Exile66.6 ~early days~ 【2】
Exile66.6 ~early days~
【2】
翌朝、明け方まで寝付くことができず、寝ぼけ眼のまま食堂で朝食をとっていた少年は、この先どうすればよいのかと、考えを巡らすばかりでおりました。この日は非番であり、普段ならば私用の用事をすませたり、息抜きに余暇を楽しんだりと、気分が沈む理由は何も見当たらないはずですが、この日だけは違っていました。どちらの副団長とも顔をあわせる予定がないことだけは救いですが、まるで刑の宣告を待つ罪人のような気分です。
そんな、しゃんとしない少年の様子がよほど珍しいのか、周りの同期たちはひそひそ話を交わしたり、あからさまにコレか? と小指を立ててからかう者もいたりする始末です。ろくに食事に手がつかないまま、食器を下げようと彼が席を立とうとした時、不意に食堂の入り口から大きな声が響きました。
「見習い騎士 ……は居るか!」