Amenohiの投稿作品一覧
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サテライトの光が照らす白と黒の世界に
落ちた欠片を求めて歩くどこまでも
君と私の間を繋ぐコスモでは
足掻いても息ができないんだ
横目で見た君の顔は憂鬱げに陰り
「明日から雨が降るらしい」と
ぼんやりこぼしてみせた
飾り物の優しさに満足したふりできるほど
人間はできていませんので
所詮 私は小惑星...Satellite
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煌めく水面の蒼に
私はまだ貴方を知らない
過ぎ去る日々は一人で
記憶だけを抱きしめて待つ
影を追いかけて走った
果てしない迷宮(ラビリンス)で
愛しさだけを私に残して
貴方は何処かで静かに眠る
貴方が私を呼ぶなら
どこまでも駆けます細い脚で...La belle mer(美しい海)
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Verde(緑)の流れる草原と
Bianco(白)の雲は波の音を乗せ
僕はトマトのRosso(赤)を齧る
君を待つ岬で身を休ませて
豊かに降り注ぐ光の雫に
育てられた僕たち
葡萄を摘んだ籠を背負って
並んで歩いた道
街の水路に小舟浮かべて
水面に顔を映したね...Un capo italiano
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お互い背中を預けてた
あの頃とはもう違うのね
背を向け踏み出す横顔に
決意が刻むPeine(悲しみ)
幸せ綻ぶ日々だった
傍らにいる君と
お揃いの銀のépée(剣)
幾多の敵を滅ぼしたか
背中を預けて切り捨てる
猛る敵など目ではない...戦場の双子
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作り物の幸せに溺れても
上辺の幻想に憧れても
見失いたくないもの
踏み止まりたい刹那がある
移ろいゆくものは信じ難く
壊れないものなどないかも知れず
震える貴方の瞳の奥は
桜の花弁を落とした水面
永久に流れる時と風が
遠く貴方を隠しても...幻想の幸
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足かけた窓の向こう
水色の淡い宇宙
薄れた星が遠のいて
もうすぐ私も消えるんだ
もう一度
あの声を聴きたかった
春風の桜より香る声
ただ一度
抱きしめてみたかった
我が身の錆びるその前に...自由落下
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ガラスに遮られた世界の外は
まばらな水玉が降る午後
車がコンクリートを滑っていく
扉閉じて道を巡り
捜しあてた君の姿を
陽の光が優しく示していた
夜空を覆う霧の向こう
確かに輝きがあるはずなのに
触れたくても届かない
風が通り...ワスレナグサ
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:chorus
僕を見つめた揺らぐbijou(瞳)
君に伸ばした震えるmain(手)
二度と触れあうことはないと
其の傷が語っていた
歩み進んだ道は脆く
落ちれば闇に喰われるのみ
それでも僕は求め続ける
君の全てを解くClef(鍵)
目指す先は遠いtemple(神殿)...Clef
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1人 記憶に足を踏み入れ
冷たい土に降り立った
探す 貴方の残り香
また逢えると信じていたくて
消える 掴みかけた幻
どこかで無理だと思っていて
深い深い闇に沈んだ
求めているものは
暗くて何も見えないよ
手探りじゃ見つからないから...Look for hope
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春めく風が服をかすめ
電車は線路を揺らす
近付く音に導かれて
座る席の窓に向けた瞳
これは見覚えある景色
数多の記憶が色を持つ
流れるように移り変わる
私は何を掴めたのかな
限りある世界はより美しく
私たちを試すだろう...桜駅
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純白のドレスなんて望まない
慎ましくていいから君と居たい
昨日の月は綺麗だったね
今日も明日もまた見れるかな
駆け抜けた夜道は薄暗く
道端の花なんて見えなくて
乱れる髪と泣き叫ぶ肺が
風を切り裂いた
ゆっくり歩いていいさ
そう微笑んだ君が離れない...Migrant
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君のために
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特に刺激もない毎日
友達のことしか見えなくて
当たり前に過ぎてゆく
若草色の日々
秋近き 夏の終わり
大イベント体育祭
盛り上がる人混みの中
輝く君を目にとめた
君の普段の気遣いが
何より嬉しくて...君のための学生時代
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薄桜が牡丹を遂げし
濃ゆまる色に添う想い
やがて深緋(コキヒ)に達すれば
想い溢れ全てを染めし
恋慕が夢を陽に掲げ
そしらぬ顔した青藍(セイラン)を
やがて染めゆく茜色
根元に芽生えし若苗へ
秘めし灯るは韓紅(カラクレナイ)時と共に避けられぬもの
瑠璃の海原 涙飲み...十人十色
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月下美人密かに一輪
人知れずに宵を待つ
誰も私に気付かない
小さな粒が葉につたう
蝙蝠さえも怯える闇に
息を殺して軽く触れた
夜空彩る星々が
いつもより明るく見えた
月を超える短夜
朝の行方を手にする...短夜