)
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伸び盛りの、デザイナーやクリエイターが入っている施設「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」。
きょうは、年に2回ほど開かれる、“オープン・ビレッジ”の日だ。
ふだんは入れない、施設の中のデザイナーのアトリエや、仕事場を、一般の人が見学できる。
建物の一室の、一日限定の小さなティールーム。
キッチンで忙...玩具屋カイくんの販売日誌 (108) たこるかちゃんと、オープン・ビレッジ
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「えー? また会ったの?その人に」
テトさんは食べかけていたパンを、机に落としそうになった。
「うん、そうなの。なんか、親しげに笑って近づいてきたんで」
ミクちゃんはそういって、机にほおづえをつく。
「で、なんて言ってたの?」
テトさんは、ちょっと気になる様子で聞いた。
カフェ・ドナの昼下がり。
話...玩具屋カイくんの販売日誌 (107) ヘンな虫がついては!
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ガラスの大きな引戸のある、明るい感じの店。その前に大きな花輪が置いてある。
デザイナーの湯栗はいり(ゆくり・はいり)さんのお店がオープンしたのだ。
店の名は「ゆっくり」。雑貨と、インテリアっぽいキャラクターグッズを置いている。
大きなお祝いの花輪と同じように、いやそれよりももっとインパクトがあるのが...玩具屋カイくんの販売日誌 (106) 雑貨店「ゆっくり」オープン!
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「すごいね。取材とかが結構、来ているね」
ルコ坊が、モモちゃんに言う。
「そうね。ちょっとビックリだな」
目を丸くして、モモちゃんが答える。
先日、新しくオープンしたカフェ・ギャラリーの「ゆうひ」。
お茶や軽食をとりながら、壁面に展示したアートや絵画を楽しめるお店だ。
きょうは、店長のモモちゃんが作...玩具屋カイくんの販売日誌 (105) モモちゃんの個展開催
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●ライバル店に潜入だ!
じっさい、どこから見ても、女の人に見える。
駅前のショッピングビルの「らら」で、女性たちが行列して買っているのは、
リラックス枕の「アマガエルのフォギー」。
カイくんは、このライバル店に女装して潜入?して、
列にまぎれこんでいた。
自分でも結構可愛いと思った色合いの、アマガエ...玩具屋カイくんの販売日誌 (104) カイくんの女装作戦 (「らら」のヒット商品 Part2)
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●ライバル店から、ブームが生まれた!
「なんで、コレがそんなに売れるんだろうね」
メイさんが、机の上に置いた、カエルの形のリラックス枕を見て、つぶやいた。
「うーん」
「うん」
机の反対に座った、カイくんとミクちゃんも、のぞきこんで、一緒にうなってしまった。
キディディ・ランド原宿店のスタッフルーム...玩具屋カイくんの販売日誌 (103) 「らら」の大ヒット商品! Part1
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●テトさん兄妹に相談
御茶ノ水の駅前のショッピングセンター「らら」にある、「ボイス・カフェ」。
ここで楽しそうに話しこんでいるお客。
ちょっと個性的な3人だ。
いちど見ると忘れられない、不思議な、でもやさしそうな雰囲気の人は、湯栗(ゆくり)さん。デザイナーだ。
席の向かいに座っているのは、テトさんと...玩具屋カイくんの販売日誌 (102) ゆくりさんも店を出す
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●アース祭りのドナドナ号
「ぴよぴよぴよ、ぴーよぴよ」
野外ステージの上では、人気者のタレントで“学者”の、「ことりクン」が、さわがしく話している。
東京の大きな公園で開かれている、「アース祭り」のイベントは、多くの人で賑わっている。
「さわがしいけど、みんな楽しそうだね」
その様子を遠くに眺めなが...玩具屋カイくんの販売日誌 (101) 新しいお店が登場!
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玩具店の店主、カイくんとその周りで起こる日々の出来事を書いている、このお話。
とりあえず、書き始めてかもう2年くらいになります。
読んでくださっている方、ありがとうございます。
今回は、お話のイメージの下敷きとなっている「キャラクター」の存在と、
じっさいのヒントとなっているリアル世界(?)の元ネタ...玩具屋カイくんの販売日誌(100)タネあかしとこれから
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●春はフリマの季節
「もうすっかり、春ですね。野外のイベントは気持ちいいなあ」
観月さんは、まわりにずらりと並んだ、フリーマーケットの、広場を見ながら言った。
「そうですね。人出もけっこうあるし、よかった」
腕組みをしながら、吉さんもうなずく。
東京国際フォーラムの前の広場で、いま、フリマが開かれて...玩具屋カイくんの販売日誌 (99) サンセット・ギャラリーのアート・カフェ
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●チャリティーイベント大成功
「いやぁ、ほんとにすごかったわね~」
「あの熱気は、なんなんだろうね。ありがたいけど」
イベントの机や椅子をかたずけながら、テトさんとミクちゃんは話し合った。
テトさんの店、「つんでれ」のギャラリーで、チャリティーイベントが盛り上がったのだ。
「ミクさんのファンの男の子...玩具屋カイくんの販売日誌 (98) 「はっちゅーね」、男子に大人気!
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●「つんでれ」で、チャリティ・イベントを
「そうそう、お誕生日おめでとう、テトさん」
「どうもありがとう」
ミクちゃんの言葉に、テトさんは照れて笑った。
きょうは、テトさんのお店、雑貨店「つんでれ」に、ミクちゃんが来ている。
「そうだね、ここでは大体、100人か150人くらいは大丈夫かな。握手会でし...玩具屋カイくんの販売日誌 (97) ミクちゃんのサイン会
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「うわっあ! この方が有名なギャル社長のミクさんですかー。すんごいなや」
本人を前にして、子供のように騒いでいるネルちゃん。
「ど、どうも...」
ミクちゃんは、ぎゃくに頬を赤くして、恐縮している。
キディディ・ランドのカイ店長、そして妹のミクちゃん、
2人が訪ねたのは、「ジー出版」。
応接室で向か...玩具屋カイくんの販売日誌 (96) みんなでチャリティ・イベント!