エルセテトラ -水鏡の魔女-

古き森の　古き泉　ほとりに住むは　
白銀の魔女エルセテトラ
澄んだ泉は　遠い町並み　みせる
動けぬ魔女の　眼となり　世界をみせる
彼女は　ただそれを　眺めているだけ　

或る詩謡い人形の記録　メドレーコーラス

Miche fo-awir nady.
古より伝わる物語
Dalt ro-eltye gady.
歪に繋ぎあわされた
Lamyu juwol entwis

或る詩謡い人形の記録『終焉の歌姫』

その昔　魔物に脅え　暮らしていた時代
隻眼の魔女の元　美しい娘がいた
彼女はかつて至上の歌姫と呼ばれたが
今はもう謡わない　その歌は死招くから…
呪われた　娘でも傍に置く魔女のこと

或る詩謡い人形の記録『賢帝の愛顧』

北の果ての国の賢帝
平和を愛する彼はある時
この国で一番の歌姫に恋をした
けれど彼女の先は短く　いつも苦しそうだった
彼女を救うため　手段は問わない

或る詩謡い人形の記録『夕刻の夫婦』

とある小さな村に
白き髪　白き肌　男の科学者がいた
病弱な　彼　助ける妻
対なる子供たちと　静かに暮らす
決して裕福では　なかったけど

或る詩謡い人形の記録『言霊使いの呪い』

遠く　遠く　森の奥深く　住まうのは
双子の　魔術師　兄妹の　物語
一つの魂を　分けた　二人には
ただ半分ずつの力しか　与えられない
「片割れいなくなれば　力は一つになれるの？」

或る詩謡い人形の記録『雪菫の少女』

雪の降る国　名将と名を馳せた
若き一人の　少女の話
権力も財産も　彼女はいらないけど
戦場へ…
噂だけはとおくとおく広がり　武勲をしらぬものおらず

刻の途 -long-

手のひら零れ落ちる　刻の砂のように
止まらぬこの想いは　何処に堕ちるのだろう？
どれだけ引き留めても　君はいくのでしょう？
壊れた砂時計に　微かに朱が雑じる
君の背　追いかけても