【小説】wo R ld's end 10
「はい、OK!」
あたしは、レンとルカ姉の撮影を見ながら、腕時計を確認した。早く終わればいいのに、と心の中で繰り返す。
問題のシーンの撮影はどうしても見たくなくて、カイト兄に泣きついた。カイト兄がレンとルカ姉のマネージャーを数日間引き受けてくれて、あたしはその間ずっとミク姉のサポートをしていた。不機嫌なあたしと一緒にいる破目になったミク姉は、呆れた顔で言った。
「まったく、こんな回りくどいことする前に、さっさとやることやっちゃえばいいのに」
思い出してしまった言葉を、頭ごとぶんぶんと振り払う。やることってなんだ、やることって。