コシュマール

くらくらするほど紅い蜜
滴り落ちるは瓶の底
光に照らされ結晶は
闇夜に踊って壊れて倒れ込む
さらさら崩れる蒼い砂

イサリビ

始まりの途
踏み出す今
ひとつふたつ
高鳴る
深い宵に灯された

きんいろのうるか

高天原からやってきた
金色のウルカに
会釈を返して立ち去った
ある日の昼下がり
笹舟に揺られて海から流る

君の好きな雨、君の好きな晴れ

落ちる雫
描く波紋
斑に濡れた
隙間くぐる
伸びた影を

うおうお

いわし鰯　かつお鰹　まぐろ鮪
おこぜ鰧　たら鱈　かじか鮖　
かわはぎ鮍　ちょうざめ鱘　
どじょう鯲　とびうお

深轟烈歌 -零ノ報告書-

冥々滴ル澎湃到来
現存シテヰル状態将来
観測シテヰル状況停滞
追悼シテヰル衝動此ノ際
流レル流レテ留マル此ノ価値

皇帝ダリアが何故か怖い

そこらじゅうの庭に生えている
皇帝ダリアの花が怖い
なんだか知らないけれどとにかく
皇帝ダリアがなんだか怖い
霜月空気が冷え始めた頃

EquiLibrium

空回り　地を蹴って　歪んだ　いつの間に
すれ違い　ひと目で　荒んだ　蜜の味
どうしても　このまま　何処かへ　行こうと
浮ついた　落ち葉の　面影　拾うと
もう見えない　奈落へ　飛び去った　kill no lie

晴れのヒ

晴れて澄んだ広い空に
反比例の僕のココロ
明るい未来なんて
来やしない ありやしない
高気圧が覆い尽くし

DULL COLOR JOURNEY

キリない言い分未来のために
意味ない自分はなんのために
光は何処に逃げたのだろう
あてなく地面を見つめる斜陽
崩れる思考に膿んでる機能

ギフテニア

言葉の種を紡いでみてそっと
君にあげる
ほらねいつもより
ずっといい顔になる
それから

NIGHT LIGHT

夜の街を駆け抜けて
金に染まる
光を集めて私の元に
変わる変わる街明かり
色に溢れ

浅春Prologue

季節が巡り光は
淡く揺らめく頃に
戻ってそして
僕には何処か心に置いた
揺らめく物はそのまま

薫風の彩

変わる雲が 強く時を描き出す
そよ風は草をなびかせて一筋の青を誘う
藤の色が淡く夏を匂わせる
小夜風は雲をかき分けて美しき月を望む
遠く流れる夢 手を伸ばしてみる

逍遥の空

黒い雲が切れた空に
走る青を探すよう
白む雲に手をかざして
歩み進む雨上がり
気の向くままふらりふらりと