【闇音レンリ】シュガーレス・ラヴ

寒空に誤魔化された
輪郭のない衝動と歩く
緩やかに壊れ出した
いくつもの時計の針
絡め取られ溶かされる前に

【重音テト】「○」

知られる事が恐ろしいと
本当で固めた言葉を吐き
誰にも心を見せないのが
自分を守るすべだと思っていたんだ
25kHzの叫びは

【重音テト】「×」

『嫌い』と言葉を吐き出すのは
もう何度目だろう
期待を心に貼り付けては
例外を探す
痛みを飲み込めない貴方は

【重音テト】トランスペアレンシー

夏の匂いを辿り駆け出せば
淡い明かりが灯り
遠く聴こえるは祭り囃子か
古き想い馳せる
波を眺めた夕暮

【重音テト】反り路

雨の音で目を覚ます午前二時
指でなぞる熱の逃げたベットには
少し甘いポール・モールの香り
安ホテルの狭い部屋の中で
最初からわかっていたのに

【重音テト】燈火

身を切る風に晒されて
さざめく想いが木霊する
散り往く楓に包まれて
うつむく空に雨が降る
煙る景色の向こう

【重音テト】声

君がいるなら何もいらない
別にそんな事ないんだけど
ありふれた声かけたくない
何にも言わずに ほら
何もなく君の横で

【重音テト】「口」

午前二時、夜　影も眠る街で
独り呟く　「ああ、次の人だ」
語る口は無く　歩く両足も無い
右のおてては　硬く、ゴムのようだ
薄暗い部屋で 重なる影に

【重音テト】「ー」

頭の中絵を描いて
汚れた部分を白く塗りつぶす
理想の環境 愛情 罪状
伽藍堂の夕焼け
傷み出した胸を掻いて