絵空とうたかた

涼風の凪いだ　誰そ彼の刹那
絵に描いたような　淡く儚い空だ
波間に浮かべた　うたかたの音が
不意に囁いた
「ずっと続けばいいのにな」

こねくしょん!!!

こねくしょん!　ここから抜け出してどこへもいけるよ
準備はいい?
こねくしょん!!　ぼくの手を握っていまから飛び出そう
こねくしょん!!!　とびっきりのSEQ=0(シークレット)ぽわぽわ浮かべて
お届け!

スターダスト・リブート

共に行こうって誓ったあの夜の
星空を今も憶えてるかな？
暗闇がずっと続く先の
幽かな明りに手を伸ばした　
その手も今はかじかんで

また青い春が来る

ぜんぶ僕の所為なのに　勝手に辛くなってごめんね
息が白んでいた　18回目の冬が来た
キミはもう覚えてないだろうな　贖罪なんて自己満足だ

幸せを知らなければ　不幸を知らなかった

青春デッドロック

生きる目的なんか　有ってもどうせ嫌になる
人生が暇つぶしなんて　嘘だ、暇で死にたくなるかよ
感情が乾ききった　まあ、在ってもどうせ辛くなる
人生は不可逆だって　痛いほどもう傷いていた
満たさぬ心　響かぬ音楽

ラムネイト

ひたすら恋に落ちた　差し出されたその手を
弾むような君を離さないようにと
散ってく季節に追いつけなくて　図書室で死んだ僕の言葉
本音を隠した　それもこれもすべて僕の弱さ
「神様なんて嘘なんだ」夏空を見上げ嘆いた

ささやきさえ

ささやきさえ、また、許されないから、
届かない、詞を、ささげていいかな。
愛することすら罪だと思っていた、
愛したひとまで傷つけるだけならば。
愛してみてよときみが救ったからさ、

今日も満開ならば僕は目を瞑っていよう。

逃避行の宛ても、溺れる僕には見えないや。
息をやめたい程、舞うそれは完璧すぎたんだな。
「ご多幸」なんて、震わすとまた汚れちまうから。
今日もやはり満開ならば、僕は目を瞑っていよう。
甘く抱きしめたそれは、気付けば折って仕舞った。

未定義

「[未定義]の世界へようこそ　キミの名前を教えてよ
利用規約、自縄自縛、軌道からの卒業に
同意したらばおいでよ、こっち側に早くおいでよ」
一歩、闊歩、解放　今日から僕は、名無しのオブジェクト
埋まってくやることリスト　でも何の為にそれするの？

これがボクの今伝えたいこと、多分。

分かった振りして　すぐ見つかる振りして
宝物を　いつかのどっかに置いてきてしまった
夢は一応抱いて　でも手が届かなくて
ようやく分かった　落としものを拾わねばと
誰かの真似をした音楽が溢れた

Movere Vivere

立ち止まるな。
立ち止まるな！
君が愛しいから、
立ち止まるな、大人へ。
疾走怒涛の中、

いとまごい

校舎裏の樹が彩る前に　「大人」になってやると誓ったのに
この制服を脱ぎ捨てる前に　生きる意味を見つけると言ったのに
鴫が梢に帰って来るまでに　やりきったなと自分に伝えたいのに
十八歳になるまでに　自立しようと語っていたのに
ただただ　美しかった

夏の海岸線では聴こえない。

随分遠くまで歩いたね、紺碧が紅掛かるまで。
ううん、疲れてない、と君は振り向かずに石を蹴った。
ちょっと休憩しよう、と海の聴こえるここで腰掛けた。
どこまで話したっけ、と問うと君は、やっぱり泣いていた。
夏の海岸線では聴こえない。

フェイルド・バイオミメティクス

ねぇ？あと何周？
あと何周したら見つかるの？
あと何晩泣いて許されるの？
あと何秒、続く難病？
ねぇ？あと何周で

(aq)

とける。
恋にとける。ようばいはきみ、
ようしつはぼく。みたされてく。
やさしいまじっく。ささやく言葉、
とけてくぼく。あまくひびく。

11月下旬

嗚呼、寒いな　街路は黄色、11月下旬
いつもは自転車なんだが　今日は鞄からICOCAを出した
密閉された匣の中　ただ人混みは冷たかった
「大人」で身を囲んで思った、「これで大人になれるかな」
六時五十分の白い吐息　310Kはただぬるいだけ