死にたがりの君と生きたがる僕。【2】
―――これは、夢だ。
レンは、目の前の光景を見るなりそう認識した。気付いたわけではなく、言うなれば、そうであることを“知っていた”。
そこはきらきらと輝いていた。
何処か遠く、このレンが知る世界ではない遠い世界で、それでもガラスの壁の向こう側にいる彼等は彼が良く知る彼等であり、同時に全く知らない彼等でもある。そこには自分自身でさえ含まれていて、此方側からは彼等が見えているが、ガラスさえ無ければ手が届くほどに近いというのに気付いていない様子を見るとどうやらあちら側からは見えていないらしい。
赤い服をその身に纏った髪の短い女性と桜色のウェーブのかかった長い髪をした女性が温かな目で見守る先には、青い髪をした男性とその周りにくっついてイタズラをしている黄色とオレンジのよく似た顔立ちの少女と少年がいる。