人魚と干物

疑似餌を撒かれた　飢えるのは心
置いてけぼりのようだ　まるで　五月雨の涙
愚かと笑えよ　前世はピエロさ
逆立ちしてもいいよ　そして潰れてあげるよ
満ちた月飲み込んだ潮騒　オーケストラ　聴いて

透明半

案外、浮いてるのかも
私の、足音はミュート
指先に血が、通わないのは
冷え性じゃない。存在がない？
その手であたためて。笑って頬よせて。

サナギ

Aメロ
隠れた指標　十字路の底
車も人も　僕に気付かない
ポケットの中　本音のこぶし
食い込む爪が　涙の理由

silent

A
ふくらんだ　わたしの影　音もなく　塵になった
迷わず　たおやかに指先　射(さ)した後
A'
よるべなく　たゆたう足　風切羽(かざきりば)　鳥になった

痕跡器官

ふくらんだ　じめんは　そのままはじけた
ふわふわと　うかんだ　ほこりつらはぜた
ほしいのは　きみのこえ
よるべない　こころが　そのままたゆたう
たおやかな　ゆびさき　みえぬさきをさす

port

ひとりで大丈夫だって　言って
つないだ手を　離した
渇いた喉うるおして　行って
あたしの事　忘れた
繰り返し　何度も

Endroll

あの日　顔をあげなかったのは
あなたの目に映る　景色に
わたしがいないと　知っていたから
蝶になった蛹　次は何に化ける？
待っていたら　来るのはエンドロール

メビウス

きみがいなくなる　夢を見た
これで　何度目だろう
これで　何度目だろう
いちばん最初に　見たユメが
ホントに　夢であれと