Dice

サイコロ　コロコロ転がして　今回は6マス進めます
6マス進んで辿り着いたのは　何故だかバツゲーム
どうして　どうしてこうなるの
人生運ゲーだから　死んでしまったらおしまいだ！
人生クソゲーだから　早めに戦線離脱したいな

Requiem

こびりついた劣等感と　こじ開けた君の本音を
熱くて深いリビドーに溶かした
其れを愛と呼ぶのでしょう
錆びついたペンが　掠れた文字を描く
焼けついた羊皮紙に乗る想いは

Filter

つまらない世界だった　くすんだ僕の瞳
何も書いてないはずの空気　必死に読んで
やるせない気分だった　景色に溶けた僕は意思のない透明人間だ
息がしづらいなあ　生きづらいなあ
言葉も出ずにただ喘ぐだけ　僕の存在はちゃんと見えてますか？

狐雨

瑠璃色の空　陽の光にきらめく雫
それはまるで　笑顔の下に隠した泪のやう
降りしきる雨　それでも云う「本日は晴天なり」と
わたくしと貴方の思いは異なれど　御嫁に参ります
はらはらと　ぽつぽつと　落ちる雫

Liberality

吐き出した言刃が　巡り巡って僕を傷つける
相手の傷を知り　はじめて僕の未熟を知るんだ
僕と君　全然違う人間なのに
世界は何故か　「同じ」を求めて
無責任な同調は　歪な一体感を生む

Sapphire

少女の僕は　彼の国の王子に恋をした
でも少年の私は　一国の王子だからその恋は叶わない
***
少年の私は　手綱を引き　剣を携え
数多の兵を従え　勇敢に進む

自鳴琴

(Dolciss.)
道端に　落ちている幸せを
鍵のついた小箱に　そっと集める
喧騒の中で　肩を落とした時
鍵を開けて　そっと微笑むの

Syndrome

きみが笑うと　ぼくもとても嬉しいんだ
それから　きみが泣くと　ぼくも悲しいんだ
苦しみも悲しみも　ぶつけてぶつけられて
これが「愛」だと言い聞かせて
寄りかかられて　共倒れ

コドモドラゴン

卓袱台にごはん　温かいごはん
朝のごはんの　相手は電波
四角い箱に映る景色は　広い草原翔けるドラゴン
ドラゴンは卵をあたためて　産まれた子供と生きてゆく
ぼくも　あのドラゴンみたいに

History

揺れる草花　薫る風に誘われて
響く唄声　来る　閃くその光
滲む傷跡　吹きすさぶ花弁
焼き付けた記憶に　痛み軋む心
さあ、いざ立て旅人よ　手と手を繋ぎ

Memory

青空の向こうに　僕の思い出を託した
君との記憶は　波間のビンの中
駆け足で過ぎてく　刹那に冷や汗をかいて
来年の今頃に　君は隣にいないんだ
抱えきれない重い感情を　何処までも澄み渡る空に投げる

はぐれもの

不器用で低能で　どうしようもない僕は
それでも一人前のプライドは大事に持っていて
小器用で所謂勝ち組で見下す奴等を　心の底で蔑んで見下し返してた
溜まり続けるタスクに辟易としながら
繕った笑みの裏側に　永久に続く闇を視る

SucreChat

名無しの猫は鎖に繋がれ　冷たい首輪に頬を寄せた
孤独の猫は　甘い餌が欲しくて
だらしなく嗤う　皿には「猛毒」
シュレディンガーの猫は　箱の中で丸まり
夢を描くように　目を閉じる

六花道

六の花が肩にひらり　擦るその手に頬を寄せて
焦がれし春を迎えぬまま　ふたり別れを選ぶ
篝火を焚いて　悴む手で紅を引き
恋いも愛いも　知らぬまま　他人の家に行く月
いっそ憎き貴方を染めてしまおうか

CurtainCall

何処かの誰かが造った依存症で　誰かの目が死んだらしい
何処かの誰かが付けた病名で　誰かのナニかが救われた
空っぽの身体はユラユラ揺れて　嘲笑える怒れる欠伸も出るよ
でも僕のちっぽけなプライドが　涙を許さなくて
ガタガタ震えた僕は　脳心不全で死にました